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【BEVで2500km試乗】アウディ eトロン スポーツバックで東京~福岡を往復。その完成度を測る

掲載 更新 3
【BEVで2500km試乗】アウディ eトロン スポーツバックで東京~福岡を往復。その完成度を測る

東京から福岡まで往復するという最新BEVによる長距離ツーリング道中での取材を含めると、その走行距離はおよそ2500kmあまりとなる。「一充電走行距離405km」のe-トロンスポーツバックなら、心強い限りだ。(Motor Magazine2020年11月号より)

バッテリー容量1%で約3.8km走行を目安にスタート
アウディジャパンは同社初のBEVとなるeトロン スポーツバックの日本導入にあたり、太陽光・風力・小水力などの自然エネルギー発電事業や運営、電力小売り事業などを手がける自然電力株式会社との連携を発表した。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

これは、eトロンオーナーが自然電力が提供する「自然電力のでんき」プランを契約すると、毎月1000円の電力割引が1年間提供される、というもの。そして自然電力の最新となる発電所が2020年5月に完工した「北九州響灘風力発電所・太陽光発電所」である。

この背景のもと、アウディジャパンはeトロン スポーツバックで最新発電設備を訪れるという取材を行うこととなり、そのための車両移送を、企画の取材も兼ねて弊誌が担当することになった。

さて、先方との車両受け渡し場所は博多なので東京からの往復で2200km、弊誌取材での走行距離も加えると2500kmオーバーの行程となる。クルマを受け取り走り出して感じたのはその類稀なる静粛性、力強く滑るように走る気持ちよさだ。なんとスムーズ!

eトロン スポーツバックの駆動用リチウムイオンバッテリー容量は95kWh。WLTCモードでの走行距離は405kmなので、1kWhあたり約4.2km走行という目安だ。バッテリー容量1%で約4kmの走行が可能、とも考えられる。

モード値と実際値の違いを考慮すると、バッテリー容量1%で3.8km走行ぐらいだろうという見当を付けながら走行する。厳しき暑さが真っ盛りの時期ゆえに、エアコンはオンである。初日は夕方の出発で、途中2回の急速充電を挟みながら浜名湖そばのホテルに投宿。ここは普通充電設備があるので、ひと晩充電する。

バッテリー容量を見ながら余裕あるスケジュールで到着
翌朝、出発時のディスプレイにはバッテリー容量81%、航続距離316kmと出ている。ひと晩(およそ時間)充電しても、簡単にフル充電状態になるわけではない。こちらの充電器は定格出力3.2kWのタイプ。単純計算では10時間の充電で32kWhの電力が供給されたわけだ。

クルマ側の容量は95kWh。つまりこのタイプの普通充電器だと、充電開始時点で車両のバッテリー容量が63kWh(=ほぼ67%)ないと10時間充電で容量95kWh(100%)にはならないのだ。ロングレンジ走行を可能にする大容量バッテリーゆえの、たっぷり充電させることの難しさをまずは実感したわけだ。

では急速充電器だとどうなるのか。サービスエリアなどに用意されているチャデモ規格の急速充電器は最大出力50kWでの供給となる。使用には1回30分、バッテリー容量80%までという条件がある。

つまり50kW出力器なら1回で25kWh、eトロン スポーツバックにとっては容量26%の電力補給ということになるわけだ。バッテリー容量1%で3.8km走行という目安で考えると、eトロン スポーツバックはチャデモの急速充電1回ごとに航続距離100kmを獲得できる、という意味である。

博多までの往路は、浜名湖と徳山で宿泊する行程としたので、夜間の普通充電利用によってバッテリー容量をだいぶ回復させることができた。要所要所で急速充電を行いながらの片道1100km、エフィシェントモードで走り、速度は最高100km/h。スケジュールどおりの引き渡しに成功した。

さて、復路だ。こちらは取材スケジュールの関係で午前2時に出発、その日のうちに福岡から沼津まで約1000kmを移動するというプラン。往路の経験から充電時間と獲得航続距離を計算して、小まめに急速充電を行いながら時間の走行後、無事に沼津のホテルへと投宿して普通充電器に接続。翌日は河村氏の試乗取材、そしてすべての課題を問題なくクリアできたのだ。

eトロン スポーツバックによるロングラン、強行軍ではあったが、エナジーさえあれば本当にどこまでも行けるであろう、高い完成度を実感させられた次第である。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:永元秀和)

アウディeトロン スポーツバック55クワトロ ファーストエディション主要諸元
●全長×全幅×全:4900×1935×1615mm
●ホイールベース:2930mm
●車両重量:2560kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:300kW(408ps)
●最大トルク:664Nm
●バッテリー総電力量:95kWh
●WLTCモード航続距離:405km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:265/45R21
●車両価格(税込):1327万円

[ アルバム : アウディeトロン スポーツバックの完成度を測る。東京~福岡往復ロングラン体験レポート はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • 太陽光発電をするのに、山林の樹木を大規模に伐採して太陽光パネルを設置しているアレの何処がエコなんだよ。
    単なる自然破壊でしかない。

    カーボンニュートラルと言うならCO2を吸収するために植林をしっかりして健全な樹木を育てる事が重要だろ。
  • この商品戦略は謎
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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