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2030年、日本でどんな新車が売られているか? その激変度は!?

掲載 更新 47
2030年、日本でどんな新車が売られているか? その激変度は!?

「9年後」というのは難しい未来だ。世界が大きく変化している可能性も、それほどしていない可能性もある。2030年、日本ではどんな新車が登場しているのか? 自動車評論家、鈴木直也氏と国沢光宏氏が予測する。

文/鈴木直也、国沢光宏
初出/ベストカー 10/10号より

テイクアウトで急増中「ご飯を食べながら運転」は違反か合法か 捕まる場合もあるので注意!!

[gallink]

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■EV大ブレイクの初期爆発が起きている【鈴木直也】

 自動車という商品は、開発をスタートしてから世に出るまでが長い。デザイン変更が中心でメカ部分はキャリーオーバーで済ませても3~4年。パワートレーンからすべて一新するとなると6~8年。だから、企画については相当先読みをして常にアイディアを練っていないと遅れをとる。

 ましてや、いま自動車業界は「100年に一度の変革期」と言われている時代で、カーボンニュートラルという国策に沿って電動化を加速させるのが必須要件。メーカーの企画部門は「2030年にどんなクルマを売るか」について、熱い議論を戦わせている真っ最中だと思う。

 こういう前提に立つと、2030年にはこれからネタを仕込んだEVがたくさん登場し、新車の半分くらいはEVになってて当然という気もするが、果たしてどうだろう?

 供給側の事情はかくのごとしとしても、自動車はそれなりに高価な商品だからユーザーは基本的に保守的だ。

 9年後のEVがより低価格で高性能になっているのは間違いないとしても、それだけで売れるほど市場は甘くない。初期のプリウスやテスラのように、多くの人に「欲しい!」と思わせる話題作が出ると、それを変革の起爆剤として新しいマーケットが生まれるのだが、果たしてどこのメーカーがその鉱脈を掘り当てるのかは神のみぞ知るだ。

 さらにヤヤコシイのは、政府のエネルギー政策がEVの売れゆきを大きく左右すること。

 9年後も手厚い補助金が出ているか。急速充電インフラはどのくらい充実しているか。自宅駐車場に充電設備があるユーザーの割合はどうか。再エネ振興による電気料金の値上がりはどの程度か。そして、中古EVのリセールバリューはどのくらいあるのか?

 こういう複雑な条件をすべて考慮して、その上でユーザーが「こりゃ、どう考えてもEVを買ったほうがお得だな」と思った時こそがEV時代の幕開け。個人的な予想ですが、2030年までにはそんなEV大ブレイクの初期爆発が起きているんじゃないかと思う。

 現在からの変化率は、HVやPHEVを含む内燃機関車については130%。バッテリーEVについては300%くらい。トータルで200%かな?

2025年までに発売する予定のレクサスLF-Z Electrified


■2030年に登場する新型車は90%以上EVだと確信している【国沢光宏】

 2030年の予想、楽しいですね~! ヒョウロンカにとっちゃ腕の見せどころだ! といっても難しい。だって今から9年前の12年と言えば、燃料電池車など存在しなかったし、電気自動車(EV)だって黎明期。リーフ出て「実用性に問題ありますね!」。普及することなど考えにくい。そもそも厳しい燃費規制&騒音規制、はたまた欧州でディーゼルが衰退に向かうことすら考えられなかった。

 同じくらい今から9年後は状況が変わっていることだろう。最も違うの、新型車のパワーユニットだと思う。継続販売モデルについちゃハイブリッド車も残っているだろうけれど、新型車について言えば、90%以上EVだと確信している。なぜか? 安価で寿命の長いリン酸鉄リチウム電池が普及するからだ。現在中国が特許を持っているけれど、'22年から徐々に期限切れになっていく。

 リン酸鉄リチウム電池、決定的な破壊力を持つ。燃えないし熱に強いため急速充電で劣化しない。充放電可能回数は3000回とも4000回とも言われているから、1回の航続距離300kmのクルマであれば90という使い切れない寿命だったりして。23~24年にかけ、日本でも普通に使われることになるだろう。こうなるとハイブリッド車より車両価格もエネルギーコストも低い。

 EVのほうがガソリン車よりオサイフに優しいということになります。戸建てなら太陽光発電でエネルギー自給自足できちゃう。そうなったら皆さんEVを選ぶに決まっている。2030年時点では普通のクルマにリン酸鉄リチウム電池。もしかしたら高性能車用として全固体電池が普及し始めているかもしれません。この予想、相当自信あり。外れたら2030年に丸刈りになってやる!

 燃料電池車はディーゼルエンジンのポジションとして使われるようになると思う。もちろん液体水素など使った水素燃焼エンジンだって大いにありうる。少し脱線するが、航空機や船舶は二酸化炭素リサイクルの合成液体燃料を使うことになるだろう。電気や水素は搭載できるエネルギー密度が低いから無理。F1とWRCはさらに先を行くため予想困難です。個人的には合成燃料でお願いしたく。

現在からの変化率は250%くらい。かなり変わっていると予測する!

2030年、市販車の主流はEVだが、モータースポーツは合成燃料を期待したい

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みんなのコメント

47件
  • EV時代ね。まあ向かっているのは理解できるけど、期待していない。
  • 新車が殆ど売れなくなっているという方向で激変していると思いますね。
    自動車産業が終わっている可能性もあるし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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