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なぜ納車1年待ちに? 新型ヴェゼル「PLaY」人気の理由

掲載 更新 46
なぜ納車1年待ちに? 新型ヴェゼル「PLaY」人気の理由

2021年4月23日に発売されたホンダのコンパクトSUV、新型ヴェゼル。その立ち上がりが絶好調だ。発売後1カ月で、月間販売計画5000台の6倍以上となる3万2000台以上を受注している。そのため納期は、発売後約1カ月の時点で10月ごろと発表されていた。しかし、もっとも価格が高い「e:HEV PLaY(プレイ)」グレードについては、約1年待ちの22年5月以降となっているのだ。

では、なぜ「PLaY」だけが1年も待たされるのか?

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受注での販売構成比を見ると、唯一のガソリン車となる「G」が7%、ハイブリッド車のエントリーモデル「e:HEV X」が5%、売れ筋の「e:HEV Z」が76%で、「e:HEV PLaY」は12%である。ちなみに計画段階では、「G」20%、「e:HEV X」29%、「e:HEV Z」44%、「e:HEV PLaY」7%を見込んでいた。

ハイブリッド車が計画の80%から90%超となったのは、e:HEVを売りとする2代目にとっては好都合であり、ある意味想定内であったはず。しかし「PLaY」に関しては計画の5%増であっても、そう簡単には増産できない事情があるようだ。

「PLaY」はシリーズ中、2トーンのボディカラーとパノラマルーフ(サンルーフ)を装着する唯一のグレード。生産される寄居工場のラインにおいて専用工程が発生するため、生産枠が限られるという。その生産能力が7%。倍近くの12%を受注した時点で、納期は他グレードの倍程度まで伸びてしまった。今後、納期短縮に向けた何らかの対策を行っていくはずである。

そんな「e:HEV PLaY」グレードについて研究してみた。

まずは価格。329万8900円は、シリーズ中もっとも高額(227万9200~329万8900円)。FFのみの設定となる。

外観は2トーン専用で、プレミアムサンライトホワイトパール、メテオロイドグレーメタリック、サンドカーキパールの3色がブラックのルーフ色との組み合わせ。クリスタルブラックパールとミッドナイトブルービームメタリックの2色はシルバーのルーフ色とのコンビネーションとなる。
細部ではフロントグリルの助手席側上部に上から白・青・赤のアクセント(カラーバーオーナメント)を採用。ピューターグレー塗装のフォグライトガーニッシュ、ドアロアーガーニッシュのパッションレッド加飾も「PLaY」専用だ。

内装はグレージュの専用インテリアを採用し、本革巻きステアリングのステッチはオレンジの差し色仕様。センターコンソールパネルは高触感のバーミリオン(朱色)塗装が施されている。

装備の最大の目玉はパノラマルーフ。ほかにも、他グレードではオプションとなるホンダコネクトディスプレー+ETC2.0車載器(ナビゲーション連動)とワイヤレス充電器、駐車場などでバックで出庫する際に左右から近づいてくる車両を検知する後退出庫サポートなども標準装備となる。

そんな「PLaY」グレードについて、設定した理由や装備の詳細などをホンダに聞いてみたので、以下に紹介したい。

■プレイを新設したねらい・理由は?
価値観が多様化している現代において、モデルの幅を広げる役割を持たせ、今回の新型ヴェゼルのグランドコンセプト “AMP UP(増幅)YOUR LIFE”を、より体現したグレードとして企画しました。
モデルの重要価値として定めた3つのキーワード
◎信頼(Confidence)……自信をもって運転できること/周囲からも認められること
◎美しさ(In-Style)……人を惹きつける強い主張・存在感/スタイルアップしてくれる美しさ
◎気軽な愉しさ(Enjoyable)……五感に訴えかける“快”体験/楽しく活力に満ちた毎日
のうち、“気軽な愉しさ”を特に表現するグレードとして、冒険心を刺激し、ホンダらしい爽快で“ PLAYFUL”なイメージを表現しています。
 
■プレイは従来のツーリング、RSグレードなどとの入れ替えにあたるモデルでしょうか?
上記のとおり、新型ヴェゼルのモデルの幅を広げることを目的として設定しているため、上位グレードという位置づけではありません。具体的には「デザインが優れている」・「センスの良い」・「遊び心のある」といった、ターゲットである“ジェネレーションC”が求めているイメージの獲得を狙って企画しました。
※ジェネレーションCは、世代や性別を超えて現代の新しい価値観を持った人たちのこと。CはComputer(コンピューター)、Connecting(接続)、Community(共同体)、Change(変化)、Create(創造)、Curation(情報をまとめる)などを意味するといわれている。

■新型ヴェゼルと「PLaY」グレードのターゲットは?
新型ヴェゼルのターゲットは、SNSを活用し、さまざまな情報を集め、自ら発信し、新しいものに対してオープンな価値観を持つ、“ジェネレーションC”と呼ばれる層です。世代・性別に関係なく、新しい発見を大事にし、モノ選びはシンプルでありながら上質、それに何かをプラスアルファで望んでいる人たち、とターゲット設定をしました。
先代ヴェゼルは年齢層・前有車ともに幅広いお客様からご好評いただきましたので、今回デモグラ(統計学的な属性)で絞ることはせずに、今の時代の新しい価値観を持つユーザー層に応えられるように企画しました(先代も当時の先行層をターゲットとしていた点は同じです)。
特に「PLaY」では、より活力にあふれ、ライフスタイルにこだわりを持ちながら、プラスアルファを求める人たちに向けて設定しています。

■「PLaY」はパノラマルーフ、2トーンボディカラー、ホンダコネクトなどが専用装備ですが、装備設定の考え方は?
コンセプトをより体現するグレードとして、世界観にあった装備やデザインを設定しています。
◎パノラマルーフ……冒険心をかき立てる、五感に訴えかける愉しさとして、心地よい光を取り入れて、外の自然と一体となるオープンカー並みの圧倒的な解放感を提供するパノラマルーフを標準装備しています。
◎2トーンボディカラー……ジェネレーションCの価値観に応える個性をアピールできる遊び心を効かせたデザイン
◎ホンダコネクトディスプレー……モノ・コトにこだわって選ぶだけでなく、選んだものを発信して共感を得ることにも価値を置くターゲットに対して、いつでも気軽につながるコネクティビティは必要なニーズと捉えました。そのため、他のグレードではオプションで設定したディスプレーも「PLaY」には標準での採用としました。
◎インテリアカラー……明るいグレージュとブラックのコントラストが心地よいリズムを生み出し、開放的な印象の室内空間にしながら、シートにはアクセントリボンをあしらうことで、モダンでファッショナブルな印象に仕立てました。
◎その他……随所に専用デザインを設け、遊び心を表現しています(外装グリル部のトリコロールやインテリアのバーミリオンの差し色など)。

■フロントグリルのカラーバーオーナメントは、上から「白・青・赤」の順番で設定されていますが、この3色にした理由は?
ホンダのブランドカラーとしてアイコニックな製品などによく使われており、かつ、どんなエクステリアカラーにも合うトリコロールカラーを差し色としてあしらい、アクセントを加えました。色の順番に関しては、白が膨張色のため、最も奥に配置される一番上に設定。青・赤については、取り付け位置による見え方のバランスで決定しました。

■プレイのグレード名の由来をお教えください。
グレードのコンセプトにもある ”PLAYFUL(遊び心のある)” から命名しました。「PLaY」とあえて「a」だけ小文字にして、表記で遊び心を表現しています。playという英語は発音としては 「プレー」 ではなく 「プレイ」 が一般的なので、そのまま「プレイ」の表記を採用しています。企画当初から「PLaY」と呼んでいました。

■最後にユーザーへのメッセージをお願いします。
新型ヴェゼルでは、新たに2モーター化されたハイブリッドシステム「e:HEV」を中心としたグレード展開にしております。e:HEVモデルでは、シンプルでエフォートレスな「e:HEV X」、より装備を充実させ、一層の上質感を加えた「e:HEV Z」、そしてアクティブで遊び心ある世界観を演出した「e:HEV PLaY」の3タイプをご用意しております。ぜひ実車にてご覧ください!
新型ヴェゼルがお客様のライフスタイルをよりAMP UP(増幅)するパートナーとなれば幸いです。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

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みんなのコメント

46件
  • オデッセイ、レジェンド、クラリティを生産中止してヴェゼルを増産すれば良いのに、何でやらないんでしょうかねぇ?
  • 今日のCXハリアー押し上げ記事のスレはココですかww
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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