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電撃試乗![インド仕様]スズキ“新油冷”ジクサー SF 250

30~40万円台の“軽バイク”が猛烈に欲しい!

激戦区のフルカウル250市場にスズキが投入してきた新作は、驚きの油冷シングル。水冷ツインのライバルがひしめく中、一際異彩を放ち、アツい注目を集めている。東京モーターショーで展示され、日本仕様の登場時期も気になるところだ。今回は並行輸入した海外仕様で日本の公道を激走! その真価を探った。

注目の油冷シングル・’20スズキ新型ジクサーSF250の国内仕様はどうなる?!

●文:沼尾宏明 ●写真:長谷川 徹

新技術で11年ぶりにお家芸の油冷が復活!

’19年、人気の250ccクラスにスズキが油冷を引っ提げてやってきた。しかもフルカウルスポーツで――。これは大きなニュースではないか?

昔ながらのライダーにとって、スズキと言えば「油冷」のイメージが強い。’85年の初代GSX-R750を筆頭に、4気筒からシングルまで数々のマシンを送り出し、伝説をつくってきた。だが、’08年のGSX1400ファイナルエディションを最後に生産終了となり、水冷にバトンタッチした経緯がある。

油冷エンジンのメリットは数多い。空冷並みに構造がシンプルなため軽く設計できる上に、水冷に匹敵する熱交換率でパワーと耐久性も高い。この令和の時代に改めて復活させたからには、「油冷にはまだやれることがある」とスズキは考えているに違いない。

―― ジクサー 250SF [インド仕様] ●価格&色: 艶消し黒、銀=39万9000円/MotoGPカラー=42万9000円 ●車両協力:バイカーズステーションSOX https://bs-sox.com/

その第1弾がインド生産によるジクサー250SFだ。新開発の249cc油冷単気筒SOHC4バルブは、水冷風のオイルジャケットやモトGP譲りの低フリクション技術により26.5psをマーク。水冷2気筒のGSX250Rを2.5ps上回る。

軽さも武器だ。軽量な油冷に加え、ジクサー150のフレームをベースにすることで車重はわずか161kgを達成。178kgのGSX250Rはもちろん、同クラスのツイン最軽量であるニンジャ250の166kgより軽い。なお、車体は250化に合わせて各部の剛性を高め、前後サスも改良済みだ。

特筆すべきは驚きの安さ! 今回車両をお借りしたSOXでは税込39万9000円/42万9000円で販売中。(約80万円のCBR250RRと比べれば半額、ニンジャ250やYZF-R25と比べても20万円以上安価なのだ。リーズナブルなGSX250Rでさえ54万円前後なのだから、まさに「価格破壊」と言っていい。

アジア圏では、250がトップクラスで、150が主流かつ現実的なカテゴリー。現地で150しか買えない人でも、ジクサー250SFなら手に入れられる価格設定なのだろう。

さて、どんな走りを見せるのか。興味津々でテストを開始した。

上質&高回転まで回る心臓 GSXより走りが俊敏だ

実車は、デザインがいい。インナーカウルの造りなど細部の質感こそ価格なりだが、スポーティでカッコイイ。そして、火を入れた瞬間からエンジンに上質なフィーリングが感じられる。ガシャガシャしたメカノイズが少なく、精密にエンジンが動いている印象。排気音もクリアに聞こえてくる。海外モデルとしては珍しいエンジンだ。

走り出すとスッと滑らかに回転が上昇し、3000~4000rpmからレスポンスが元気になる。低回転域からトルクフルなので、信号でストップ&ゴーが多い街中も得意だ。

8000回転から一段とパンチ力を発揮し、レッドゾーンが始まる1万回転まで引っ張ってもしっかりパワーがある。ツインのGSX250Rはロングストロークのマッタリした出力特性で、いかにもジクサーと対照的。GSX250Rでは8000rpm辺りでパワーが頭打ちになるが、ジクサーはスポーティな高回転型でブン回す楽しさがある。

ライディングポジションも大柄かつ迫力のあるGSX250Rに対し、ジクサーは125クラス並みにスリム&コンパクトだ。この出力特性と軽い車体によって、交差点の右左折や小回りもキビキビ。両足先がしっかり接地するので安心感があり、Uターンも難なくこなす。この取り回しのよさは、ライバルと比べてもジクサーの大きなアドバンテージと言えるだろう。

高速道路に入っても、乗り心地は良好だった。エンジンが元気なので思わず飛ばしたくなるが、6速100km/h巡航では振動が少なく静か。油冷エンジンの上質な印象はここでも変わらない。剛性感がありながら柔らかいバネレートでよく動く正立Fフォークと、分厚いシートによって居住性も快適だ。車体は小柄なのに直進安定性は良好。力強いエンジンとしっかりした足で、レーンチェンジも楽々だ。

防風性もキッチリ確保されており、正面からの風はもちろん、足元への風もかなりガードしてくれる。加えて、上半身が起きたライポジなので、ロングランも意外と疲れにくい。

さすがに大柄なGSXの方が安定感は高く、ノンビリと長距離走るのに向いた特性とは言える、ツーリング主体ならGSXを迷わずオススメするが、高速をキビキビ走りたい人にはジクサーも悪くない選択肢となるだろう。

低コストでもスポーティ これが新油冷の本質だ

ワインディングでは、ジクサーのバランスのよさを味わうことができた。

1万rpmまで回る油冷ユニットと軽い車体、ダンパーの効いた足で、旋回性能はGSXよりシャープ。フロントかリヤタイヤのどちらかが主体ではなく、車体を寝かせると前後がグリップして曲がる自然なハンドリングだ。

タンクには適度なボリュームがあるため、腰を引いて伏せやすく、ハングオフした時のホールド感もシックリくる。また、シフトフィールに節度感があり、安っぽさがない。

バイブレ製のブレーキは、握り込むと唐突に制動力が立ち上がるものの、効力を引き出しやすい初期タッチがいい。なお、ABSは作動させるまでブレーキを効かせるのが大変だが、パニックブレーキではしっかり作動する。

箱根を走りまくり、特に楽しかったのが芦ノ湖スカラインと長尾峠。タイトな峠も変化に富んだ中高速コーナーも自在に斬って取れる。ただしギャップが多い道は苦手。250クラスにありがちだが、特にジクサーはインド仕様ということでサスやタイヤのコストを抑えたためか、旋回中の段差で車体が暴れてしまいがちだった。

ライバルと比べ、決して高いレベルとは言えないものの、エンジン、車体、サス、ブレーキのどれかが突出していたり、低い部分がない。コストを抑えつつトータルバランスで攻められるマシンに仕上がっているのが見事。走りの基礎を学ぶのに打ってつけだ。

ちなみに後日クローズドコースで試したところ、6速1万回転で152km/hをマークした。ここでリミッターが効いたが、まだ伸びしろを残しており、油冷のポテンシャルは高そうだ。

――コスパが圧倒的な上に、高回転まで回してスポーツする楽しさがあるジクサー。公道レベルでスポーツを楽しむには十分すぎるパッケージとはいえ、サーキットの激攻めやレースなど本気の走りでは、CBRをはじめとするツイン勢に敵うことはないだろう。ただし、これは価格=装備が違いすぎるのだから仕方のない一面ではある。

新油冷が求めたのは、絶対性能ではなく、コストをかけなくてもスポーツできるという志。これが新油冷の本質であり、スズキの本気であると見た。これは素晴らしいことだと思う。

所得が少ないアジア圏のライダーにとって、大金を貯めなくてもスポーティなバイクの世界へ飛び込んでいける功績は大きい。このメリットは、もちろん日本の若者にも当てはまる。ジクサーを契機に、スポーツバイクに目覚める人は多いはずで、ライダーを育てくれる1台と言って過言ではない。ぜひ新規ユーザーに勧めたい1台だ。

税込39万9000円 価格が武器だが中身も秀作

―― GSX-Rの血統を思わせるエッジの利いた顔とフォルム。スポーティなキャラクターが、このルックスと実によくマッチしている。

―― 視認性に優れたフルデジタルメーター。150と異なるデザインで、新たに反転液晶も採用した。ギヤ段数や燃料計に加え、中央上部にシフトタイミングランプを備える。メインキーONで「GO」の文字を表示する演出も。

―― ヘッドライトは150と異なり、LEDを採用。デザインも専用で、GSX-Rらしい縦2眼に加え、横にワイドな設計とした。

―― テールランプもLED。ウインカーは電球だが、クリアレンズで精悍な印象だ。タンデムシートにはグラブバーも備える。

―― FキャリパーはBYBRE製片押し2ポット。ディスクは150のφ266mmから300mmに大径化し、制動力をアップした。

―― リヤは片押し1ポットのBYBRE製。前後2チャンネル式ABSを獲得した。光り輝く切削ホイールの採用で質感も向上。

―― リヤサスはマウントの剛性をアップ。スイングアームのほか、フレームのセンターパイプやステアリングヘッドも強化した。

―― タイヤはジクサー150のバイアスに対し、前後ともラジアル化。リヤは幅が10mmワイドになった。銘柄はインドのMRFタイヤ。

―― エンジンに合わせてサイレンサーを専用設計。エンド部のデザインは、丸い形状から、より高級感のある角型に変更された。

―― リヤシート裏側には、珍しいファーストエイドキットが。シート下にはメットホルダー用のフック×2、車載工具がある。

油冷エンジンは水冷に近い高効率型

―― シリンダーを囲むように油冷オイルラインを設置し、冷えたオイルを循環。水冷に近い構造だ。名称はSOCS(Suzuki Oil Cooling System)。

スポーツも疲れにくさも両立するライディングポジション

―― セパレートハンドルながら、幅と高さがあり、リラックスした乗車姿勢。ヒザの曲がりも緩やかで、ロングランもOKだ。タンクには適度なボリュームがあり、伏せやすく、ホールドもしやすい。足着きは両足の指の付け根がしっかり着くので、小柄な人でも安心だ。 (身長168cm/体重61kg)

カラーバリエーション

―― 試乗した艶消しメタリックブラックのほか、マットシルバー、エクスター(MotoGP)カラーの3色を設定。モトGPマシン=GSX-RRのレプリカカラーであるエクスターはSOXでも入荷済みだが、ベースカラー同様に早期の予約完売が予想される。

ジクサー250SFはどんな位置づけのモデルか?

抜群に安いのにデキがいい、このコスパは異次元

唯一無二の「油冷」というキャラクターで登場してきたジクサー250SF。コスパを追求した1台のため、スペックを高めたニンジャやR25とも性能面で開きがある。直接かつ最大のライバルは、やはりコスパで勝負してきた同門のGSX250R。ただしキャラクターは異なり、ジクサーは軽快&パワフルでスポーティ、GSXはマッタリしたツアラー的な特性が強い。この辺は好みなので、自分の使い方に合った方を選べばいい。

コスパに関しては、GSXも抜群だったが、ジクサーはこれを上回る。今まで250スポーツで最もリーズナブルだったGSXより約15万円安いのに、しっかりスポーツできるのだから、コスパに関しては文句なくクラスナンバー1だ。タイヤなどの仕様がグレードアップすると思われる日本仕様も、基本的には同じ路線と考えていいだろう。

◆250スポーツ車キャラクターMAP

諸元表

空冷のSF弟は30万円切り

250のベースとなった150は、空冷154ccを搭載。高回転域でアンダーパワーを感じるものの、中低速域ではしっかりトルクがある。対して車体は250よりさらに軽く、剛性も十分。出来のいい車体に身を任せたコーナリングが楽しい。真骨頂は峠の下り。抜群の軽さを活かし、旋回速度を上げて攻めるのが愉快で、コイツは下り最速の可能性を秘めている。150にしては車格が十分、かつ防風性能も良好のため、高速道路で疲れにくい。また、250より足着き性がいいのも長所だ。

―― GIXXER 150 SF ■空冷単気筒SOHC2バルブ 154.9cc 14.8ps/8000rpm 1.43kg-m/6000rpm■シート高780mm 重量140kg(装備)5速 12ℓ●税込価格:26万9000円

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