現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 誕生から30年!ホンダアクセス「モデューロ」のアルミホイール・エアロ・サスペンションの作り込み具合が半端ない

ここから本文です

誕生から30年!ホンダアクセス「モデューロ」のアルミホイール・エアロ・サスペンションの作り込み具合が半端ない

掲載
誕生から30年!ホンダアクセス「モデューロ」のアルミホイール・エアロ・サスペンションの作り込み具合が半端ない

■1994年に誕生し2024年に誕生30周年を迎えた「モデューロ」の歴史

「Modulo(モデューロ)」といえばホンダ純正アクセサリーのブランドです。現在は、アルミホイール、サスペンション、エアロパーツをこのモデューロブランドで展開しています。

ホンダ「S2000」復活! ファンの声に応えた試作車を世界初公開!

 そのモデューロが誕生して今年で30年を迎えたということで、メディア向けに「Modulo 30th Anniversary EXPO Vol.1」がモビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)で開催され、モデューロ30年の歴史やアクセサリー開発秘話などが紹介されました。

 モデューロの誕生は今から30年前の1994年、2代目VIGOR(ビガー)のマイナーチェンジでアルミホイールを設定したのが始まりです。

 当時4種類のアルミホイールが用意され、今回はその中から1つが会場に用意されました。当時はスチールホイールにキャップというホイールが多い中、15インチのアルミホイールに交換するだけでも価値のある時代だったそうです。

 アルミホイールのトレンドを含みつつ性能や品質を確保したモデルとなっており、2ピースモデルというのも時代を感じさせるものです。

 アルミホイールは1990年代から2000年代初めまで、デザインと品質を両立させながら、トレンドも取り入れたホイールを車種ごとに設定していきました。

■独自の技術力が凝縮された「MR-R01」開発

 2015年にはアルミホイールの常識を疑って開発された、ホンダアクセス独自の技術力が凝縮された、S660用のアルミホイールである「MR-R01」を開発します。

 アルミホイールはただ高剛性・軽量化だけを目指すのではなく、リム部とスポーク部の剛性バランスを最適化し、“しならせる”ことで、接地面圧を高めタイヤの性能を使い切る、というホイールを作り上げ、以降ホンダアクセスが展開する純正コンプリートカーである「モデューロX」のキーテクノロジーになる製品となりました。

 サスペンションやエアロパーツは、1996年に登場した5代目プレリュード用として登場し、当時としては珍しかったローダウンサスペンション、大型の門型リアハイウイングやフロントスポイラー、ボンネットスポイラーなどのエアロパーツが設定されます。

 この時はまだモデューロブランドではありませんでしたが、現在のエアロにも通じる、風洞と実走の試験を行いしっかりした効果を見いだしており、現在につながる開発思想がこの時点で出来上がっていることに驚きます。

 その後、エアロパーツはこのプレリュード用を開発したのをきっかけにスポーツカーだけでなく、1999年のエアロブームの際にモデューロブランドの仲間入りをし、初代ステップワゴンやS-MX、オデッセイやアコードワゴンなどのエアロを作り上げます。

 また、スポーツカー以外にファミリーカーに設定されるこの流れはエアロだけでなくサスペンションも同じで、当初より、あらゆる路面環境下でバランス良く設置する、追従性の良いセッティング。4輪で舵を切る感覚で意のままのコーナリングと、しなやかな乗り心地の良さを両立させています。

■「S2000」や「NSX」も登場!「ヴェゼル」でのホイール比較試乗も

 なかでも1999年に登場したS2000はノーマルの状態で完成されたエアロダイナミクスだったため、エアロパーツは必要ないとされていましたが、モデューロの開発部隊は、実効性のある空力効果を持たせたエアロパーツの開発に着手。見事にノーマルから一つ先に行けるエアロを完成させました。

 2008年、シビックに装着したエアロで、独自のエアロダイナミクス開発思想の“実効空力”を提唱します。見た目と空力性能を高次元で両立し、前後のリフトバランスをエアロパーツで整え、風洞実験だけでなく実走を重視した開発手法を確立させました。

 NSX、アコード、インサイト、CR-Z、S660、フィット、ヴェゼル、S2000などありとあらゆる車両のエアロパーツにはこの思想が盛り込まれています。

 また「Modulo 30th Anniversary EXPO Vol.1」では、4つのタイヤへ均等に接地荷重を与えることで、どんな路面環境でも安定感のある意のままの走りを実現させるという、乗り味のレシピも公開されました。

・アルミホイールはタイヤを使い切るための適切な剛性バランスを追求
・サスペンションはいかなる路面にもバランス良く接地する追従性
・エアロパーツはリフトバランスを調整し、均等な接地荷重を与え、アルミホイールとサスペンションのポテンシャルを最大限引き出す

 といった三位一体を作り上げ、さらなる理想のバランスを追求したのがモデューロXシリーズにつながっていきます。

 モデューロ体験試乗として、デビュー当時を再現したエアロとスポーツサスペンション、マフラーを装着したS2000と、2011年に発売されたトランクスポイラーとスポーツサスペンションを装着したNSXが用意されていました。

 両車ともに相当の年数がたっているにもかかわらず、そのしなやかな足回りと空力性能を感じられます。ボディの小ささや視界の広さなどに時代の流れを感じますが、スタイリングの良さは年数がたっても変わりないものです。

■ホイール「だけ」で、バンパー「だけ」で、走りがここまで変わる!

 ホイールの進化として、2024年春発売予定のヴェゼルのマイナーチェンジモデルに、Sports Styleが設定され、その足回りには新作の18インチアルミホイール「MS-050」が装着されています。

 ヴェゼル専用に開発されており、リム部とスポーク部のバランスを最適化し、しならせてタイヤの接地面圧を高めるようになっています。

 スポークの太さや厚さなど、デザインとの兼ね合いのなか導き出されたホイールは、マイナーチェンジ前のヴェゼルの純正ホイールとの比較試乗においても、剛性感の高さを感じられ、コーナリング中にももう一息ステアリングを切り込める余裕、コーナリング中の段差乗り越えの優しさなど純正にはない乗り味を体感できます。

 アルミホイールだけでこんなにも操作性と安定性が変わるのかと感激しました。

■“泥臭い地道な作業”が生んだ操作性を体感

 モデューロの代名詞にもなっている実効空力は、その名の通り実際の空力の効力を感じられるエアロです。現在の優れた解析設備ならば、コンピューターの中で、デザイナーが描いたスケッチの通り作り上げればそれなりのエアロが完成するはずです。

 しかしモデューロ開発部隊はテストコースに赴き、まずこの「ぬりかべ」と呼ばれる、空力の悪影響しか感じないパーツで、まず空力の大事さを体で感じます。

 その後デザインスケッチからクレイモデルをその場で削り、すぐにコースに飛び出し実際に走って効果を試し、また造形を煮詰めてテスト走行を繰り返すという泥臭い地道な作業を行います。これは開発エンジニアだけでなく、デザイナーやモデラー、関係する全員が同じ体験をして突き詰めていきます。

 実際にぬりかべ仕様に仕立てられたS660でコースを走ると、空気の重さを感じ、コーナリングもアンダーステアとなり怖さを感じます。

 次にノーマルバンパーになると安定感が増し、これで良いのでは、と感じられます。

 しかしそこから実効空力バンパーのモデューロXに乗り換えると、ハンドリングが安定し、より快適な操作性を手に入れられます。さらにリアスポイラーもモデューロX仕様となっていることもあり、前後バランスが整うと曲がりやすくなります。時速30km/h程度の定常円旋回とJターンのコースですが確かにその効果を感じられます。実効空力の名はダテではなかったです。

※ ※ ※

 30年という長きにわたって開発を続けることによって、多くの知見がたまり、この車両にはこういう足回りやエアロが合うだろうということは、ある程度分かるようになってきます。それでも毎回エアロを作る時には開発者やデザイナー全員でその効果を確かめながら作り上げています。

 2023年東京オートサロンで公開されたシビックe:HEVスポーツアクセサリーコンセプトの「テールゲートスポイラー」も現在開発中で、2024年中に発売予定だと言います。シビック用に前後バランスを考えた商品となっているそうで、その登場にも期待できます。

 メーカー直系だからこそ、品質と性能をバランス良く考え、さらに装着して効果がしっかり感じられるものを作り上げる。30年の歩みにホンダアクセスの底力を感じました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
motorsport.com 日本版
高性能Aクラスの集大成、メルセデスAMG『A45 S ファイナルエディション』が限定発売
高性能Aクラスの集大成、メルセデスAMG『A45 S ファイナルエディション』が限定発売
レスポンス
「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
motorsport.com 日本版
ラスベガス予選で50G超大クラッシュのコラピント、決勝前に再度メディカルチェックへ。「彼の体調が何より重要」とウイリアムズ
ラスベガス予選で50G超大クラッシュのコラピント、決勝前に再度メディカルチェックへ。「彼の体調が何より重要」とウイリアムズ
motorsport.com 日本版
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
くるまのニュース
BMW、ディーゼルエンジン車8車種のリコール…最悪の場合は車両火災に
BMW、ディーゼルエンジン車8車種のリコール…最悪の場合は車両火災に
レスポンス
近藤真彦率いるKONDO RACINGを応援する2名の「リアライズガールズ」はだれ? 王道のコスチュームをカッコ可愛く着こなす2人にも注目です
近藤真彦率いるKONDO RACINGを応援する2名の「リアライズガールズ」はだれ? 王道のコスチュームをカッコ可愛く着こなす2人にも注目です
Auto Messe Web
ラリージャパンでアルピーヌA110RGTに同乗試乗! まったく別モノかと思ったら量産モデルに通じる走りだった
ラリージャパンでアルピーヌA110RGTに同乗試乗! まったく別モノかと思ったら量産モデルに通じる走りだった
WEB CARTOP
ラリージャパンで競技区間進入の一般車、スタッフの制止振り切り検問突破していたことが明らかに。実行委員会は被害届を提出予定
ラリージャパンで競技区間進入の一般車、スタッフの制止振り切り検問突破していたことが明らかに。実行委員会は被害届を提出予定
motorsport.com 日本版
ラッセル、予想外のポールポジションに歓喜。コースイン遅らせる判断が奏功「フロントロウの自信はあったけどね!」
ラッセル、予想外のポールポジションに歓喜。コースイン遅らせる判断が奏功「フロントロウの自信はあったけどね!」
motorsport.com 日本版
中型トラックの枠を超えた「超過酷仕様」!フォード レンジャー スーパーデューティ、2026年発売へ
中型トラックの枠を超えた「超過酷仕様」!フォード レンジャー スーパーデューティ、2026年発売へ
レスポンス
なんじゃこの「付け髭」感! デザイナーの意思をガン無視した「5マイルバンパー」はアリかナシか?
なんじゃこの「付け髭」感! デザイナーの意思をガン無視した「5マイルバンパー」はアリかナシか?
WEB CARTOP
超イケてる新型ムラーノをデザインのプロが分析! 個性を主張する「デジタルVモーション」の使いすぎには要注意
超イケてる新型ムラーノをデザインのプロが分析! 個性を主張する「デジタルVモーション」の使いすぎには要注意
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村