チーム代表のトト・ウルフが自ら認めたように、メルセデスのパワーユニット(PU)はグリッド上で最もパワフルだ。これは、パドックにいる誰もが当然だと思っていたことだ。
唯一そう考えていなかったのは、FIAだけであった。FIAが実施したADUO(追加アップグレート機会)対象となるPUを選定するための評価で、レッドブルのエンジンがメルセデスのエンジンよりもパワフルだと認定。メルセデスのPUはアップデートが許される事態となった。
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ベルギーGPの際、ウルフ代表はメルセデスのPUが最強であると認めたが、ADUOに関する状況を変えるものではなかった。
ADUOに関する第2回目の評価は、ハンガリーGPの時点で完了した。ただそれまでの間に、メルセデスがADUOアップデートを投入することはなかった。彼らは現在のPUのままでもダブルタイトルを狙えると考えたようで、アップデート機会を来季向けに”とっておいた”ということのようだ。
今季のメルセデスは前半11戦中8勝、10ポールポジションを獲得。ポイントの面では大きなアドバンテージを持って夏休みを迎えた。アンドレア・キミ・アントネッリはドライバーズランキングで2番手のルイス・ハミルトン(フェラーリ)に50ポイントもの差をつけて首位に立っており、コンストラクターズランキングでのメルセデスはフェラーリに72ポイント差をつけた圧倒的首位に立っている。
この数字だけを見れば、将来に向けて楽観的な見通しとなるだろう。しかしリスクを過小評価してしまうと、取り返しのつかない過ちに繋がる可能性もある。そのリスクのひとつがPUの信頼性である。
メルセデスのふたりのドライバーは今シーズン、速さを見せつつも、信頼性不足によって重要なポイントを逃している。ジョージ・ラッセルはカナダGPでバッテリーのトラブルに見舞われてリタイア。アントネッリもバルセロナ-カタルニアGPで同様のトラブルに見舞われた。
ハンガリーGPでも、予選後にアントネッリのPUにトラブルが発生し、エンジニアは修理不可能と判断したようだ。またベルギーGPでは、フォーメーションラップで十分に回生できないという問題があり、スタート直後にエネルギー切れで失速……これが原因となって他車と失速し、リタイアすることになった。
メルセデスにとって当初の目標は、シーズン前半を終えた時点でふたりのドライバーがランキング首位を争い、ライバルに対して圧倒的なリードを築くことであった。しかし、事態は予想外の展開となった。メルセデスは結局エンジンの開発を継続し、ハイブリッドシステムの不具合解消にも尽力することになった。
その結果メルセデスは、フェラーリ勢よりもドライバーひとりあたり1基多いエンジンを使うことになった。アントネッリは既にシーズン中に使うことができる上限数にあたる4基目のエンジンを使っているため、シーズン後半にペナルティを受けて5基目を投入するのは避けられないだろう。
ウルフ代表としては、アントネッリの母国レースであるイタリアGPで5基目のPUを投入し、グリッド降格ペナルティを受けるのは避けたいところだ。一方でフェラーリは、ADUOアップデートを施したPUを投入予定である。
「理論上は、グリッド降格ペナルティを消化するのに最適なのは、イタリアGPであるように思う。そうでなければ、バクーも選択肢のひとつだ。キミが母国の観客の前でグリッド後方からスタートするのを避けるためにも、バクーを選ぶかもしれない」
ウルフ代表はそう語った。
メルセデスのパワーユニット開発を担うメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)の本拠地であるブリックスワースでは、改良版PUのベンチテストがまもなく完了する見込みだ。そして、開発部門は手応えを感じている様子である。
■カスタマーチームにもメリットが?
この改良は、ターボチャージャーの改良と燃焼室の変更が主になると言われている。加えて、ペトロナスが開発した新燃料も用意されるという。これらによって、出力が向上したようだという話も出てきている。燃費に影響を与えることなく、より高い馬力を実現できたようだ。もちろん、信頼性の向上も実現されている。
なおメルセデスF1チームではなく、メルセデスの本体側は、一刻も早く改良版のUを投入することを求めているようだ。たとえそれによってアントネッリが母国レースでグリッドポジションを大きく下げることになってもだ。
このアップデート版のPUは、ワークスチームだけではなく、カスタマーチームにも恩恵をもたらすことになるだろう。夏休み前最終戦となったハンガリーGPにシャシーのアップデートを投入し、シーズン初勝利を手にしたマクラーレンにとっては、待望の新PUを、ということになる。
マクラーレンが息を吹き返せば、当然フェラーリからポイントを奪うことに繋がり、そのことはメルセデスに間接的な恩恵をもたらす可能性がある。
しかしマクラーレンとて、今季のチャンピオン争いに加わることを諦めたわけではない。昨年王者のランド・ノリスは、シーズン前半終了時点で91ポイントの差をつけられているが、まだまだ逆転の可能性はあると考えている。
シーズン後半は、興味深い展開になるだろう。なぜなら、いくつかの政治的な決定が、シーズンを大きく左右する可能性があるからだ。
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みんなのコメント
フェラーリはオーストリアで スチールヘッドを入れ、モンツァから タービンブレードをブラッシュアップしたのを入れる、これによりメルセデスとレッドブルに対する ストレートのビハインドを詰められれば、キミが2回リタイアすると ハミルトンが近くまで追いついてくる
その2回分のリードの半分を消費する リスクを厭わないのなら、キミはモンツァで 新ユニットにはしないだろう
しかしそれで仮に フェラーリにポールを獲られ勝たれたら、そしてエンジンブローでもしたら 最悪だ
新ユニットを入れ フェラーリに予選で事実として勝ち、実際は後方から できるだけ上位を目指した方が賢い
やり繰りを上手に 運も良ければ、幻のポールから 勝てるかもしれないのだから
壊れるかもしれないPUに ヒヤヒヤしなが、ポールトゥフィニッシュは トトとパパの身体に悪いw
。その方がキミにタイトルを取らせる為には効率的だ。