■モデル末期のゴルフVIIに追加された「大本命」のディーゼルモデル
フォルクスワーゲン「ゴルフ」は、1974年に登場したCセグメントハッチバックです。累計販売台数は3500万台を超え、トヨタ「カローラ」と並び世界のベストセラーカーです。
フォルクスワーゲン「ゴルフ」シリーズにクリーンディーゼルエンジン搭載モデルを導入
現行型は7世代目で、「ゴルフVII(セブン)」と呼ばれるモデルになります。日本では2013年5月に登場、その年、輸入車としてははじめて2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。
2017年5月にはビッグマイナーチェンジを敢行、デジタルインターフェイスの採用や外観デザインの変更など、「ゴルフ7.5」と呼ばれるほどの進化を果たします。
日本での発売から6年。2019年末にもドイツ本国で新型「ゴルフVIII」が発表されると噂されるこのタイミングで、ディーゼルエンジン搭載の「TDI」モデルが導入されました。
日本でフォルクスワーゲン車を展開するフォルクスワーゲングループジャパンは、すでに2018年、「パサート」「パサートヴァリアント」「パサートオールトラック」「ティグアン」「ゴルフトゥーラン」に、ディーゼルモデルのTDIを導入しています。豊かなトルクからくる余裕の走りが好評で、全体では5割超、コンパクトSUVのティグアンでは、なんと8割超でTDIモデルが選ばれているといいます。
今回TDIが設定されたのは、5ドアハッチバックのゴルフ、5ドアワゴンの「ゴルフヴァリアント」、そして3列7人乗りミニバン「シャラン」の3モデル。これにより、フォルクスワーゲンのTDIラインアップは8モデルに増えました。
そのうちゴルフ/ゴルフヴァリアントに搭載されたエンジンは2リッターTDIで、150馬力/340Nmを発生します。組み合わされるトランスミッションは7速DSG(DCT)で、WLTCモード燃費は18.9km/Lと優れています。
ゴルフ/ゴルフヴァリアントともに4グレードを用意、ゴルフTDIは323万円(消費税10%込、以下同様)から391万円、ゴルフヴァリアントTDIは337万円から405万円となっています。発売日は2019年10月1日です。
今回試乗したのは、ゴルフTDIハイラインの特別仕様車「Meister(マイスター)」。デジタルメーター「アクティブインフォディスプレイ」や駐車支援システム「パークアシスト」、本革シートや17インチアルミホイールなどが標準装備されたモデルで、車両価格は391万円です。
■とにかく静かでレスポンスの良いディーゼル・ゴルフ
日本上陸から6年が経ったゴルフVIIですが、あらためて眺めてみると、全長4265mm×全幅1800mm×全高1480mmの手ごろなサイズ感とか、不足のない後席の座り感とか、通常時でも380リッター、後席シートバックを倒せば1270リッターにもなる荷室スペースとか、あらゆるところからセグメントリーダーたる理由を感じ取ることができます。やはりゴルフは何代目になってもCセグメントの模範であり続けています。
スタートボタンを押しエンジンを始動。フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンTDIは、ディーゼル特有の「ガラガラ音」が少なく、アイドリング中でもクリーンな音色なのは好感触です。
市街地を走行します。発売当初は足が突っ張った感じで、お世辞にも乗り心地が良いとはいえなかったゴルフVIIですが、年を追うごとに進化、いまでは荒れた路面でもうまくいなします。コツコツと凹凸は拾いますが、不快な硬さはどこにも見当たりません。
トルクの出方も自然です。たしかに急にアクセルペダルを床まで踏み込むとターボラグがあり、違和感を覚えますが、ふつうに運転するぶんには、まったくふつうです。このエンジン、ディーゼルっぽいドカンと背中を押すような加速感は薄いのですが、さすがにガソリンモデルのゴルフTSIよりも線が太く、扱いやすいです。
コーナーでは、ほどよいロール感をともないながらクリアしていきます。いまは世界的にもSUVタイプが流行していますが、ゴルフに乗ると1480mmという全高がもたらすロール感は自然だということをあらためて感じます。
高速道路走行は、ゴルフTDIの魅力を遺憾なく発揮します。100km/h走行でも1400回転ほどしか回らないエンジンは、圧倒的な静粛性を室内にもたらします。いくら耳をすましても、風切り音やタイヤからのパターンノイズ/ロードノイズしか聞こえず、エンジン音はまったくといってもいいほど聞こえません。
ゴルフTDIの発売は2019年10月1日のため、車両価格には消費税10%が含まれています。まだガソリンモデルのゴルフTSIが消費税8%込みの車両価格しか発表されていないため、厳密にはいえませんが、同グレードでのディーゼルモデルTDIとガソリンモデルTSIの価格差は、38万円前後になりそうです。この価格差も考えると、オススメするのはディーゼルのTDIです。
※ ※ ※
よく「ドイツ車は最終モデルが最良モデル」といわれます。その理由は、メーカー側でモデルチェンジとか年次改良という言葉は使わなくても、細かい改良をおこなって年を追うごとに進化していることがあるからです。
日本での発売から6年が経ったゴルフVII。ビッグマイナーチェンジを経て見た目も変更、デジタルメーターやナビシステムなど内装もブラッシュアップされ、さらに先進の安全技術もテンコ盛りです。
そういう意味では、現行ゴルフVIIの完成形が、今回登場したゴルフTDIと呼ぶこともできます。たしかに、2019年内にはドイツで新型ゴルフVIIIの発表が噂されていますが、もう少し待って最新モデルを買うのか、それとも熟成された完成形のファイナルゴルフを買うのか、これは本当に悩ましいところです。
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