「駐車場は私有地だから道交法は関係ない」と思っている人も少なくない!? スーパーやコンビニなど不特定多数の人が利用する施設などでは事故やトラブルの原因となる、駐車場でのNGルールや危険な運転とは。
文:井澤利昭/写真:写真AC
【画像ギャラリー】駐車場ならOKと勘違いしやすいNG行為とは?(6枚)
「私有地だから…」は勘違い! 道交法が適用される駐車場の境界線
交通違反を犯し、取り締まりの対象となった場合の反則金や、違反点数が加算される道交法が適用されるのは、あくまで“公道”での話。
確かに、大型の農園や工場内でのみ運用される車両にナンバーが付いていなかったり、中学生ドライバーがレースで活躍! なんて話題を見聞きしたこともある。
とはいえそれは、関係者以外は絶対に入ってこない完全クローズドな場所でのこと。
道路交通法第2条第1項では、道路を「一般交通の用に供するその他の場所」と定義しており、これは公道でなくとも、不特定多数の人やクルマが自由に通行できる状態にある場所は“道路”とみなされることを意味している。
つまり、スーパーやコンビニ、大型ショッピングモールなど、誰でも出入りできる商業施設などの駐車場は、何かしらの交通トラブルがあった際、道交法が適用される可能性が極めて高いというわけだ。
一方で、ゲートが設けられ、契約者しか入れない月極駐車場や、個人宅のガレージなどは「一般交通の用に供する場所」には当たないため、道交法の適用外となるのが基本。
この線引きを理解せず、駐車場だからといって無茶な運転をすると、手痛いしっぺ返しをくらうことがある。
空き枠を探しつつ画面を注視…他のクルマや歩行者を危険にさらす「ながら運転」
大型のショッピングモールでは駐車場も広大で、いくつかのエリアに分かれているなんてことも。初めて訪れる場所であれば、目的の施設に一番近い駐車場がどこなのかもよくわからない。
こんな時ついやってしまいがちなのが、少しでも店舗入口に近い空きスペースを探すため、施設のHPやマップアプリをスマホで見ながらの「ながら運転」。
前述のとおり、道交法が適用される駐車場内であれば、スマートフォンを保持して画面を注視する行為は公道と同じく違反行為となる可能性があり、違反点数3点、普通車で反則金1万8000円が科されるケースも。
さらに駐車場内は歩行者や他のクルマが飛び出してくるリスクが公道以上に高いため、ながら運転が原因で接触事故を起こせば、一発免停(違反点数6点)と1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が待っている。
仮に10km/hという低速であっても、クルマは1秒間に約2.8mも進んでしまう。わずか2秒間画面を見ただけで5m以上も目隠し運転をするのと同じことになり、重大な事故につながりかねない。
公共の駐車場はもちろん、クローズドな場所であっても事故ともなれば民法上の損害賠償責任などは免れないため、スマホを見ながらのながら運転は絶対にやめるようにしたい。
早く駐めたい焦りが事故を生む! 矢印無視の「逆走」や「ショートカット」
遠くにある駐車スペースを取られないため、あるいは一刻も早く出口へ向かうために、路面に描かれた進行方向を示す矢印を無視して逆走したり、通路を通らず空いている駐車枠を斜めに横切ってショートカットする運転も非常に危険。
駐車場内の矢印標示は警察の公安委員会が設置した法定標識でない場合が多く、これに従わなかったからといって違反になることはないが、道交法が適用される公の駐車場であれば安全運転義務違反(違反点数2点、反則金9000円)などに問われる可能性がある。
何より、駐車場内を指示された動線に逆らって走ることは、他のクルマや歩行者からすれば予期せぬ方向からクルマが走ってくることになるため、接触事故などの原因にもなりかねない。
特に大型の商業施設などでは、場内が一方通行で綿密に設計されていることが多く、逆走やショートカットによる予測不能な動きは、出会い頭の衝突事故を誘発する悪質な運転であることを認識しておきたい。
「公道じゃない」は通用しない! 駐車や交差時の「ウインカー不使用」
駐車場内を走行中に交差点を曲がる場合や、目的の駐車枠を見つけて後退しようとする際、ウインカーやハザードを一切出さないドライバーは案外多い。私有地だから必要ない、低速だからいいだろうというのがその理由だろうが、これも危険な行為だ。
先ほども述べたとおり、誰もが出入りできる駐車場では公道と同じように道交法が適用されるため、こうした運転は合図不履行違反(違反点数1点、反則金6000円)として取り締まりの対象となる可能性がある。
それ以前に、自分の意志を周囲へ伝える手段であるウインカーやハザードを点灯しないのは、周りを走るクルマとのコミュニケーションを自ら放棄する行為。
反対の立場で考えれば、こちらに向かって走ってくるクルマが合図も出さずに突然右折したり、前走者が駐車のために突然バックしてきたら、危険を感じることは容易に想像ができるはずだ。
右左折時は交差点の30m手前、進路変更は3秒前という公道でのルールを限られたスペースの駐車場で完全に守るのは難しい面はあるものの、自分が向かう方向や駐車する意思を周りに知らせるのは、ドライバーとしての最低限の義務。
これがきちんと果たせていなければ、違反とまではいかずとも、衝突や追突などの事故やトラブル時の過失割合が不利になる場合もありうるので気をつけたい。
「数m動かすだけ」が命取り! 駐車場内でも一発アウトの飲酒運転
パーキングエリアや飲食店、居酒屋などの駐車場でよくありがちなのが、車中泊をするために駐車場の端へとクルマを移動させたり、迎えに来た家族が運転しやすいようにクルマの向きを変えるといった理由で、飲酒後ほんの少しだけクルマを動かすケースだ。
ここまで読んでくれた人であればわかると思うが、これも当然アウト。
不特定多数が出入りできる駐車場では道交法が適用されるため、仮にほんの数mであっても、血中アルコール濃度が基準値以上であれば酒気帯び運転となってしまう。
取り締まりの対象ともなれば、違反点数は13点~25点で即免停。さらに最大で3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という非常に重い罰則が科されることになる。
過去には、コンビニの駐車場内で飲酒後にクルマを運転し、事故を起こした運転手が酒気帯びで逮捕されたケースも実際にあるだけに、決して人ごとではない。
「道路に出ていないからセーフ」という甘い考えは、人生を棒に振りかねない。酒を飲んだらエンジンをかけないのはもちろん、運転席にすら座らないくらいの心構えを持つことが、クルマを運転するドライバー全員の大原則だ。
「ここならいいだろう」の重い代償。無免許の人にハンドルを握らせる罪
「ここは私有地で広いから少し運転の練習をさせてみよう」と、深夜のスーパーの駐車場や、閉鎖された公園の駐車場などで免許を持たない子どもや配偶者にハンドルを握らせる行為も言語道断。
繰り返しになるが、誰でも立ち入れる駐車場は道交法上の道路と同じとみなされるため、こうした行為が発覚すれば、運転した本人が無免許運転として違反点数25点が科され2年間は免許が取得できなくなるのに加え、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となってしまう。
さらに、クルマを貸した側にも無免許運転ほう助として同等の極めて重い罪に問われてしまう。
仮に私有地であっても、フェンスなどで完全に封鎖され、部外者が物理的に一切進入できないようなクローズドコースでない限り、道交法の適用対象となるので気をつけたい。
早く免許取りたいといった軽い出来心での練習は、免許の取得が遠のくだけでなく、取り返しのつかない前科となってしまうだけに、無免許運転には何のメリットもないということを肝に銘じておこう。
「誰も見てない」わけがない! ドアパンチや接触を放置する「当て逃げ」の恐怖
駐車場内でドアを開けた際に隣の車にぶつける「ドアパンチ」や、駐車枠のポールや精算機などをこすってしまった際、誰も見ていないからとその場から立ち去ってしまうのは立派な犯罪だ。
道交法第72条では、交通事故を起こした際の警察官への報告義務が定められており、死者や怪我人がいない物損事故であっても、警察への届け出が必ず必要。
そのまま放置して逃走した場合はいわゆる当て逃げとなってしまい、危険防止等措置義務違反で違反点数5点、安全運転義務違反で2点の合計7点で一発免停。さらには1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されるという結末が待っている。
昨今では、ほとんどのクルマにドライブレコーダーが搭載されており、店舗の防犯カメラも高画質化しているため、逃げ切れる可能性は皆無に等しい。
事故の大小にかかわらず、接触したと気づいた時点で、必ず警察へ通報し、適切な対応をとることが賢明だ。
駐車場は公道と私有地の中間のような空間に思われがちだが、実態は道路と同じルールが適用される場所がほとんど。気が緩みやすいだけに、歩行者や周囲のクルマに十分配慮した安全運転が求められる。
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みんなのコメント
そのほとんどは対向車がいても寄ろうとしないし。
そもそも白線からはみ出したり、非駐車スペースに平気で停めてる時点で程度が分かる。