現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バイクの「2025年問題」と同じく、コーヒーにも「2050年問題」があるって知ってますか?

ここから本文です

バイクの「2025年問題」と同じく、コーヒーにも「2050年問題」があるって知ってますか?

掲載 4
バイクの「2025年問題」と同じく、コーヒーにも「2050年問題」があるって知ってますか?

まずはバイクの「2025年問題」をおさらい

 こんにちは! バイク好きのコーヒー屋、Day Drip Coffeeのクロダです。コーヒーとバイク。それぞれに奥深い、独自の世界観を持つ魅力的な存在ですね。このコラムではそんな二つの世界を行き来するうちに見えてきた、様々な出来事やトピックをお届けしていきます。時々寄り道もするけれど……。ということで、今回はコーヒーとバイクの両者にまたがるこのテーマ、「20XX年問題」について取り上げてみたいと思います。

【画像】「2025年問題」で生産終了となる50ccガソリン車の原付一種モデルを画像で見る(6枚)

 バイクの世界では昨年くらいからでしょうか、“2025年問題”という言葉をさまざまなメディアで頻繁に目にするようになりました。『バイクのニュース』でも取り上げられ、すでにご存知の方も多いのではないかと思いますが、以下にあらためておさらいを。

 大元はヨーロッパを中心に各国で採用されている排出ガス規制「ユーロ5」。先進国では同水準の排出ガス規制を採用することは義務であり、日本でも「令和2年度排出ガス規制」によって各バイクメーカーはその対応を余儀なくされました。規制に対応したバイクが開発される一方、コストやその他の事情で製造終了となったモデルもありましたね……(涙)。

 ただし原付1種に関しては実生活での需要や構造上の問題、コスト増などによって対応が困難であることから、適応時期が延期されていました。

 がしかし、それも2025年11月までの話。いよいよ対応が迫られる中で考えられたのが、原付1種の生産をほぼ終了する一方、原付2種(~125cc)の出力を原付1種(~50cc)レベルに抑えることで代替とする「新基準原付」の方向で調整中……というのがバイクの2025年問題です。まあ簡単に言えばいわゆる50ccガソリン車の「原チャリ」がなくなる! ということでしょうか。

そしてコーヒーの世界では……

 一方、コーヒーの世界では「2050年問題」というものがあります。これは簡単にいうと、2050年には「コーヒー豆の生産量が現在の半分になり、消費量は2倍になる」というものです。

 生産量が少なくなる原因、それは言うまでもなく「地球温暖化による気候変動」です。でもバイクは2025年=来年なのに比べ、コーヒーは2050年=まだ20年以上先だから何とかなりそう……なんて思うかもしれませんよね。いやいや、むしろ手遅れと言ってもいいくらいなのです。

 コーヒーの2050年問題は2050年を境に起きる話ではなく、その序章はもう既に始まっています。現在、東南アジアの生産国で天候不順による不作が起きていて、供給不足が深刻化しています。そのため買付けの取り合いはもちろん、投資家の動きも加わって価格高騰が起きています。例えるなら病気がじわじわ進むようなもの。今は初期症状が現れたというところでしょうか。

 コーヒー豆は赤道を中心に南北回帰線の間、通称“コーヒーベルト”と呼ばれるエリアで栽培されます。基本的に暑い地域ですが、美味しさを生むためには昼夜の寒暖差が重要。そのため標高の高さが求められます。

 他にも土壌や降雨量などさまざまな条件があります。コーヒーは存在がポピュラーな割にその栽培は結構繊細で手間がかかり、栽培可能なエリアも限定されるモノなのです。そこに気候変動が起こると「栽培好適地が減ってしまう」という訳です。

どちらの問題も環境問題が引き金

 この話をするとよく言われるのが「温暖化でコーヒーベルトの北限と南限がそれぞれ広がるから、今まで栽培できなかったところでも作れるんじゃない?」という話。でもその多くは森林地帯にあたり、切り開いてしまうとCO2削減に逆行しかねず、自然保護の観点からも問題があります。また地球は北極南極に向かって狭くなっていくので、そもそも場所が少ないです。時折「将来は富士山北麓でコーヒー農園やるので、ツーリングで立ち寄って!」なんてくだらない冗談を言ったりしますが、実はシャレにもならない話なんです。

 バイクもコーヒーも20XX年問題の根っこは共通で、環境問題が引き金になっています。それはすでに私たちの実生活へさまざまな影響を及ぼし、時に苦しい選択を迫られるようになりました。

 ちなみに現在のコーヒー事情は先に述べた価格高騰に加え、燃料価格高騰による輸送費上昇が追い討ちをかけ、日本はさらに円安。トリプルパンチ炸裂で、生豆の仕入価格の上昇が止まりません。だから僕自身、店の販売価格の値上げという苦渋の決断を迫られています。

 このように希望を感じられないような出来事もたくさんありますが、人の営みは絶えることなく、陽はまた昇り新しい一日が訪れます。見て見ぬ振りを続けたところで結果は良くならないのだとしたら、起きている現実をまるっと引き受け、「さてどうしよう」と向き合う覚悟のようなものが必要になる、そんな瞬間がもうコーナーの向こう側に迫っているのかもしれません。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ノリスがスプリント予選を制圧! ラッセルが2番手。角田裕毅SQ1敗退の一方僚友ローソン10番手|F1カタールGP
ノリスがスプリント予選を制圧! ラッセルが2番手。角田裕毅SQ1敗退の一方僚友ローソン10番手|F1カタールGP
motorsport.com 日本版
F1カタールGPスプリント予選速報|やっぱりマクラーレンが速かった! ノリスが最速&前戦勝者ラッセルが2番手。角田裕毅は痛恨SQ1敗退
F1カタールGPスプリント予選速報|やっぱりマクラーレンが速かった! ノリスが最速&前戦勝者ラッセルが2番手。角田裕毅は痛恨SQ1敗退
motorsport.com 日本版
オジさんだからこそ心惹かれる“R”の称号! 予算100万円台でも買える[爆速車]4選
オジさんだからこそ心惹かれる“R”の称号! 予算100万円台でも買える[爆速車]4選
ベストカーWeb
テオ・プルシェールがプジョー9X8陣営に加入、テスト&開発ドライバーに。「新たなスタートだと思っている」
テオ・プルシェールがプジョー9X8陣営に加入、テスト&開発ドライバーに。「新たなスタートだと思っている」
AUTOSPORT web
アーロンが圧巻の最速タイムをマーク。初参戦ベガノビッチ4番手の衝撃……宮田莉朋は15番手|FIA F2ルサイル予選
アーロンが圧巻の最速タイムをマーク。初参戦ベガノビッチ4番手の衝撃……宮田莉朋は15番手|FIA F2ルサイル予選
motorsport.com 日本版
[ミドルミニバン] 登場前姿にワクワクが止まらない! こっちの[シエンタ]もいいんです
[ミドルミニバン] 登場前姿にワクワクが止まらない! こっちの[シエンタ]もいいんです
ベストカーWeb
フェラーリとマクラーレンががっぷり四つ? トップ4を独占。角田裕毅5番手と滑り出し好調|F1カタールGP FP1
フェラーリとマクラーレンががっぷり四つ? トップ4を独占。角田裕毅5番手と滑り出し好調|F1カタールGP FP1
motorsport.com 日本版
【超速報】改良[アルファード/ヴェルファイア]の価格判明‼︎ スペーシャスラウンジは[LM]級⁉︎
【超速報】改良[アルファード/ヴェルファイア]の価格判明‼︎ スペーシャスラウンジは[LM]級⁉︎
ベストカーWeb
貴重な「バルケッタ」が伊豆に47台集結! スタンゲリーニの孫娘も参加した「第9回クラブ・デッラ・バルケッタ」に密着取材してきました
貴重な「バルケッタ」が伊豆に47台集結! スタンゲリーニの孫娘も参加した「第9回クラブ・デッラ・バルケッタ」に密着取材してきました
Auto Messe Web
上位陣の勢力図を崩したグレイニング。「打ち負かし続ける」という角田裕毅の言葉の意味【中野信治のF1分析/第22戦】
上位陣の勢力図を崩したグレイニング。「打ち負かし続ける」という角田裕毅の言葉の意味【中野信治のF1分析/第22戦】
AUTOSPORT web
F1カタールFP1速報|フェラーリのルクレールが最速。マクラーレン2台が続く……角田裕毅5番手と好調
F1カタールFP1速報|フェラーリのルクレールが最速。マクラーレン2台が続く……角田裕毅5番手と好調
motorsport.com 日本版
小松礼雄ハース代表とモリゾウの初対面秘話。F1パワーユニット/エンジン開発への興味【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/後編】
小松礼雄ハース代表とモリゾウの初対面秘話。F1パワーユニット/エンジン開発への興味【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/後編】
AUTOSPORT web
「えっ…知らないの?」「“世界一高価”なクルマ」ってなに!? 「直列8気筒エンジン」搭載の「スポーツ“クーペ”」! 流麗ボディがカッコイイ「ベンツ」の正体とは
「えっ…知らないの?」「“世界一高価”なクルマ」ってなに!? 「直列8気筒エンジン」搭載の「スポーツ“クーペ”」! 流麗ボディがカッコイイ「ベンツ」の正体とは
くるまのニュース
自称「世界最強のバス」へ試乗 プラエトリアンとテラストーム イタリアの洪水でも活躍
自称「世界最強のバス」へ試乗 プラエトリアンとテラストーム イタリアの洪水でも活躍
AUTOCAR JAPAN
華やかモノトーンコーデのコスチュームを着こなすのは…? SUPER GTの「PACIFIC JLOC Angels」は期待の新人レースアンバサダーにも注目です
華やかモノトーンコーデのコスチュームを着こなすのは…? SUPER GTの「PACIFIC JLOC Angels」は期待の新人レースアンバサダーにも注目です
Auto Messe Web
トヨタ『スープラ』生産終了へ、435馬力の最終モデルを発表
トヨタ『スープラ』生産終了へ、435馬力の最終モデルを発表
レスポンス
軽くて安くて楽しい スズキ・スイフトは現代社会の「デトックス」だ 英国記者の視点
軽くて安くて楽しい スズキ・スイフトは現代社会の「デトックス」だ 英国記者の視点
AUTOCAR JAPAN
フォルクスワーゲン、ワゴン統一の9代目『パサート』を正式発売。PHEVを含む7グレード構成に
フォルクスワーゲン、ワゴン統一の9代目『パサート』を正式発売。PHEVを含む7グレード構成に
AUTOSPORT web

みんなのコメント

4件
  • 藍流頓瀬奈
    クルマの電動化も原一の125化(ただしリミッターつき)もそうだがほんとに地球環境のためか?
    里山切り開いてソーラーパネル敷き詰めたり(樹木が減る事で二酸化炭素を分解する能力は減る上に土石流なども起きやすくなる)
    パネルや配電、充電設備も定期的に交換が必要。充電池そのものも。その製造過程で廃棄物、二酸化炭素など温暖化ガスも出る。
    原一に至ってはそもそも排気ガスの量が2.5倍に増える。
  • hai********
    日本でしか売れない原一にEURO5を適用する意味があるのかね、原二をデチューンして抑えられるのかもさ、現状の排気物質の割合なんて微々たるもんでしょ?どれだけ変わるのかね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村