10年目とは思えぬ改良──新型ジープ レネゲードe-Hybrid試乗記

ジープのコンパクトSUV「レネゲード」に、ブランド初のマイルドハイブリッドモデル「e-Hybrid」が追加された。ひと足はやく試乗した、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキがリポートする。

新型ジープ レネゲードe-Hybridの特徴

1.輸入車市場におけるマイルドハイブリッド搭載車2.e-Hybridの仕組み約10年の歴史を締めくくるモデル

6月5日、ジープの輸入元であるステランティスジャパンは、新しい「レネゲードe-Hybrid」を発表した。

レネゲードは2015年に登場した、ジープの“末っ子的”ポジションのコンパクトSUVだ。ステランティスジャパンの資料によれば、販売台数は2021年にピークを迎え、3600台を突破。2025年3月末までの累計販売台数は2万7000台超を達成し、「ラングラー」に次ぐブランドのキーモデルとして成長を遂げた。

登場から10年目を迎えたものの、今見ても古さは皆無。ジープらしいタフなデザインをベースとし、随所にキュートなアクセントを加えた内外装はカッコかわいい。自身も資料を読むまで、現行レネゲードが登場約10年ということを失念していた。

今回導入するレネゲードe-Hybridは、約10年の歴史を締めくくるモデルという。つまり、現行レネゲードはまもなく終売を迎える。

終売直前にもかかわらず、ジープブランドとして初となるマイルドハイブリッドシステム搭載車としてリリースされたのが興味深い。ステランティスジャパンには“勝算”があるのだろう。

事実、輸入車市場ではマイルドハイブリッド搭載車の登録台数が、ピュアガソリン車の販売台数を僅かだが上回っている。ステランティスジャパンの調べによると、2024年はピュアガソリン車の登録台数が7万5163台だったのに対し、マイルドハイブリッド搭載車は7万5843台だった。

搭載するe-Hybridについて記すと、駆動システムを自動的に制御し、100％電気走行、ハイブリッド走行、内燃エンジン（ICE）走行を状況に応じて切り替えるのが特徴だ。

切り替えは、液冷式で17.5Ahの容量を持つ48Vバッテリーの充電状態や、さまざまな監視データを基に行われる。

組み合わせるエンジンは、1.5リッターのガソリンターボエンジン。130psの最高出力と240Nmの最大トルクを発揮し、パワーと燃費の両立を実現する。

さらに、回生ブレーキによって減速時にエネルギーを回収するブレーキシステムや、エンジンの再始動をスムーズにするベルト式スターター・ジェネレーター（BSG）も搭載。結果、低速域でも低排出で滑らかな走行を実現したと謳う。

無骨なジープは、どちらかといえば純ガソリンエンジン搭載の印象が強い。「チェロキー」や「ラングラー」にプラグインハイブリッドモデルが設定されるものの、高価ゆえ、いずれのモデルも主流ではない。ピュアEV（電気自動車）の「アベンジャー」も設定するが、大ヒットとは言い難い。

ゆえに、新しいレネゲードe-Hybrid投入によって、ブランドの電動化推進を一層アピールしていくのだ。

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