レーシングポイントは昨季、前身であるフォースインディア時代の財政難の影響で、十分な開発ができていないマシンで戦うことを強いられた。そのため、特に前半戦はポイントを獲得できないレースが続いた。
しかし、フォースインディアを買収してレーシングポイントのチームオーナーとなったローレンス・ストロールの資金投入もあり、後半戦はセルジオ・ペレスが6戦連続入賞するなど、持ち直しつつある姿を見せた。最終的なコンストラクターズランキングは7位だが、フォースインディア時代はランキング4位を2度も獲得していることを考えると、物足りないシーズンとなった。
■フォースインディア”負の遺産”に悩むレーシングポイント。でも将来は明るい?
またストロールは先日、アストンマーチンの株式を取得して大株主となった。そして、レーシングポイントは2021年から『アストンマーチンF1チーム』に名称が変わることとなる。
こういった状況から、チームの将来は明るいと言える。チーム代表であるオットマー・サフナウアーは、2020年シーズンはチームが開幕から良い走りができると期待している。
「来年(2020年)はシーズンの初めからベスト・オブ・ザ・レストでないといけない。それが我々の目指すところだ」
サフナウアーはそう語った。
「ただ、それは簡単なことではないだろう。マクラーレン、ルノー、トロロッソ、そしてザウバー(アルファロメオ)……皆中団の最上位を狙っている。中にはトップ3チームに近付こうとしているところもある」
レーシングポイントは、莫大な資金を投じた新ファクトリーへの移転に向けて準備を進めている。サフナウアーはその設備に満足していると語った。
「CFD(数値流体力学)に関する設備は最高のものだ」
「風洞設備も最高だ。必要なインフラ設備が全て揃っていると言っていい」
「また、(デザイン)コンセプトからマシンが完成するまでの時間を短縮させる機械も導入する。それは役に立つだろう」
「さらに。エアロ部門とCFD部門に優秀な人材を獲得した。現在の我々の人員は、405名から465名に増えた。ただ、やみくもに人を増やしている訳ではなく、良い人材を確保しているんだ」
「これまで財政状況的にできていなかったことを全て行なった。それら全てが重要なことなんだ」
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