ロングスライドの2列目キャプテンシート、車中泊も楽々なフルフラットモードなど、様々なシートアレンジが楽しめる最新ミニバン。そんなシートアレンジの種類を作り上げたとも言える、現代の上級・高級ミニバンもびっくりのシートアレンジ力を持ったクルマが、1990年代に登場した。常識を超えたカローラスパシオの実力を振り返っていこう。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
高級ミニバンもびっくり!これが最強のシートアレンジ力を持つカローラスパシオの実力じゃい!!
■なにそれ2-0-2のシートレイアウトってなんだ!?
1997年、ここから歴史は始まった
ミニバンのシートレイアウトと言えば、6人乗車の2人・2人・2人、7人乗車の2人・2人・3人(2人・3人・2人もある)、8人乗車の2人・3人・3人がオーソドックスなカタチだ。あまり使用しない3列目を割り切って取り除き、2人・3人(2人)・0人というケースもあるか。
今の世の中にあるミニバンは、これらのどれかに当てはまるわけだが、初代カローラスパシオは、この枠組みを大きく超えてくる。
カローラスパシオに用意されたシートバリエーションは3つだ。まず、オーソドックスな2人・3人の5人乗り。ミニバンと名乗る上で重要な多人数乗車を意識した6人乗り(2人・2人・2人)もある。
そして、最も奇をてらったバリエーションが、4人乗りの2人・0人・2人だ。その形は、3列目を残して2列目シートを取り払うというもの。
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■発想やばすぎ!場面ごとに使い分けれたら最強じゃない!?
実は知らなかった…..という人もいたのではないだろうか
採用された理由は、その方が足を伸ばして悠々座れるから。2列目シートをロングスライドさせるといった面倒なことはせず、スペースを開けるためにシートを無くすという斬新なアイディアだ。
また、この2-0-2レイアウトがあるからか、3列シート車はマジカルシートと呼ばれ、2列目シートを取り外して、外に出すことができた。さらに助手席シートが回転し、後ろ向きになる機能まで付いている。
この3つのレイアウトを、スパシオに用意された3つのグレードすべてで選択できるようになっているのも、発想がぶっ飛んでいる。2-3と2-0-2は同価格、2-2-2だけ12万円高という価格設定だった。
これだけの数のシートアレンジを、全て使いこなしていたオーナーは、はたして居るのだろうか。
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■2代目は3列シート専門!でもシートアレンジに手抜きは無し!
カローラスパシオは、順調に進化を遂げていく
2001年に登場した2代目は、初代から少しコンセプトを変え、大人4名が心地よくゆったりと過ごせる空間を作り上げた。シートレイアウトは、2-3-2で固定され、3列目はエマージェンシーシートとなっている。
良くも悪くも普通になったスパシオだが、所々に初代の好奇心旺盛な部分が顔を出す。例えば、リアシートは6:4分割で独立し、それぞれが150mmの前後スライド機能を持たせた。もちろんリクライニングしてくれるし、背面ごと倒れる2列目シートのセンターアームレストを使用状態にすれば、リアシートの間を通して長尺物を積み込むこともできるのだ。
また、サードシートは超簡易的。デッキスペースに格納されているシートを簡単に引き出し、パイプ椅子のような足を立てれば設置完了である。間違いなく乗り心地は悪いのだが、ここまで簡素に割り切れるというのが逆に凄い。
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■後は任せた…..!後継者候補の存在
みんな大好きシエンタは、次世代カローラスパシオを担う
かつてのカローラスパシオの役割を、今はシエンタが継いでいる。シエンタもシートアレンジが多彩なクルマだ。正統後継車が、先代の意思をしっかりと受け継いでいるのは、かつてのカローラスパシオファンも、嬉しくなってしまうだろう。
使い手によって、コンパクトファミリーカーにも2シーターバンにも、もちろんミニバンにも顔を変えるカローラスパシオは、20世紀最強のユーティリティカーだったのかもしれない。
【画像ギャラリー】カローラスパシオ、今からでも乗りたくなってまうて…..(8枚)
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