2020年9月16日9時30分、日産はオンラインで新型フェアレディZプロトタイプを発表した。興奮冷めやらぬなか、午後12時15分から日産横浜本社近くにある、日産パビリオンにて、プレス向けの新型フェアレディZプロトタイプ見学会が開催された。
発表された新型フェアレディZプロトタイプは、マイナーチェンジではなく、正真正銘のフルモデルチェンジとなる。
スバルの新大黒柱となるか 新型レヴォーグ搭載の新エンジンが持つ「名機」の予感
さて、実際に見た新型フェアレディZプロトタイプ見学会の模様をレポートしていこう。
文/ベストカーweb編集部
写真/平野学 ベストカーweb編集部
【画像ギャラリー】現地で撮った新型フェアレディZプロトタイプの写真をチェック!
写真よりも実車のほうが数倍カッコいい!
発表された新型フェアレディZプロトタイプ。ボディサイズは全長4382×全幅1850×全高1310mm。ホイールベースは未発表
1969年12月に発表されたS30型フェアレディZ 240ZG
パビリオン内のシアター内で披露された新型フェアレディZプロトタイプは今まで見たことのないティアドロップ形状のヘッドライト、薄いグリーンにも見えるソリッドイエローのボディカラーを纏っていた。
午前中に発表された写真よりも「実車のほうがいい。凄いカッコイイ!」というのが第一印象だった。
なによりも初代S30Zを彷彿とさせるロングノーズと柔らかなボンネット、フロントフードよりも下に配置されたリアトランクにZらしさをビシビシと感じる。
ルーフのシルバーのラインは日本刀をイメージしたものだ
さらに日本刀をモチーフにしたルーフの切れ込みがZのシルエットを際立たせている。リアテールランプ回りはZ32のそれをイメージしたものだ。
新型フェアレディZプロトタイプの現車を見て、特に美しいと感じたのはリアを斜め後ろから見た姿。
Z32のテール回り、S30Zのルーフからトランクにかけての落とし込むライン、そしてふくよかなリアフェンダーは惚れ惚れするデザインだ。
正直パールが入ったイエローではなかなかキャラクターラインが見えにくかったのだが、とにかくため息の連続。これはアストンマーチンを超えるのではないかとも思った。
新型フェアレディZプロトタイプのデザインを手がけた日産自動車のデザインダイレクターの田井悟氏は、「S30型240Zのレトロなデザインで昔に戻ったと言われるかもしれませんが、もちろんそれだけではありません。当社は新しい電気自動車、アリアがあります。”今の時代に合ったモダンさ”を新しいフェアレディZにとり入れたのです」。
Z32のテールランプをモチーフにしたというテールランプ回り
Z32型フェアレディZ
ドアを開けてコクピットを見ると、中央にはフルデジタルのタコメーターのほか、センターコンソールにはインフォテイメント系のディスプレイが並ぶ。
しかし、モダンさだけでない。S30Zを想わせる3連メーターが並び、S30ZのDNAが息づいているのがわかる。
デジタルメーターや3本スポークステアリングはモダンなデザイン。6速MTにこだわっているところもポイントだ
サポート性の高いフロントスポーツシート。リアシートはなく完全なる2シーターだ
発表されたボディサイズは全長4382×全幅1850×全高1310mm。現行Z34のボディサイズは全長4260×全幅1845×全高1315mm。全長が122mm長く、全幅が50mmワイド、全高が5mm高い。ホイールベースはZ34は2550mmだが、新型Zのホイールベースは発表されなかった。
ほぼ現行Zのボディサイズと同じだが、デザインは明らかに新型Zのほうが伸びやかで、伝統的なZらしさに溢れていた。
タイヤサイズはフロントが255/40R19、リアが285/35R19。銘柄は、ダンロップのスポーツMAXXで、NISSAN Zのロゴが入る。ブレーキは、フロントが6ポッド、リアが4ポッドのブレーキキャリパー(Zのロゴ入り)が装着されていた。
フロントは225/40R19インチタイヤ。NISSAN Zの白いロゴが入る
リアタイヤは285/35R19を収める柔らかでふくよかなリアフェンダーが美しい
注目のパワートレインは3L、V6ツインターボ、トランスミッションは6速MTと発表された。これは現行スカイラインのV6ツインターボと同じものだと思われる。
現行スカイラインに搭載されている3Lツインターボは、VR30DDTTは304ps/40.8kgmと、400Rの405ps/48.4kgm。おそらくこの2種類のエンジンともに新型フェアレディZに搭載されるのではないだろうか。
価格は500万円から? 2021年末までに発売!
コンベンショナルな6速MTの一番安いモデルで、500万円からとなると予想
さて、いくらで新型フェアレディZは販売されるのか? ちなみに現行Zの価格は、標準仕様が397万9800(6速MT)~405万9000円(7速AT)、バージョンS(6速MT)が、484万8800円、バージョンT(7速AT)が480万2600円、バージョンSTが519万8600(6速MT)~530万8600円(7速AT)、そしてNISMOが640万9700(6速MT)~651万9700円(7速AT)。
質疑応答で「価格帯は500万円台から、それとも700万円からなのか、価格帯を教えてほしい」と聞いてみた。
すると「まだはっきりと答えられませんが、頑張れば買える値段にしたいと思っています」という好感触の回答を得た。
現行モデルは400万円前後からラインナップしているため、おそらく最廉価モデルで400万円台中盤からになると予想。
思えば初代フェアレディZもポルシェよりも3分の1に近い安い価格で登場した。新型フェアレディZもそうあってほしいものだ。
さて発売はいつなのか? 2020年5月28日の決算会見では2021年末までの今後18カ月で少なくとも12の新型車をグローバルで投入することを明言し、「NISSAN NEXT From AtoZ」として紹介映像が流された。
その最後にあたる新型Zは2021年末と予想されることから、2021年秋の東京モーターショーで公開された後、2021年末までに発売される可能性が高い。
【画像ギャラリー】現地で撮った新型フェアレディZプロトタイプの写真をチェック!
【画像ギャラリー】発表発売前に先行公開!! これが新型フェアレディZ(プロト)の艶姿
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みんなのコメント
スポーツカーなのだから、MTが有るのは喜ばしい事だよね。
後は価格だけど、エントリーグレードは現行のZと同じ位なら更に嬉しいよね。