現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ポーパシングを問題視せず……メルセデスの大きな誤算「プレシーズンテスト1回目では悪くない位置にいると考えていた」

ここから本文です

ポーパシングを問題視せず……メルセデスの大きな誤算「プレシーズンテスト1回目では悪くない位置にいると考えていた」

掲載 1
ポーパシングを問題視せず……メルセデスの大きな誤算「プレシーズンテスト1回目では悪くない位置にいると考えていた」

 新技術規定が導入されたF1の2022年シーズン。メルセデスはスペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行なわれたプレシーズンテスト1回目に初期開発段階のパッケージを搭載した『W13』を投入し、最速タイムをマークした。

 このタイムを出す上では大幅な車高調整が必要で、本来の技術規定では合法ではないフロアステーが追加されているなど、本格的なレース仕様とは言えないパッケージだった。

■ミック・シューマッハー、2014年にメルセデスのシミュレータを”秘密裏に”ドライブしていたと明かす「チームのそれ以来の進歩は計り知れないモノ」

 メルセデスでトラックサイドエンジニアリング担当ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、その2週間前に豪雨の中行なわれたシェイクダウン走行で空力的な問題である”ポーパシング”が発見され、バルセロナテストでも引き続き発生していたものの、W13がまだレース仕様のパッケージで走っていなかったために、過度に懸念することはなかったと明かした。

 実際、メルセデスはプレシーズンテスト2回目となるバーレーンテストで”ゼロポッド”と呼ばれるサイドポンツーンの開口部が非常に狭いパッケージを投入。W13の外見が大きく変更されたことで、その仕様が大きな関心を集めた。

 しかし、W13はチームが考えた通りには機能せず……マシンのポーパシングは悪化を極め、5月のスペインGPでチームが最初のメジャーアップグレードを導入するまでに問題を解消することはできなかった。

 その後も機械的な問題である”バウンシング”の問題解決にマイレージを割いたことで、メルセデスはシーズン終盤のアメリカGPまでW13のパフォーマンス開発を行なえず。ライバル勢から後れを取ることになった。後手に回ったメルセデスの2022年シーズンは、総じて失敗に終わったと言っても過言ではないだろう。

 ショブリンは2022年シーズンについて、Motorsport.comに次のように語っている。

「(シェイクダウンを行なった)シルバーストンは嵐の真っ只中で、これまでで最悪のコンディションだった」

「それでは確実に、フィルミングデーでのシェイクダウン走行を明確かつ賢明な状態で行なうことはできない」

「ただ、あのマシン……バルセロナに持ち込んだマシンはポーパシングが発生する可能性があったし、天候やマシンが初走行だということを考えて、とにかく車高を高くして走らせていたんだ」

「シルバーストンでは車高を通常レベルまで下げると、この現象が起こることも把握していた。でも、それが何なのか、何が原因なのかがよく分からなかったんだ」

「だから、それを理解するためにバルセロナへ行ったのだ。『どう走らせたらいいのか?』『何が原因なのか?』『ポーパシングで起きているモノをどうすれば軽減できるのか?』ということをね」

「当時はマシンを路面から離して、パフォーマンスを捨て、ポーパシングをコントロールするのが最善策だった」

「あのマシンは、開発プログラムの中で開幕戦パッケージよりもずっと早い段階で決まっていたモノなんだ」

「でも問題は……バルセロナでは『我々は最速ではないが、悪い位置につけているとは思わない』と考えていたことだ」

「というのも、バーレーンのパッケージで良いパフォーマンス改善が見込めると考えていたからね」

「問題は、それを投入した時に、ポーパシングが全く別次元になってしまったことだ」

「さらにマシンの車高を上げたのに、振動を取り除くことができなかったから、我々が予想していたパフォーマンスをほとんど発揮できなかったんだ」

関連タグ

こんな記事も読まれています

熟成続くドゥカティ機。バニャイア「コーナーの進入は改善できた。シャシーはセパンテストで」/バレンシア公式テスト
熟成続くドゥカティ機。バニャイア「コーナーの進入は改善できた。シャシーはセパンテストで」/バレンシア公式テスト
AUTOSPORT web
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「Season2中西孝樹の自動車・モビリティ産業インサイトvol.6 ホンダ」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「Season2中西孝樹の自動車・モビリティ産業インサイトvol.6 ホンダ」
レスポンス
旧型「86」や「ヤリス」をサーキット仕様に! ディーラーで購入・装着できるTRDのカスタムパーツを紹介
旧型「86」や「ヤリス」をサーキット仕様に! ディーラーで購入・装着できるTRDのカスタムパーツを紹介
くるまのニュース
シボレーの新型! 業界で最も売れている大型SUV「タホ」「サバーバン」の2025年型発表
シボレーの新型! 業界で最も売れている大型SUV「タホ」「サバーバン」の2025年型発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
ホンダ「スーパーカブ」を手書き風で再現 メーカー公認の最新ウエア発売
ホンダ「スーパーカブ」を手書き風で再現 メーカー公認の最新ウエア発売
バイクのニュース
最長40km! 年末年始の高速道路渋滞は昨シーズンより増加 多発日はいつ? 休日割引はある?
最長40km! 年末年始の高速道路渋滞は昨シーズンより増加 多発日はいつ? 休日割引はある?
くるまのニュース
【トヨタ ランドクルーザー70】モデリスタパーツで本格的クロカンスタイル
【トヨタ ランドクルーザー70】モデリスタパーツで本格的クロカンスタイル
レスポンス
ノリス、マクラーレンF1は名門復活に向けて「正しい道を進んでいる」2023年は飛躍の年に。2024年はさらなる躍進を狙う
ノリス、マクラーレンF1は名門復活に向けて「正しい道を進んでいる」2023年は飛躍の年に。2024年はさらなる躍進を狙う
motorsport.com 日本版
はい、これポルシェ製ボートです「Frauscher × Porsche 850 Fantom Air(フラウシャー×ポルシェ850ファントム エア)」新型マカンのEパワーユニットを使って作られたボートをドライブ!
はい、これポルシェ製ボートです「Frauscher × Porsche 850 Fantom Air(フラウシャー×ポルシェ850ファントム エア)」新型マカンのEパワーユニットを使って作られたボートをドライブ!
AutoBild Japan
新型ランクル70本日発売開始! 価格は480万円で1グレード展開! 早くも注文殺到必至!
新型ランクル70本日発売開始! 価格は480万円で1グレード展開! 早くも注文殺到必至!
ベストカーWeb
「30年前の軽トラ」が190万円で落札!“少しいじった”ホンダ「農道のNSX」が米オークションに出品
「30年前の軽トラ」が190万円で落札!“少しいじった”ホンダ「農道のNSX」が米オークションに出品
くるまのニュース
ホンダのミニバイク『ダックス』、欧州では40年ぶりの復活…2024年型に新色ブルー設定
ホンダのミニバイク『ダックス』、欧州では40年ぶりの復活…2024年型に新色ブルー設定
レスポンス
CO2を排出しない「水素エンジン」の泣き所NOx排出! それでも夢のエンジンとして可能性は大だった
CO2を排出しない「水素エンジン」の泣き所NOx排出! それでも夢のエンジンとして可能性は大だった
WEB CARTOP
斬新顔なトヨタ新型「4ドアセダン」登場! 約7年ぶりの全面刷新!? 複数の顔を持つ「カムリ」に寄せられた声
斬新顔なトヨタ新型「4ドアセダン」登場! 約7年ぶりの全面刷新!? 複数の顔を持つ「カムリ」に寄せられた声
くるまのニュース
ノートン「Commando 961 LE "Energette 」 創業125周年を記念する限定モデル登場
ノートン「Commando 961 LE "Energette 」 創業125周年を記念する限定モデル登場
バイクのニュース
外部パワーアンプに“外部”という語句が付くのはなぜ!?…キーワードから読み解くカーオーディオ
外部パワーアンプに“外部”という語句が付くのはなぜ!?…キーワードから読み解くカーオーディオ
レスポンス
ヒョンデ コナ【1分で読める輸入車解説/2023年版】
ヒョンデ コナ【1分で読める輸入車解説/2023年版】
Webモーターマガジン
新型N-BOXの進化度チェック!《諸元一覧&おすすめグレード》
新型N-BOXの進化度チェック!《諸元一覧&おすすめグレード》
グーネット

みんなのコメント

1件
  • え゙ポーパシングを考えずデザインし その体験を無視して、シーズンスタートさせたの?w
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村