新技術規定が導入されたF1の2022年シーズン。メルセデスはスペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行なわれたプレシーズンテスト1回目に初期開発段階のパッケージを搭載した『W13』を投入し、最速タイムをマークした。
このタイムを出す上では大幅な車高調整が必要で、本来の技術規定では合法ではないフロアステーが追加されているなど、本格的なレース仕様とは言えないパッケージだった。
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メルセデスでトラックサイドエンジニアリング担当ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、その2週間前に豪雨の中行なわれたシェイクダウン走行で空力的な問題である”ポーパシング”が発見され、バルセロナテストでも引き続き発生していたものの、W13がまだレース仕様のパッケージで走っていなかったために、過度に懸念することはなかったと明かした。
実際、メルセデスはプレシーズンテスト2回目となるバーレーンテストで”ゼロポッド”と呼ばれるサイドポンツーンの開口部が非常に狭いパッケージを投入。W13の外見が大きく変更されたことで、その仕様が大きな関心を集めた。
しかし、W13はチームが考えた通りには機能せず……マシンのポーパシングは悪化を極め、5月のスペインGPでチームが最初のメジャーアップグレードを導入するまでに問題を解消することはできなかった。
その後も機械的な問題である”バウンシング”の問題解決にマイレージを割いたことで、メルセデスはシーズン終盤のアメリカGPまでW13のパフォーマンス開発を行なえず。ライバル勢から後れを取ることになった。後手に回ったメルセデスの2022年シーズンは、総じて失敗に終わったと言っても過言ではないだろう。
ショブリンは2022年シーズンについて、Motorsport.comに次のように語っている。
「(シェイクダウンを行なった)シルバーストンは嵐の真っ只中で、これまでで最悪のコンディションだった」
「それでは確実に、フィルミングデーでのシェイクダウン走行を明確かつ賢明な状態で行なうことはできない」
「ただ、あのマシン……バルセロナに持ち込んだマシンはポーパシングが発生する可能性があったし、天候やマシンが初走行だということを考えて、とにかく車高を高くして走らせていたんだ」
「シルバーストンでは車高を通常レベルまで下げると、この現象が起こることも把握していた。でも、それが何なのか、何が原因なのかがよく分からなかったんだ」
「だから、それを理解するためにバルセロナへ行ったのだ。『どう走らせたらいいのか?』『何が原因なのか?』『ポーパシングで起きているモノをどうすれば軽減できるのか?』ということをね」
「当時はマシンを路面から離して、パフォーマンスを捨て、ポーパシングをコントロールするのが最善策だった」
「あのマシンは、開発プログラムの中で開幕戦パッケージよりもずっと早い段階で決まっていたモノなんだ」
「でも問題は……バルセロナでは『我々は最速ではないが、悪い位置につけているとは思わない』と考えていたことだ」
「というのも、バーレーンのパッケージで良いパフォーマンス改善が見込めると考えていたからね」
「問題は、それを投入した時に、ポーパシングが全く別次元になってしまったことだ」
「さらにマシンの車高を上げたのに、振動を取り除くことができなかったから、我々が予想していたパフォーマンスをほとんど発揮できなかったんだ」
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