純正装着モデルも増えてきている「ディスプレイオーディオ」。スマホと接続して使い慣れた画面をクルマのモニターに映し出せるため、人気は右肩上がり。これまでは有線接続が普通だったが、今やワイヤレス接続の時代に。そのメリットとデメリットを解説しよう。
文:高山正寛/写真:パイオニア、SUBARU、高山正寛
ディスプレイオーディオのワイヤレス接続は超絶便利!! 音楽聞くなら有線推しの衝撃
■次世代型も噂される人気のテレマ機能
今、ワイヤレス接続を標準で備えている車種が増えている。特に一定以上の価格帯、輸入車などは標準装備化をしている。
Appleの「CarPlay」、Googleの「Android Auto」。いずれもスマホ内のアプリを対応ディスプレイに接続することで、大画面での表示や運転中に極力操作を簡略できるように専用のUIを持つ機構だ。つまり同じナビアプリでもスマホと専用ディスプレイに表示されるものは似ているようで違うのである。
CarPlayは2014年から、Android Autoは2015年から世界で展開しているが、それぞれ次世代仕様の話題もあるほど、日本市場でも定着しつつある。
そして従来のケーブル(有線)接続に対し、スマホ内のBluetooth&Wi-Fiを活用し車載器に接続する仕様が増えている。
これならいちいちバッグなどからスマホを取り出す必要もないし、クルマを始動させれば自動で接続開始できるものも多いので、利便性は圧倒的に向上する。
一方でケーブル接続の場合、利用と同時にスマホの充電ができるメリットもある。しかし、昨今では車両側に「Qi(チー:置くだけ充電)規格」を搭載する車種も増えているのでワイヤレスのデメリットは徐々に解消されつつあるのだ。
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■いちユーザーとして感じること
11.6インチ、縦型大画面のインフォテイメントシステムを持つSUBARU・レイバックはCarPlayのワイヤレスには対応、Android Autoはケーブル接続となる。
これからの時期は車内の温度上昇問題もある。夏場でなくても直射日光が当たりやすく、スマホ本体の温度上昇でフリーズするケースも多発するが、ワイヤレス接続の場合はそれらを避けることができるのでその確率も下げることができる。
それと筆者の場合、純正ナビ、ディスプレイ接続、スマホ単体と3つの利用形態を取っているが、実際の利用で気になるであろうワイヤレス接続における「遅延」はほとんど感じたことはない。
実際、ワイヤレス接続する場合の伝送速度は非常に早いので心配はいらないだろう。
一方でこれは個人の感覚ではあるが、音楽再生においてはケーブル接続のほうが、ほんの「気持ち」音が良い。細かく書くとキリがないのだが、昨今のハイレゾ音源などを再生すると高音域の「伸び」の点では有利かもしれない。でも気にするレベルではない。
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■鍵は自動車メーカーがどれだけ採用するかだ
筆者所有のディスプレイシステム(技適認証取得済み)でAndroid Autoを起動(左)。画面左側に常時次の交差点情報等が表示されるのが特徴(アプリにもよる)。
ワイヤレス接続のトレンドは間違いなく今後も拡がっていくはずだ。もちろん有線接続も並行して搭載されるので、ユーザーの好みで選べば良い。
市販のディスプレイオーディオの世界ではカロッツェリア(パイオニア)が2024年5月に新型モデル「DMH-SZ500」を発表したが、このモデルはCarPlay/Android Autoともワイヤレス接続が可能となっている。
実は自動車メーカーとApple/Googleとは契約等により、ワイヤレスを採用するかどうかを決めている(契約する以上は当然お金もかかる)。
メーカーによっては後日アップデートで対応する、という車種もあるのでそれほど心配することはないが、自分の使っている携帯電話により、ワイヤレス対応しているかは確認しておいたほうが良いだろう。
CarPlayでパイオニアのナビアプリ「COCCHi(コッチ)」を表示。交差点情報等は画面右側に表示されるが常時ではない。この辺は好みの問題。あとはアプリ側の仕様変更(アップデート等)で使い勝手も変わってくる。
【画像ギャラリー】一度使ったらもう戻れない!! 超絶便利なCarPlayとAndroid Autoがコレ(6枚)
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