■600馬力オーバーも当たり前なハイパーセダン
近年、国産メーカーのラインナップからセダンが少なくなっています。使い勝手のよいミニバンやSUVの台頭で、セダン減少は仕方ないのかもしれません。
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一方、欧米ではセダンはまだまだ人気があり、各メーカーとも豊富なラインナップを展開。そのなかには、スーパーカーに匹敵する超高性能かつ高級なモデルもあります。
そこで、現在販売中のセダンのなかから、とくに高性能な5車種をピックアップして紹介します。
●マセラティ「クアトロポルテGTS」
ラグジュアリーかつ高性能なセダンといえば、イタリアのマセラティもラインナップしています。なかでも「クアトロポルテ」は、1963年にデビューした初代から高いスポーツ性能を追求した4ドアセダンで、いまも進化を続けています。
現行モデルのクアトロポルテのなかで、もっとも高性能なのが「クアトロポルテ GTS」です。
搭載される3.8リッターV型8気筒ツインターボエンジンは最高出力530psを誇り、最高速度は310km/hに到達します。
この高性能エンジンはフェラーリの工場で生産されてるので、生粋のスーパーカーと同等の性能と、官能的なサウンドも楽しめるとり、クアトロポルテGTSは美味しすぎる1台といえます。
●ポルシェ「パナメーラ ターボS Eハイブリッド」
ポルシェ「911」の伝統的なボディスタイルを踏襲しながら、5ドアハッチバックボディとなっているのが「パナメーラ」です。
日本で販売しているパナメーラのラインナップは、ワゴンタイプの「スポーツツーリスモ」も含めると、じつに18種類もありますが、なかでももっとも高性能なのが「パナメーラ ターボS Eハイブリッド」です。
パワートレインには最高出力550ps、最大トルク770Nmを発生する4リッターV型8気筒ツインターボエンジンに加えて、最高出力136ps、最大トルク400Nmの電気モーターを搭載しており、システム全体の最高出力は、680ps、850Nmの大パワーとなっています。
空気抵抗係数であるCD値は0.29とスポーツカー並の優秀な値で、最高速度は310km/hに届きます。
パナメーラは「セダンをスポーツカー化」ではなく「スポーツカーをセダン化」したモデルといえます。ハイブリッドという時代のニーズに応えながらも、走行性能は極めてピュアなスポーツモデルです。
●BMWアルピナ「B7」
BMW車をベースに、独自のチューニングを施して高性能化したモデルを製作・販売しているのがアルピナです。現在は単なるチューナーではなく自動車メーカーとして認められています。
そのアルピナが「7シリーズ」をベースに仕上げたのが、旗艦モデル「B7」です。
現行のB7は2019年2月に発表された新型で、搭載されている4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、最高出力608ps、最大トルク800Nmを誇り、0-100km/h加速は3.6秒、最高巡航速度は330km/hと公表されています。
ここで注目したいのが最高「巡航」速度と表記されている点。これはアルピナの伝統で、B7が330km/h出るのではなく、330km/hで走り続けられるという意味です。
洗練されたサルーンの車窓から見える330km/hの世界は、一体どのような景色なのでしょうか。
●ベントレー「ミュルザンヌ スピード」
イギリスの老舗高級車メーカー、ベントレーの旗艦モデルに位置するのが「ミュルザンヌ」です。そのミュルザンヌに対して、さらに性能を高めたのが「ミュルザンヌ スピード」になります。
ミュルザンヌ スピードは、最高出力537ps、最大トルク1100Nmを発生する6.8リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。
これに8ATが組み合わされ、0-100km/hの加速性能は4.9秒、最高速度は305km/hを誇ります。
全長5575mm×全幅1925mm×全高1530mm、車重2770kgの車体を考えれば、規格外のポテンシャルといえるでしょう。
ミュルザンヌ スピードは、高貴さと性能を兼ね備えた究極のセダンといえるモデルです。
●ベントレー「フライングスパー」
前出の「ミュルザンヌ」に次ぐベントレーのラグジュアリーモデル「フライングスパー」も高い走行性能を備えています。最新モデルは2019年6月にイギリスで発表され、日本でのデリバリーは2020年7月から9月の予定です。
フライングスパーに搭載されるエンジンは、6リッターW型12気筒のツインターボ。最高出力は635ps、最大トルクは900Nmと、ミュルザンヌを上回る馬力を誇ります。
8DCTを備え、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は333km/hと発表されていますが、これはミュルザンヌ スピードよりも速く、スポーツモデルのクーペ「コンチネンタルGT」に並ぶ値です。
フライングスパーは後部座席よりも、むしろ積極的にドライバーズシートに座りたくなるスーパーセダンではないでしょうか。
※ ※ ※
現在、日本のみならず世界的にも高性能SUVが好調なセールスを記録していますが、その陰でセダンも着々と進化を続けています。
今回、紹介した5車種は、あまりにも高性能すぎるため、日本においてその性能をフルに堪能することは難しいでしょう。
しかし、エレガントかつスポーティさも併せ持つ高性能セダンの世界は、魅力的で面白いものです。
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