日本に上陸したルノーの新型「グランカングー」は、完成度の高い7人乗りだった! 『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキがリポートする。
新型ルノー グランカングーの特徴
1.ロングホイールベースがもたらす船のような乗り味2.日本のミニバンとの違い3.まとめ1.ロングホイールベースがもたらす船のような乗り味
高速道路に入ると、新型グランカングーの真骨頂が発揮される。
3100mmという長大なホイールベースがもたらす直進安定性は、感動的ですらある。
路面の継ぎ目を越えても、車体はピクリともしない。「トン、トン」と軽やかにいなすのではなく、「ドシッ、ドシッ」と重厚に、しかし角を丸めて乗り越えていく。このしっとりとした乗り味は、商用車ベースとは信じがたい。
重心の高さこそ感じるものの、不安な揺り返しはなく、まるで大型クルーザーで凪いだ海を進んでいるような安心感がある。
視界も素晴らしい。切り立ったフロントウィンドウと巨大なサイドガラスのおかげで、死角が極めて少ない。5m近い全長を感じさせない取り回しの良さは、この視界設計によるところが大きいだろう。運転席からはボンネットの両端が見え、車両感覚が掴みやすい。これはメルセデス・ベンツ「Gクラス」などにも通じる美点でもある。
コーナーでは、ロール(車体の傾き)を許容しながらも、タイヤが路面を離さない粘り腰を見せる。決してスポーティではないが、ドライバーの操作に対して素直に反応するため、運転していて疲れない。のんびりと、いつまでも走っていたくなる……穏やかなドライビングプレジャーに満ちている。
2.日本のミニバンとの違い
さて、ここで避けて通れないのが、トヨタ「アルファード」や「ノア」「ヴォクシー」といった日本の強力なライバルたちとの比較だ。
日本のミニバンは、快適な移動空間を極限まで追求している。指1本で開く電動スライドドア、いたれり尽くせりの収納、後席モニター、そしてハイブリッドによる圧倒的な燃費と静けさ……もはや“動く応接室”であり、乗員は“お客様”。車内でいかに快適に過ごせるかが主眼が置かれている。
対して新型グランカングーは、移動そのものを楽しむためのツールだ。
ドアは重い。シートアレンジはすべて手動で、外すには労力がかかる。燃費もハイブリッドには及ばないだろう。
もっとも、日本のミニバンの2列目が特等席だとすれば、3列目はどうしても格落ち感が否めない。しかしグランカングーは、7席すべてが独立し、平等だ。誰がどこに座っても同じ景色が見え、同じ快適さを享受できる。
また、3列目のシートを外せば、そこには3000Lを超える広大なラゲッジが出現する。自転車も、キャンプ道具も、サーフボードも、無造作に放り込める。日本のミニバンがシートを格納してスペースを作るのに対し、新型グランカングーは、シートを取り払って格納庫にする感覚だ。
つまり日本のミニバンが、乗員を“もてなす”ものだとすれば、新型グランカングーは、乗員が“使いこなす”ための相棒だ。
“不便を楽しむ”とまでは言わないが、少しの手間をかけることで得られる自由、そして「自分たちの手で使いこなしている」という実感。これこそが、新型グランカングーが持つ独自の世界観ではないだろうか。
3.まとめ
試乗を終え、エンジンを切る。静寂が戻った車内で、新型グランカングーのオーナーになる人物像を想像してみた。
それはきっと、ブランドや見かけの豪華さよりも、実質的な価値を重んじる人だ。
週末には家族や友人と荷物を満載してフィールドへ繰り出し、泥だらけになって遊ぶ。重いスライドドアを自分の手で閉め、楽しかった思い出を語り合いながら、安定した走りで家路につく。
山や海に限らず、休日を自分たちの手で楽しくする──そういう過ごし方をしたい人にとって、新型グランカングーは最良の選択肢となるだろう。
価格は¥4,590,000。日本のミドルクラスミニバンの上位グレードと競合する。
便利で快適なクルマが欲しいなら、迷わず国産ミニバンを買うべきだ。
しかし、自分の手で遊びを創り出したいなら、新型グランカングーを勧めたい。
フランス生まれのこの巨人は、その最良の相棒となってくれるはずだ。
▲前ページ:「“道具”としての美学」
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