公道走行に向けた最後の確認も行われる
2022年9月11日(日)に開催予定である「やるぜ!! 箱根ターンパイク2022」での、パラモトライダー公道再デビューを前にした最後の体験走行会が、7月25日(月)、筑波サーキットの養成所で開催された。
バイクを知らない視覚障がい者が風を切って走る歓びを実感! 「パラモトライダー体験走行会」が開催
このパラモトライダー体験走行会は、一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)が開催するイベントだ。事故などで身体に障がいを抱えてしまってオートバイを諦めた人に、ふたたび乗る機会を設け、また一緒に楽しめるように、と多くのボランティアスタッフとともに多くのパラモトライダーを輩出している。
そのSSPを始めたのは、世界のGPシーンで大活躍した伝説のレーシングライダー青木三兄弟の長男・青木宣篤選手と三男・治親選手のふたりが立ち上げた一般社団法人。その三兄弟の次男である拓磨選手は1998年シーズンを前にしたGPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされている。
そんな拓磨選手をふたたびバイクに乗せることを目的とした企画「Takuma Ride Again」を2019年に実現した兄弟が、次に行動を起こしたのがこのSSPであった。
SSPが2020年から月に一回程度、国内各所で定期的に行ってきた「パラモトライダー体験走行会」は、事故などによってバイクに乗れなくなってしまった障がい者に、支えてくれる人さえいればバイクを諦める必要はない、ということを伝える活動だ。ハンドドライブユニットを搭載したバイクとボランティアスタッフとで、これまで数多くの感動と笑顔を届けてきた。
ライダーだけでなく参加するスタッフも動きを再確認
現在オートレーサーである青木治親SSP代表が、自らも詰めていた筑波サーキット内にあるオートレーサー養成所を借りての開催となった。今回は、脊椎損傷や大腿切断、そして視覚障がいなどの障がいを持つ5名が参加した。この日もまずは、SSP専属の理学療法士である時吉直祐氏が直接参加者の問診を行い、サポートの再確認をしつつ、グループ分けされたボランティアスタッフは各自の担当などの再確認を行っていく。
今回の参加者は5名だが、いずれもこれまでに参加経験のあるパラモトライダー。各参加者が次のステップへ向けての走行の練習を行うこととなった。また、体験走行会に並々ならぬ意気込みで参加したのは囲美和さん。
9月11日の「やるぜ!! 箱根ターンパイク2022」への参加希望をしているものの、実際にバイクに乗れるのか、SSPの合格基準の確認ができていないということで、最終確認のための参加となる。ある意味、公道再デビューのための最終検定となったのだが、無事に運営側が懸念していた点もクリアしたとして参加が決定した。
SSPの青木治親代表理事は「(ターンパイクでの走行については)当初は2030年までには実現したいと目標にしていましたが、8年も前倒しして開催できることになりました。今回が初めての開催となりますので、あまりあれやこれやと大きなことを望まず、まず安全第一で事故なく成功裏に収めたいと思っています」
見学はクラウドファンディングに寄付協力をしていただいた方に限定
「できるだけ長い距離をパラモトライダーに走行してほしいということで、ターンパイクのほぼ全線を走行ルートとさせていただきます。そのため、とにかくスペースがなくなってしまって、駐車場スペースも限られてしまいました。見学についてはクラウドファンディングに寄付協力をしていただいた方に限定させていただいており、別途、企業さまの見学枠を設けさせていただく予定です。この感動の瞬間に立ち会いたいという企業の方からの問い合わせには対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」とコメント。
これでアネスト岩田 箱根ターンパイクでの公道試乗会直前最後のパラモトライダー体験走行会で、15名の参加パラモトライダーの選出も終わった。この後は、ボランティアスタッフの選出も含め、当日の運営に向けて各種準備を進めていくこととなる。
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