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メルセデスAMGが生んだ名車 20選(前編) 300 SELからCLK-GTR、ディーゼル車まで アファルターバッハの夢

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メルセデスAMGが生んだ名車 20選(前編) 300 SELからCLK-GTR、ディーゼル車まで アファルターバッハの夢

2人のエンジニアが描いた夢

1960年代半ば、メルセデス・ベンツがモータースポーツ活動から撤退した際、エンジニアのハンス・ヴェルナー・アウフレヒトとエアハルト・メルヒャーは同社を去り、自らの会社を設立することを決めた。

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彼らは会社を『AMG』と名付けた。これは2人の苗字の頭文字と、アウフレヒトの出生地であるドイツ南西部グロースアスパッハの頭文字を取ったものだ。最初の工場は、ブルクシュタルに置かれた。

AMGはエンジン製造、レーシングカーの製作、メルセデス・ベンツ向けの性能向上パーツやエクステリアパーツの提供で、瞬く間に絶大な評判を築いた。メルセデス・ベンツとの関係は常に密接で、現在では統合され、AMGは高性能車部門となっている。本特集では、AMGが開発したメモリアルなモデルをいくつか紹介する。

300 SEL 6.8

AMGに関する記事は、たとえ市販車に焦点を当てたものであっても、「レッド・ピッグ(赤い豚)」という不名誉なあだ名で呼ばれた300 SELに触れずに終わることはできない。300 SEL 6.8はレース用に開発され、既存の6.3L V8エンジンを6.8Lに拡大し、出力も250ps力から428psに高められた。スパ・フランコルシャン・サーキットの長いストレートでは特に有効だった。

ハンス・ヘイヤーとクレメンス・シッケンタンツは、このマシンで1971年のスパ24時間レースに参戦し、2位で完走した。優勝したフォード・カプリRS2600には3周遅れだったが、3位のアルファ・ロメオには19周差をつけていた。

ハンマー

AMG初のコンプリートカーというわけではないが、ハンマーこそが同社を世界的に有名にしたモデルと言える。メルセデス・ベンツ300Eをベースに、通常はSクラスに搭載されるV8エンジンを採用。排気量は最大6.0Lまで用意されていた。

AMGが独自開発した4バルブシリンダーヘッドを採用し、出力は360psまで引き上げられた。これにより最高速度約290km/hを達成。1980年代のセダンとしては驚異的な速さだ。

190E 3.2 AMG

メルセデス・ベンツ正規販売店で販売された最初のAMG車は、190Eの派生モデルであった。AMGはドイツ・ツーリングカー選手権に参戦した2.5L190E(クラウス・ルートヴィヒが1992年に同車でタイトル獲得)の開発に深く関与していたが、市販モデルにはまったく異なるエンジンが搭載された。

3.2L直列6気筒エンジンは234psを発生し、この性能から「ベイビー・ハンマー」の愛称で呼ばれた。ただし現在では、その名前から想像されるよりも洗練された長距離クルーザーとしての評価が高い。

C 36 AMG

AMGとメルセデス・ベンツは1990年に協業関係を結び、その3年後に初めての共同開発車を発売した。C 36 AMGは、Cクラスをベースとし、直列6気筒M104エンジンを3.6Lに拡大。公式最高出力は280psだったが、実際にはそれ以上あったとも伝えられている。

C 43 AMG

C 36の後継として登場したC 43は、Cクラス初のV8エンジン搭載モデルとなった。4.3Lエンジン(当時のAMGの命名規則は排気量ベースだった)は306psを発生し、当時のBMW M3の3.0Lを上回ったが、後の3.2Lモデルには及ばなかった。

BMWはM3にマニュアル・トランスミッションを設定していたが、C 43では選択できなかった。一方で、ステーションワゴンボディを選択できたのはC 43のみであった。

CLK-GTR

ベルント・シュナイダーとAMG-メルセデスチームは、1997年FIA GT選手権においてドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得した。これは驚異的な成果であった。なぜならAMGがCLK-GTRの製作を委託されたのは、1996年12月5日という一切余裕のないタイミングだったからだ。

CLK-GTRの公道仕様(通称シュトラッセン・バージョン)は、ホモロゲーション規則を満たすため計25台が生産された。パワーはやや抑えられたが、6.9L M120 V12エンジンの最高出力は612psに達する。このパフォーマンスに文句を言う人はいなかっただろう。

SL AMG

SL初のAMGモデルは、381psの6.0L V8エンジンを搭載したSL 60で、これは1998年のSLのモデルチェンジに伴い生産終了となった。翌年、ダイムラー・クライスラーがAMGの株式の51%を取得した直後、2つのSLが作られた。

SL 55は同じくV8エンジンを搭載したが、排気量はわずかに小さく出力も354psと控えめだ。一方、SL 73(写真)は欧州基準ではまさに怪物と呼ぶにふさわしい存在だった。7.3L M297 V12エンジンは当初525psを発生(その後さらに出力向上)し、後にパガーニ・ゾンダにも採用されることになった。

E 55

AMGは1990年代にEクラスの派生モデルを複数開発した。2002年10月、同社のアファルターバッハ工場(創業地ブルクシュタルからわずか5km)が拡張される頃、歴代最強モデルが発売された。

スーパーチャージャー付き5.4L V8エンジンは475psを発生するが、これは10年前のフェラーリF40の出力と同等だ。2006年にはE 55の後継としてE 63が登場し、スーパーチャージャーは廃止されたが、排気量は6.2Lに拡大され、最高出力514psを実現した。

ディーゼル

E 55と同時に発表された後、やや遅れて2003年2月に発売されたC 30は、極めて稀な存在だ。ディーゼルエンジンのAMGである。

最高出力は231ps。当時の3.0Lディーゼルとしては悪くない数値で、190 E 3.2の出力に非常に近いものだった。しかし、販売は振るわず、まもなく生産中止となった。

(翻訳者注:この記事は「後編」へ続きます。)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN

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