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GT-Rだけじゃない! 記憶に残る日産の高性能車5選

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GT-Rだけじゃない! 記憶に残る日産の高性能車5選

■スカイラインGT-Rにも通じる高性能車があった!

 かつて、日産を代表する高性能車といえば「スカイラインGT-R」や「フェアレディZ」でしたが、1980年代の終わり頃から日産は数多くの高性能車を販売していました。

わずか197台… 幻の2代目「スカイラインGT-R」とは

 1980年代に入ると各メーカーによるパワー競争が始まり、日産も次々と高性能車を開発。その集大成が「スカイラインGT-R」と「フェアレディZ」ということになります。

 そこで、かつて販売していた日産の高性能車を5車種ピックアップして紹介します。 一方で、馬力規制が始まる前の1980年代初頭には、メーカー間による馬力競争が始まります。とくにターボ車の登場によって、飛躍的にエンジン性能が向上していきます。

 そこで、この馬力競争のなかで誕生したスポーツモデル5車種をピックアップして紹介します。

●「マーチ スーパーターボ」

 初代「マーチ」は1982年に発売され、世界戦略車として国内のみならず欧州でもヒットしたコンパクトカーです。イタリア人デザイナーのジウジアーロによるデザインはシンプルな造形で、多くのユーザーに受け入れられました。
 
 また、初代マーチをベースにした「Be-1」「パオ」「フィガロ」といった派生車が登場しています。

 1988年には、モータースポーツベース車の「マーチR」を発売。エンジンは1リッター直列4気筒SOHCで、ターボに加えスーパーチャージャーも装着され、最高出力は110馬力を誇りました。

 翌年、このマーチRをベースに公道走行に適した仕様とした「マーチスーパーターボ」が発売されます。

 出力は110馬力とマーチRから変わらず、スーパーチャージャーによる低速域のパワーと、ターボによる高速域のパワーを両立しており、全域にわたって高い性能を発揮。

 770kg(5速MT)と軽量なボディでしたから、動力性能はほかのリッターカーを大きく凌駕していました。

 しかし、パワーステアリングなどは装備しておらず、ハイパワーなFF車にありがちな「じゃじゃ馬」的なハンドリングで、速く走るにはドライバーの腕が要求されるクルマでした。

●ブルーバードSSSアテーサリミテッド

 1987年に発売された8代目「ブルーバード」はスポーツセダンとして一気に進化したモデルです。ブルーバード初となるビスカスカップリング付きセンターデフ方式を採用した4WDシステム「ATTESA(アテーサ)」を採用し、「技術の日産」を強くアピールしました。

 8代目のトップグレードである「1800ツインカムターボSSSアテーサリミテッド」に搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒DOHCターボで、最高出力175馬力を発揮。

 アテーサに加え、4輪操舵システム「HICAS」と「STC-Sus」(スーパー・トー・コントロール・サスペンション)による高い旋回性能と安定性を誇りました。

 さらに、オーテックジャパンがモータースポーツベース車として開発した「SSS-R」は、専用のピストンやカムシャフト、ターボチャージャーの採用によるパワーアップや、トランスミッションのクロスレシオ化にロールケージが標準装備されるなど、すぐにでも競技に使える仕様でした。

 1988年には、全日本ラリー選手権でドライバーズチャンピオンを獲得するなど、高性能なブルーバードの復権を果たします。

●サニー VZ-R

 2004年まで販売していた「サニー」は、日産の大衆車として長い間愛されたクルマです。最後のモデルは1998年に発売された9代目で、どちらかというと年配の人が乗るイメージでした。

 この9代目サニーに「VZ-R」というスポーツモデルがラインナップされていたのです。

 VZ-Rに搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒DOHCで、最高出力175馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは5速MTのみでした。

 外観は他グレードとほとんど変わりなく、VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムくらいで、まさに「羊の皮をかぶった狼」という表現がピッタリのクルマです。

 2000年のマイナーチェンジでグレードの整理がおこなわれ、VZ-Rの販売は終了してしまい、わずか2年の販売だったため、いまでは非常に希少なクルマとなってしまいました。

■後継車なく日産最後となったハイパワーコンパクト

●エクストレイル GT

 2000年に発売された初代「エクストレイル」は、オフロード走行もこなせるミドルクラスのSUVです。

 全長4445mm×全幅1765mm×全高1675mmと日本の道でも手ごろなサイズで、価格は約200万円からと比較的安価だったので、ヒット作になりました。

 発売の翌年には「GT」グレードが追加されますが、かなりインパクトのあるモデルでした。

 GTに搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒DOHCターボで、最高出力280馬力を発揮。トランスミッションは4速ATのみでしたが、それでもSUVらしからぬ怒涛の加速力を誇っていました。

 このエンジンは「シルビア」などに搭載されていた「SR20型」をベースにチューニングされた「SR20VET型」で、SRシリーズでは唯一280馬力を達成した記念すべきエンジンです。

 なお、このエンジンはエクストレイルのみに搭載されただけで、当時のシルビアなどスポーツモデルには搭載されませんでした。

●パルサーGTI-R

 かつて日産は国内外のラリーへ積極的に参加していました。1958年の豪州ラリーでのクラス優勝から始まり、世界ラリー選手権ではサファリラリーなど数々の優勝を重ねてきました。

 その世界ラリー選手権(以下、WRC)の出場において、最後のベース車両だったのが1990年に発売された「パルサーGTI-R」です。

 GTI-Rは4代目「パルサー」の高性能モデルとして、当初からWRCへの参戦をにらんで開発されました。

 エンジンは2リッター直列4気筒DOHCターボの「SR20DET型」を搭載し、最高出力は230馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみで、駆動はフルタイム4WDシステム「アテーサ」が採用されています。

 ボンネット上にはインタークーラーへ走行風を導入するダクトと、巨大なリアルーフスポイラーを装備して、ほかのグレードとは明確に異なる外観に仕立てられていました。

 前出のブルーバードに比べコンパクトな車体に強力なエンジンを搭載しており、ラリーカーとしてのポテンシャルを秘めていましたが、主戦場であるグループAでのラリーでは最高位が総合3位と結果を残せませんでした。

 結局、1992年のシーズンをもって日産はラリーから撤退を発表。GTI-Rは後継車もなく悲運のマシンとなってしまいました。

※ ※ ※

 いまよりも高性能車が多く販売されていたころは、モータースポーツと密接に直結していた印象があります。

 実際に、今回紹介した5車種のうち3車種はモータースポーツに参戦していました。やはり、競技に参加することで、クルマの高性能化が促されたということでしょう。

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