完成度が高かった初代空冷4発にも持病があった
タコメーターのドライブギヤ部分から、エンジンオイルが滲んでいたり、漏れていたりするケースを時折見かけることがあるカワサキ750RS/Z2シリーズ。このバイクを紹介して下さった、カワサキ直系営業所に所属していた元メカニックからお聞きしたお話しだと、Z2シリーズが現役だった当時は、一般の販売店で手に負えない重整備に関して、直系営業所への修理依頼が各ディーラーから回ってきたそう。
【画像】カワサキ「初代空冷Z」の泣き所!? タコメーターギヤのオイル漏れ修理を画像で見る(14枚)
それまでの大型モデル、2ストトリプルエンジンを搭載したH1/H2のマッハシリーズなどと比べれば、極めて完成度が高い状態で発売されたモデルが、初代空冷4気筒エンジンのZ2シリーズだったそうです。
だから、大きなトラブルで入庫することは少なかったそうですが、小さなトラブルに対する対策は、営業所の現場レベルでもディーラーへ向けて情報共有していたそうです。
お話しは反れますが、500ccや750ccの2ストトリプルは、回し過ぎて焼き付かせた状態で入庫する車両が圧倒的に多く、仮に、しっかり暖機運転して、分離給油のエンジンオイル量をしっかり管理していれば、トラブルに遭わなくて済んだケースも多々あったそうです。
ぼく自身、500トリプルは4台、フラッグシップの750は1台だけ所有歴がありますが、暖機運転は重要だと思いました。慎重になり過ぎたあまり、暖め過ぎても決して良くはありませんが……。
カワサキ直系営業所の元メカニック経由で見つけたZ2だったので、さすがに素性は良く、気になるトラブルも無く好調に走ってくれました。
しかし、Z2シリーズが販売されていた70年代当時から多かったオイル漏れに関しては「今はまだ漏れていないけど、ある程度、走行距離が進むと必ず漏れるようになるからね……」と聞いていました。交流発電機の出力ハーネスのゴムグロメット部分と、シリンダーヘッドの右前方にあるタコメーターケーブルの取り出しユニット部分のオイル漏れがそれでした。
名義変更を済ませて乗り始めた当時は、オイル滲みや漏れはありませんでしたが、数百キロ走った頃には、オイル滲みが出てくるようになりました。車両点検時でガレージへ持ち込むと、タコメーターギヤのオイル滲みも、ついでに修理することになりました。
オイルシールの組み立て時は「タコギヤ」に要注意
オイル滲みや漏れ原因のひとつに、オイルシールリップのダメージ問題があります。
オイルシール交換時には、タコメーターギヤをセットしながら行いますが、このときに、ギヤシャフト部分を無理に押し込んでしまうと、シャフト先端のエッジでオイルシールリップにダメージを与えてしまうことが多いようです。
ギヤを組み込む際には、ゴム×金属部品の潤滑用ラバーグリスを塗布しますが、オイルシールリップが噛み込まないように、ピックアップツールでリップをめくり上げながらながらシャフトを差し込むようにするのがダメージを与えない方法だそうです。
また、外部からゴミが侵入することによって、シールリップが痛んでしまうケースもあります。ここでは、その対策例として、タコメーターケーブルの固定ナット部分をシーリングしました。
手元に不要な2ストエンジン用のベースガスケットがありましたので、ハサミで寸法に合わせてカットして利用しました。実は、以前に同様の対策パーツをメーカーが用意していた時期もあり、オイル滲みが発生しているエンジンには、このような部品で対策していたこともあったそうです。いずれにしても、せっかく新品オイルシール&Oリングに交換する時には、オイルシールが長持ちするような策を、可能な限り講じておきたいものだと思います。
また、1970年代の「接着剤系液状ガスケット」と比べて、現代の「シリコン系液状ガスケット」は、乾燥硬化後にも弾力性があり、液状ガスケットを厚めに盛ることもできるのが特徴で、以前と比べればオイル漏れや滲み頻度が確実に減っています。
それでもある一定の期間を経過すれば、オイル滲みや漏れが発生することもあります。液状ガスケットを盛って補修したときには、すぐにエンジン始動してエンジンオイルを回すことなく、最低でも1時間近くは放置して、液状ガスケットの初期硬化を待つようにしましょう。
まぁ、オイル滲みが出た時には、その都度「対策修理すれば良い」などなど、心に余裕を持ちたいものです。歴史にその名を残す、カワサキの初代空冷4発オーナーなのですから……。
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みんなのコメント
その点、今のバイクは凄い部品の精度なんだね。だから今感覚で乗ると気になるのかな(笑)