「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2012年に2代目の三菱 アウトランダーに追加設定された、PHEVだ。
三菱 アウトランダーPHEV(2013年・車種追加)
モーター駆動のEVやエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車といった電動車には、パワフルなエンジンを積む高性能モデルとは違った面白さと感動がある。今回は、三菱 アウトランダーに追加設定されたプラグインハイブリッド車(PHEV)を、いよいよ公道で試乗することができた。システムも流れと変化を、マルチインフォメーションディスプレイで見ているだけでも楽しい。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
アウトランダーPHEVは、2Lの直4ガソリンエンジンにツインモーター式4WDを組み合わせたプラグインハイブリッド車だ。EV技術とエンジン技術を融合し、外部からの充電による電力や減速時のエネルギー回収によって、ガソリンを思い切りセーブした効率の良い走りを無理なく楽しむことができる。
まずは市街地走行から。発進時はバッテリー残量が半分くらいの状態だった。最初は、できるだけモーターだけで走ってみようと考え、ていねいな運転を心がける。このクルマのすごい点は、一般的な運転をしてもEV走行を続けようとがんばるところだ。
EV走行は瞬発力が鋭く、実用域のトルクも厚みがある。しかも滑らかで上質なパワーフィールだ。ゴーストップの多い市街地ではガソリンエンジンより扱いやすいし、快適性も高かった。スピードを上げていっても、振動は気にならない。
信号が赤になったり、前のクルマに追いついてアクセルを戻したりブレーキを踏むが、このときに減速エネルギーを使って回生を行い、バッテリーに充電する。バッテリー残量が少なくなりエンジンがかかったのは、15kmほど走ったときのことだった。
状況に応じて2種類にハイブリッド走行を使い分ける
バッテリーの充電状態が良いときは、モーターが主役のシリーズハイブリッドとなる。エンジンを発電専用として動かし、その電力を使って可能な限りモーターで走行する。バッテリーセーブモードに入れてバッテリーを温存して走ると、深夜の住宅地などでEV走行ができる。
流れにまさせて走っていると、なかなかエンジンはかからなかった。エンジンが始動したときも切り替わったのが分からないくらい自然な感覚だ。さすがに急加速したときはエンジン音が耳に届く。だが、高速道路では遮音が行き届いているのでエンジンの存在感は薄かった。
高速走行ではエンジンの駆動力を主体に走行するパラレルハイブリッドになる。ダラッとした上り坂が多い高速道でも、力強い加速を見せつけた。登坂路でアクセルを全開にしてみたが、しびれるような加速フィールだ。エンジンとモーターの相乗効果で痛快な加速を引き出すことができ、1.8トンのボディが軽く感じられる。
ハンドルに備わるパドルシフトを使えば、回生ブレーキの効きを6段階から選択することもできる。回生なしのB0や効きの甘いB1、B2が高速走行では自然な感覚だ。空いた郊外の道ではB3やB4も違和感なく使えた。勾配や好みに応じて回生ブレーキの効きを変えられるのは、とても便利で有効だ。
低重心で前後の重量配分もいいから、フットワークは軽快だ。乗り心地も1クラス上の上質なものだ。その実力はSUVのレベルを大きく超えている。ちなみに、一般道と高速道路を普通に走っての平均燃費は、15.1km/Lだった。満足度は本当に高いといえるだろう。
三菱 アウトランダーPHEV Gナビパッケージ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4655×1800×1680mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1800kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1998cc
●最高出力:87kW(118ps)/4500rpm
●最大トルク:186Nm(19.0kgm)/4500rpm
●モーター最高出力:前60kW(82ps)、後60kW(82ps)
●モーター最大トルク:前137Nm(14.0kgm)、後195Nm(19.9kgm)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・45L
●JC08モード燃費(ハイブリッド):18.6km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●当時の車両価格(税込):397万8000円
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みんなのコメント
ブッチャケ言わせてもらうと、この記事この車の魅力を半分も伝えていない。
この車の真骨頂はS-AWCを強力なモーター駆動のみで成立させている。
日産のeFORCEはこれの流用だろう。
2個の大トルクモーター駆動と左右ブレーキ制御(AYC)を主体とするトルクベクタリングが圧巻。
2トン近い巨体が直角コーナーをミッドシップカーの様にとは大げさかも知れないけどそのくらいの回頭性。
特に下りのタイトコーナーでの回頭性はアンダーが出てしまうだろう他社のSUV、比較は同時期に購入した実弟のハリアーだけど、全く別次元。
2015年のビッグマイナーでセッティングと静粛性、装備を格段に上げてきた。
ただ、2000CCエンジンではシリーズHV走行時には発電量不足のようで、後の2400CCでバランスが取れた。
現行車に乗り替えたが、フットワークは先代がよいと思う。