BEVの600eはハードル高し
フィアット600(セイチェント)にイタリア車乗り『待望』の1台が登場した。1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載する『フィアット600ハイブリッド』のことだ。
【画像】これなら真剣に検討したい!フィアット600ハイブリッド 全45枚
ご存知のようにフィアット600は昨年9月の日本上陸時、『600e』と呼ばれるBEVのみの導入となっていた。その時からハイブリッドの追加は予告されていたので、まずはそこからの『待望』がひとつ。
そしてここ最近、イタリア車乗りが選ぶ『ドアが4枚あるコンパクトなクルマ』はフィアット500Xの一択で、フィアット500やパンダからのアップグレード組、既に販売が終了したアルファ・ロメオ・ジュリエッタなどからの乗り換え組にとって、『待望』の新たな選択肢登場というわけだ。
600eはスタイル抜群ではあるものの、やはりBEVに対してハードルが高いのと、価格も585万円(導入時。現在は555万円に見直し)と遠い存在であった。しかし今度は『600ハイブリッド』が365万円、『600ハイブリッド・ラ・プリマ』が419万円のところを600台限定のローンチプライスで399万円と、これなら真剣に検討したい! と思わせる価格に収めてきたのだ。
ステランティス・ジャパンは5月1日に、6ブランドで10~30万円の値下げを行っており、為替など環境が厳しい状況の中、顧客に寄り添った姿勢を見せてきた。個人的にはアルファ・ロメオ・トナーレ・プラグインハイブリッドQ4が50万円もの値下げとなり、かなり色めき立っている。
ということで、元フィアット・ウーノ・ターボ&バルケッタのオーナーである筆者は、かなりの期待を持って、試乗会に臨んだのであった。
600ハイブリッドにおける3点のポイント
試乗前に参加したプレゼンでは、600ハイブリッドのポイントとして3点の説明があった。
まずはタイムレスなプロポーション。ひと目でフィアットだと思わせるのは、往年のヌォーヴァ500と現代の500、往年の600と現代の600同士が、それぞれ大きさは異なるものの、フォルムが同じに見えるよう工夫されているからだ。
また、室内でもオマージュした部分は多く、内外装ともに新しいけどどこか懐かしい、まさにイタリアンデザインの面目躍如と言える魅力を放っている。ヘッドライトを目を見立てて、グリルも口角が上がったように見える『ビッグスマイルデザイン』というキーワードも示された。
ふたつ目は何といってもマイルドハイブリッドのパワートレインだ。1.2Lの3気筒ターボは単体でも136psと十分なスペックだが、システムトータルで145psとセグメントの中でも見てもかなりパワフルになっているそう。
しかもマイルドハイブリッドではあるものの、低速時は100%電動走行が可能で、市街地では1時間あたり50%がエンジンを使用しない状態となる。その結果、WLTCモードの燃費は23.2km/L(ラ・プリマは23.0km/L)となり、プレゼンの担当氏が試乗会場まで高速中心で走ったところ、28.5km/Lという数字が出たそうだ。
3つ目は安心と使いやすさ。アダプティブクルーズコントロールを始めとする安全装備、ハンズフリーパワーリフトゲート、キーレスエントリーといったは便利な機能はひと通り装備しており、価格は抑えたが、そのあたりは十二分といった印象だ。
ボディカラーはサンセット・オレンジ、スカイ・ブルー(取材車)、ホワイト、シー・グリーンの4色だが、特に他の媒体が撮影していたシー・グリーンはひと目惚れレベルに素敵であった。ちなみに500eにも似た色があるが、あちらはオーシャン・グリーンとなり、少し異なる。
なお、取材車の『600ハイブリッド・ラ・プリマ』はアイボリーのレザーシート&18インチだが、『600ハイブリッド』はブラックのファブリックシート&16インチ(!)であり(メッキパーツ有無なども違う)、それを知った瞬間から気になって仕方ないのであった。
具体的な妄想が止まらない
まずは撮影開始。芝生の上に佇むスカイ・ブルーの600ハイブリッドは、いかにも愛でたくなる形と色で、これがシー・グリーンの16インチになったらどうなるか、でも室内のアイボリーもいいんだよなぁ……と具体的な妄想が止まらない。
ホイールデザインは600eと同じなので、識別点はテールゲートに装着される『Hybrid』のエンブレムとエキゾーストパイプの有無になるが、Hの文字に青い葉がデザインされているのを発見し、イタリアらしいセンスのよさを感じた。
撮影を終え、試乗をはじめて最初に感じたのは、プレゼンでも言われていた回生ブレーキの存在だった。マイルドハイブリッドではあるが、100%電動走行が可能なため、アクセルペダルを戻すと回生ブレーキが効く。これが意外と強めで、強弱の調整をできないため若干好みが別れそうな気がした。
しかし、街中ではワンペダルとは言わないまでも近い感覚で走りやすく、システム出力145psに対し車重1330kgとなるスペックから想像する以上に、元気に走ってくれる印象だ。ステアリングは最近のイタリア車らしく若干軽めで(一説によるとイタリア人の好みらしい)、特にストレスを感じることなく、撮影のためワインディングへ向かう。
すると、かなりキビキビとした走りを見せてくれた。これはあくまでイメージながら、昔から裏路地をアクセルペダル全開で走るのがデフォルトとなるイタリアらしさを、このフィアット600ハイブリッドも持っているように感じるではないか。
絶対的に愛らしいデザインに、イタリア車らしい走り。それでいて低燃費で、魅力的な価格設定。関係者に聞いたところ、正式発表前のティザー時点でかなりの反響があったという。どうやらイタリア車乗りの大本命として、既に注目を集めているようだ。
フィアット600ハイブリッド・ラ・プリマのスペック
全長×全幅×全高:4200×1780×1595mm
ホイールベース:2560mm
トレッド:F1535mm R1525mm
車両重量:1330kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
ボア×ストローク:75.0×90.5mm
排気量:1199cc
最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
最大トルク:230Nm/1750rpm
圧縮比:11.5:0
モーター最高出力:16kW/4264
モーター最大トルク:51Nm/750-2499rpm
バッテリー電圧:3.65V
バッテリー容量:20Ah
バッテリー個数:12個
バッテリー総電圧:43.8V
トランスミッション:6速AT(デュアルクラッチ)
駆動方式:FF
燃料タンク容量:44L
ラゲッジルーム容量:385L
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク
タイヤ:F&R215/55R18
燃料消費量(WLTCモード):23.0km/L
価格:419万円(600台限定ローンチプライス399万円)
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