■BMWラインナップのなかで最小の「エントリーBMW」
2019年8月29日に、新型BMW「1シリーズ」が日本で発表され、2019年11月から順次納車がはじまっています。
今回で3世代目に進化した1シリーズですが、3代目にしてはじめて前輪駆動(FF)レイアウトを採用したのが特徴です。
メルセデス・ベンツ初の前輪駆動セダン 「Aクラスセダン」登場
全長4335mm×全幅1800mm×全高1465mm、ホイールベースは2670mmのボディは、先代となる2代目1シリーズと比較すると、全長はマイナス5mm、全幅プラス35mm、全高プラス25mmというサイズになり、ホイールベースも20mm短くなっています。
車両重量はガソリンモデルの118iで1430kg。これは先代の118iと比べると40kg軽量化されています。
パワーユニットは、140馬力/220Nmを発生する1.5リッター直列3気筒ターボエンジンを搭載した「118i」「118i Play」「118i M Sport」と、306馬力/450Nmを発生する2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し4輪を駆動する「M135i xDrive」があります。
車両価格は118iが334万円(消費税込、以下同様)、118i Playが375万円、118i M Sportが413万円、M135i xDriveが630万円です。
※ ※ ※
では、歴代1シリーズを振り返ってみましょう。
初代1シリーズは、2004年に登場しました。
全長4240mm×全幅1750mm×全高1430mm、ホイールベースは2660mmの5ドアハッチバック(モデルコード:E87)で、フォルクスワーゲン「ゴルフ」やアウディ「A3」、ルノー「メガーヌ」などと同じ、Cセグメントハッチバック市場に導入されました。
それまで販売されていた3ドアクーペ「3シリーズコンパクト」の実質的な後継車で、BMWのエントリーモデルとしての役割も担います。
実用車としての使い勝手も求められるCセグメントハッチバックですが、1シリーズはクラスで唯一、BMWモデルらしく後輪駆動(FR)を採用していました。
前輪駆動(FF)を採用するライバルに比べてキャビンは小さめで、とくに後席の足まわりはタイトでしたが、FRらしい素直なハンドリングはBMWファンに愛されました。
当初、日本では150馬力/200Nmを発生する2リッター直列4気筒エンジンを搭載する「120i」、129馬力/180Nmを発生する2リッター直列4気筒エンジンの「118i」、115馬力/150Nmを発生する1.6リッター直列4気筒エンジン搭載の「116i」の3グレードが用意され、6速ATと組み合わされました。
さらに2005年10月には、265馬力/315Nmを発生する3リッター直列6気筒エンジンを搭載した、フラッグシップモデルの「130i M Sport」が登場しました。
1シリーズは、のちに追加された3ドアハッチバック(モデルコード:E81)のほか、2008年2月にはクーペモデル(モデルコード:E82)、2008年3月にはカブリオレモデル(モデルコード:E88)が追加されています。このクーペ/カブリオレモデルはその後1シリーズから離れ、「2シリーズ」として登場します。
■BMWは「MINI」ブランドでFF車づくりのノウハウを得た
2代目1シリーズ(モデルコード:F20)は2011年6月に本国で発表、日本でも9月に発売が開始されています。
全長4335mm×全幅1765mm×全高1440mm、ホイールベースは2690mmと、先代である初代1シリーズと比べて、全長で95mm長く、全幅は15mm広く、全高は10mm高く、そしてホイールベースで30mm大きくなっています。
駆動方式は先代と同じFR。先代では後席居住性がネックになっていましたが、フルモデルチェンジして大きくなったことにより後席の足もとは広くなり、荷室容量も大きくなりました。
136馬力/220Nmを発生する1.6リッター直列4気筒ターボの「116i」、170馬力/250Nmを発生する1.6リッター直列4気筒ターボの「120i」があり、それぞれにノーマル/スポーツ/スタイル/Mスポーツという装備違いのグレードがありました。
またMパフォーマンス オートモビルズとして「M135i」も用意。こちらは320馬力/450Nmを発生する3リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載、トランスミッションは116i/120i/M135iともに8速ATでした(のちにM135iには6速MTも用意)。
曲線を多用したボディデザインは登場当初から賛否両論がありましたが、2015年にはマイナーチェンジをおこない、シャープなデザインに変更しています。
さらに116iを廃止し「118i」を設定。これは当初136馬力/240Nmを発生する1.6リッター直列4気筒ターボでしたが、のちに同スペックで1.5リッター直列3気筒ターボに変更されました。またディーゼルモデル「118d」が追加されています。
2016年には340馬力/500Nmを発生する直列6気筒ターボエンジンを搭載した「M140i」が登場しています。
※ ※ ※
前述のとおり、2019年8月に日本で発表された3代目1シリーズはFFになりましたが、BMWとしては、すでに2014年10月に日本に上陸した「2シリーズ・アクティブツアラー」でFFを初採用しています。
さらに2015年5月に日本発表された「2シリーズ・グランツアラー」、2019年10月に日本発表された「2シリーズ グランクーペ」が同様にFFです。また2015年10月に日本発表された2代目「X1」、2018年4月に日本発表された「X2」もFFベースとなります。
「BMW車イコールFR」という印象が強いため、FFは新参のようなイメージもありますが、じつはBMWグループではすでに2001年からFFの「MINI」を発売しているため、BMWのFF車づくりはすでに20年近い歴史があります。
たしかに、いままで同セグメントのなかで唯一のFRだった1シリーズが、FFになったことに対して寂しく思うBMWファンも少なくないでしょう。新型1シリーズがどんなに走りの良さを標榜したとしても、前後重量配分50:50からくる素直なコーナリングや、濁りのないハンドリングなどはFRでしか味わうことができないものです。
ただし、BMWの調査によると、1シリーズのオーナーの80%は自分のクルマがFFなのかFRなのかを知らない、といいます。
そうすると、ライバルのハッチバックと同等以上の広い室内空間だったり、荷室容量を備えた今回の新型1シリーズの登場は、歓迎の声のほうが大きいのかもしれません。
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みんなのコメント
Aクラスの方が断然良いし、モデル末期のA3でさえ1シリよりはマシ。
308やジュリエッタだって、1シリよりは「選ぶ理由」がある。