この記事をまとめると
■トラックは乗用車と違って路上駐車をして食事や遊びに出かけているわけではない
路駐を取り締まるくせに法律では休まなきゃいけない矛盾にウンザリ! トラックの路上駐車問題はどうすれば解決するか考える
■トラックの路上駐車は国の規定である「430休憩」が原因の場合がある
■トラックの路上駐車は待ち時間の「荷待ち」でやむを得ず発生する場合が多い
仕事である以上は仕方なく駐車するしかないという厳しい現状
「物流の2024年問題」が導入される以前から問題になっている大型トラックの路上駐車。本サイトではこれまで、2025年4月28日に大阪府警が大阪市鶴見区の幹線道路にて路上駐車トラックの一斉取締りを行なったことをリポートしたが、この問題は大阪の一部地域だけのことではなく、全国各地の幹線道路で発生している物流の深刻な課題なのである。それはトラックの路上駐車の「スポット化」と呼ばれている。
また、「路上駐車は好ましくないが、やむなく路上に駐めることも多い」と現場の実情を吐露する全日本トラック協会(全ト協)の関係者もいるという。トラックドライバーは乗用車の路上駐車とは違い、愛車を駐車して、食事や遊びに出かけているわけでは決してないのだ。このトラックの路上駐車にはふたつの大きな問題がある。
ひとつめは、トラックドライバーの「430(ヨンサンマル)休憩」と呼ばれる国の規定。この規定では、トラックドライバーは4時間運転するごとに30分の休憩が義務付けられている。連続運転時間が4時間以上になるのであれば、その運転を中断して(車両を駐車して)、どのような事情があろうとも休憩をとらなければならない。
この「430休憩」に違反したら、ドライバー自身は取り締まりは受けないが、運送会社に労働基準監督署からの指導が入ったり、車両の稼働停止など行政処分を受けたりすることになる。トラックには車両の運行を管理する「タコグラフ」という装置がついており、430休憩を「したふり」は物理的にはできないのだ。
その規定の目的は「ドライバーの健康と安全を守るため」とお題目はもっともでいいことであるかのように感じられるが、「4時間経過する前に必ず休憩」というのが実際の労働環境を考慮されていないのが実状。トラックは車体が大きいため、いつでもどこでも目に入った駐車場に駐めることができず、やむなく路上駐車を強いられることとなっている。
ネクスコ中日本など高速道路各社は大型車用の駐車スペースの拡充に取り組んでおり、平成30年度から令和6年度までに4000台のスペースを確保したが、それは現状のトラック稼働台数にはまだまだ到底足りず、高速道路ではサービスエリアの誘導線などでの駐車が変わらず横行しているのが現状だ。ドライバーたちはそんな違反をしたくてしているわけではない。労働法規を守るために交通法規を破る。そんなジレンマに日々悩まされながら仕事に従事しているわけだ。
荷主の事情ひとつで困難を強いられてれてしまう「荷待ち」問題
もうひとつの問題はトラックの「荷待ち」。ドライバーではなく荷主側の都合で、ドライバーの納品や集荷の「時間厳守」が業界の大原則となっており、業種や積み荷によっては、トラックが「延着」すると運送料金が支払われないなどのペナルティが課せられることも多々あるのだ。
それを防ぐため、ドライバーたちは渋滞など交通状況を見越した上での早めの移動を心がけ、実際にそのように動いているが、早めに到着してもすぐに荷降ろし、納品することはできず、また荷主である倉庫や工場などの敷地での待機はさせてもらえず、ドライバーたちは積み下ろし先の近くの路上での待機「荷待ち」を強いられているのが現状だ。
2025年5月に交付された「トラック新法」では、荷主や物流事業者に対しこの荷待ち時間と荷役(荷物の積み降ろし)時間の合計を原則2時間以内にするなどの努力義務が課せられたが、それはあくまで「努力義務」(自転車に乗るときはヘルメットをかぶりましょう、という義務と同じ)であり、どこまでその時間短縮が実現できるかは不透明である。
とはいえ、一般道での路上駐車は沿線住民に交通の障害や騒音、ゴミなどの被害を与えており、高速道路のSAやPAでのトラックの誘導路へのはみ出しも事故の危険を誘発する問題になっている。「430休憩」も、ドライバーの労働環境を悪化させない、健康と安全を守るためには全否定はできない。
これらの問題を解決するには、国など行政や高速道路各社によるトラックの駐車・休憩のためのインフラ拡充はもちろん、荷主側(集荷・納品先)の待機場所の確保や積み下ろし時間への柔軟な対応が求められる。まず必要なのは、「荷待ち・荷役時間2時間以内」を努力義務ではなく法的拘束力のあるものとすべきではなかろうか。
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みんなのコメント
ゴミのポイ捨て、下手すりゃ立ち小便するドライバーもいる。取り締まられてもしょうがない。
コメント欄も傷のなめ合いをしているような痛い内容が目立つ。
トラック専門誌といえば「カミオン」ぐらいしか思い浮かばないが、トラックの記事を書きたい記者がいるなら他社だけど「カミオン」に移籍させてあげたら?