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【昭和の名車 151】4代目シルビアは、姉妹車ガゼールとともに走りのイメージを強調した

掲載 更新 28
【昭和の名車 151】4代目シルビアは、姉妹車ガゼールとともに走りのイメージを強調した

昭和は遠くなりにけり・・・。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「日産 シルビア/ガゼール(S12型)」だ。

日産 シルビア/ガゼール(S12型):昭和58年(1983年)8月発売
日産は1983年(昭和58年)8月に、シルビア/ガゼールをS12型にフルモデルチェンジした。1965年に発売された初代シルビアから小型スペシャリティカーという位置づけで、S12型は4代目にあたり、3代目のS110型から姉妹車のガゼールも登場した。これはシルビアが日産サニー店系列、ガゼールが日産モーター店系列と分けられたためで、基本的には同一車種だ。ボディバリエーションは、クーペとハッチバック(HB)が設定された。

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トップグレードのターボRS-XにはFJ20E・T型の2L直4 DOHCターボが搭載された。FJ20E型は先代のシルビアから搭載された2Lの直4 DOHCで、1気筒あたり4つのバルブを2本のカムシャフトで駆動する直動式のスポーツエンジンとして注目されていた。ショートストローク設計や、ペントルーフ型燃焼室の採用、吸排気系の最適設計などによりパワフルであるとともに抜群のアクセルレスポンスを実現していた。

新たに搭載されたFJ20E・Tは、さらにターボチャージャーとマッチングさせることで、ターボエンジンとしては高い6400rpmの回転域で、当時の2Lクラスではトップレベルの最高出力190psを発生した。エンジンバリエーションとしては、シルビアにFJ20E搭載のRS-Xを設定。その他、一般訴求グレードにはCA18型のNAとターボエンジンを搭載した。トランスミッションはFJ20型は5速MTのみ、CA18型では5速MTと4速ATが設定されていた。

サスペンションは、フロント:ストラット/リア:セミトレーリングアーム式の4輪独立式となった。フロントはジオメトリーをハイキャスター&ゼロスクラブとして直進安定性を高め、リニアなステアフィールやブレーキング時の安定性を確保した。ステアリングギアボックスをラック&ピニオンとしたことと合わせて、シャープで応答性の良いハンドリングはシルビア/ガゼールの美点とされた。

リアのセミトレーリングアーム式サスペンションは新設計で、欧米の高性能車をしのぐ操縦安定性の実現を目指した。セミトレーリングアームのメリットを生かしながら、ロール剛性、キャンバー変化、トー変化を最適なセッティングとし、直進性を向上させるとともに、高速コーナリングでの限界性能を上げている。ただしCA18型搭載車は4リンクリジッド式と、やや旧式となっている。

現代的なクルマとして安全性への対策と走行性能の両立も図られたのもS12型からだ。乗員保護を考えたモノコック構造を採用するのはもちろん、耐久性、剛性を確保しながら80kgに及ぶ高張力鋼板の使用などにより、先代に比べ約70kgの軽量化を達成。ガラス面積の拡大、セミコンシールドワイパーの採用などで前後・側方の視界も向上させている。

コクピットに目を移すと、スポーツ性の高い上級グレードにはドライバーの好みに応じて8つの部位を自由に調整できるマルチアジャスタブルシートを採用したのが注目される。これは電動ポンプでエアを送ることでサイサポート/サイドサポート/ランバーサポートを調整できる機構。この他にも上下に36mm調整できる電動上下平行リフター機構や、ヘッドレストを前後に調整できる機構も備えている。

S12型シルビア/ガゼールは、リトラクタブルライトを採用したスポーティな外観を裏切らない走行性能を持ち、当時の若者層を中心に人気のクルマとなった。大きなエアダムやウイングを装着しグループ5仕様としてレースにも参戦したこともあり、古き良き日産を感じさせる最後のクルマとなったといっても良いだろう。



日産 シルビア HB ターボRS-X 主要諸元
●全長×全幅×全高:4430×1660×1330mm
●ホイールベース:2425mm
●重量:1170kg
●エンジン型式・種類:FJ20E・T型・直4 DOHCターボ
●排気量:1990cc
●最高出力:190ps/6400rpm
●最大トルク:23.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/60R14
●価格:252万円

[ アルバム : S12型 シルビア/ガゼール はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

28件
  • やはり、2Lのスポーツカーは 必要だな。
    若者が 買いやすい価格じゃなきゃ。
  • 個人的には好きな車の一台だった。ただ、残念な事はスカイラインRS-Xターボより高かった事。インタークーラーが、無かった。マイナーにて1800になったがそれでも売れなかった。日産にとっては失敗作で次期にはバカ売れした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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