6月28日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで2025スーパーGT第3戦『SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025』の決勝が行われ、GT500クラスは笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組の37号車Deloitte TOM’S GR Supraが4番手から逆転優勝を飾った。
スーパーGTにとってコロナ禍以前の2019年以来6年ぶり、マレーシア・セパンでの開催となると2013年、実に12年ぶりの海外戦になる今大会。レースウイークは木曜日の公式練習から走行が始まる土曜決勝、そして暑さを考慮してレースは現地時間16時30分の夕方スタートになるなど、国内開催時とは異なる点も多い。
迎えた土曜の決勝日は、現地の朝に東南アジア特有の大雨スコールがセパン周辺を濡らすも、昼にかけては雲もなくなり、厳しい日差しがサーキットを照りつけた。決勝は16時30分ながら気温33度、路面温度42度という蒸し暑いコンディションで迎えた。レースフォーマットは55周の300kmで争われる。
レースは定刻から1分遅れの16時31分にフォーメーションラップが開始されるも、動き出しで13番グリッドの24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zがストップ。駆動系のトラブルのようで、名取鉄平はそのままコースサイドにマシンを止め、24号車リアライズZはオフィシャルの手によってピットガレージに回収されてしまった。
24号車リアライズZを除く14台はセーフティカー先導での走行を続け、2周のフォーメーションラップ完了後にシグナルグリーンでレースがスタート。各車とも回り込む1~2コーナーをクリアしていくが、中団で1号車au TOM’S GR Supraに39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが追突するようなかたちで接触、1号車auはスピンしてGT500の最後尾まで順位を落とす。39号車にはその後、ドライブスルーペナルティが科された。
上位勢はポールポジションスタートの19号車WedsSport ADVAN GR Supraを駆る国本雄資がトップを守る。2番手は8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTの松下信治、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの大草りきが続いて周回を重ねる。
3番手の64号車Moduloの後方には笹原右京がドライブする37号車Deloitte TOM’S GR Supraが接近。笹原は6周目の4コーナーで大草のインに入ってオーバーテイクを決め、37号車Deloitteが3番手に浮上する。
7周目ほどからはGT500の隊列がGT300に追いつき、トップ争いの19号車WedsSportと8号車ARTAがテール・トゥ・ノーズに。そして9周目のターン9でARTA松下がWedsSport国本のインに飛び込みパス。ここで首位交代となる。
コンディションは10周目に気温30度、路面温度38度と徐々に下がるなか、トップに立った8号車ARTAは2番手19号車WedsSportとのギャップを3秒ほどに開く。そしてレースのおよそ半分となる19周目には38号車KeePer CERUMO GR SupraがGT500で最初のピットストップを行う。
続く周回には2番手の19号車WedsSport、17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、39号車DENSOがピットイン。さらに翌周にはトップの8号車ARTA、3号車Niterra MOTUL Z、23号車MOTUL AUTECH Zと、各マシンとも続々とピット作業を終えていく。
8号車ARTAのピットストップにより暫定トップに立った37号車Deloitteは、第1スティントを他車より伸ばして33周目にピットへ。その後にコースに戻ると、ジュリアーノ・アレジがトップを走る8号車ARTAの前を奪い、オーバーカットに成功。8号車ARTAの野尻智紀もアウトラップでペースが上がらないアレジに徐々に迫るが、オーバーテイクには至らず、37号車DeloitteがGT500全車のピットストップ完了後の首位で後半へと入っていった。
37周目には最終コーナーで38号車Keeperをコース外に追いやったとして100号車STANLEYの牧野任祐に10秒タイム加算ペナルティが提示。そこから100号車STANLEYの牧野がペースを上げていくなか、38号車KeePerの大湯都史樹はついていけず、大湯はオーバーカット戦略で順位を上げてきた1号車auの山下健太からの追撃を受ける。
38号車KeePerの大湯と1号車auの山下による争いは残り10周を切っても続く。最終盤まで続いたバトルは1号車auの山下に軍配が上がっ。また、その前方では19号車WedsSport、17号車Astemo、100号車STANLEYによる4番手争いが繰り広げられ、100号車STANLEYの牧野が2台を攻略して4番手に浮上。さらに牧野は、3番手の12号車TRS IMPUL with SDG Zの背後に迫りオーバーテイクを決める活躍をみせた。
そして、ピットストップ完了後からトップを快走していた37号車Deloitteは、最終的に2番手の8号車ARTAに19.046秒差をつけてトップチェッカー。37号車Deloitteにとっては2024年第6戦SUGO以来の優勝を飾るとともに、トヨタにとって2004年デンソーサードスープラ以来となる21年ぶりのセパン勝利、そして今季3戦で3連勝を決めた。
3番手フィニッシュは終盤で鬼神の追い上げをみせた100号車STANLEYとなったが、10秒のタイム加算ペナルティが適用されたため、12号車TRSが3位表彰台に登壇。4位は17号車Astemo、ポールスタートの19号車WedsSportは5位となり、ペナルティ適用の100号車STANLEYが6位となっている。7位にはスタート直後の接触で最後尾まで順位を落とした1号車auがサクセスウエイト70kgながら入っている。
ひさびさの海外戦を終えた2025年のスーパーGT。前日の予選日には2万8254人の観客がセパン・サーキットを訪れ、決勝日も予選日以上の観客がスタンドに見られ、マレーシアでのスーパーGTの人気がこれまで以上に高まっていることが伺えた。
次戦となる第4戦は日本に戻り、8月2~3日に静岡県の富士スピードウェイで第4戦『FUJI GT SPRINT RACE』が開催される予定だ。
[オートスポーツweb 2025年06月28日]
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