ディーゼルエンジンを搭載するPHV(プラグ・イン・ハイブリッド)モデル「E350de」に小川フミオが試乗した。印象はいかに?
現実的な解決策
29歳、フェラーリを買う──Vol.63 F8トリブートのオウナーに会う!
2019年10月に日本で発表された、メルセデス・ベンツ「E350 de アバンギャルドスポーツ」は”科学する心”を刺激するクルマだ。
欧州では、2019年3月のジュネーブ自動車ショーで発表されたモデルで、最大の特徴は、プラグ・イン・ハイブリッドシステムとディーゼルエンジンの組合せにある。
フル充電なら50kmまではモーターで走り、そのあとはディーゼルエンジンが引き継ぐ。強い加速が必要なとき、アクセルペダルを強く踏み込むと、”ここから先はエンジンが起動しますよ”と、ペダルの踏力が変わる。
バッテリーは走行中も充電出来る。チャージモードを選択すれば、エンジンを利用して充電が始まる。いろいろ試すのが楽しい。科学する心を持つおとなにとって、日常が楽しくなりそうだ。
ジュネーブショーの会場では、日本へも導入されピュアEV「EQC」にくわえてVクラスのBEV(バッテリーを使うEV)である「EQVコンセプト」などが発表され、E350 deの存在はややかすみがちだった。
でも一般の来場者が気にしていたのは、断然こちら。距離を走るなら燃費のいいディーゼルがいいけれど、(欧州では)市街地へのディーゼル車の乗り入れ規制実施が検討されている。E350 deは1台で両方に対応できる、現実的な解決策なのだ。
優れた乗り心地
実際の走りは、ひとことでいって、力強い。1950cc直列4気筒ディーゼルターボ・エンジンだけでも、1600rpmと低い回転域から400Nmの最大トルクを発生する。それにくわえ、モーターだけでも300Nmのトルクを持つ。
モーターだけの発進でも力は充分。本国値で2060kgのボディを軽々と加速させる。バッテリー残量が許せば、高速でも電気だけで巡航できる。そもそも室内の遮音が行き届いた仕上げであり、モーターだけで走行中の静かさは、新しい時代の高級車像を垣間見せるものだ。
速度があがっていくと、そのぶんバッテリーの減りは早くなる。高速ではディーゼルエンジンの出番だ。エンジンが始動したときはさすがにザラザラというか、独特のフィーリングがあるけれど、それはモーター走行時と比較してだから、しようがない。
ディーゼル車としては、かなり静かでスムーズだ。9段オートマチック変速機は、走行モードに応じて的確なシフトスケジュールを展開するので、スポーツなら高めの回転まで引っ張れるいっぽう、エコではシフトアップが早い。
ボディはバッテリーのせいで重めであるものの、それが奏功して、乗り心地は快適だ。Eクラスはメルセデス・ベンツのセダンのベストセラーというだけある。走行安定性と快適性と操縦性とパワー感のバランスがよくとれているのだ。
E350deを選ぶ意味
プラグインハイブリッドのアッパーミドルクラスセダンというと、ボルボ「S60 T6 Twin Engine AWD」(それに同T8 Polestar Engineered)がある。こちらも、よく出来たモデルだ。
ボルボ車はガソリン・エンジンで前輪を、電気モーターで後輪を駆動。ドライブトレインは前後でつながっていない。その構成が、E350 deとは根本から違う。
E350 deは同軸式のモーターで駆動のサポートをし、ドライブシャフトで後輪へと動力を伝えるシステムを採用している。それに対してボルボのように、電気モーターで駆動力を制御するのは、これから主流になる考えなので、先進性の面では、ボルボに分があるといえる。
メルセデス・ベンツは、BEVなら、“EQ(C)を”と、割りきっている。遠くない将来、大型セダン版の「EQS」の登場が噂されているし、Eクラスと同等の「EQE」も計画されているにちがいない。E350 deは、さきに述べたように、現時点での欧州の環境対策への対処法、というのがコンセプトなのだ。現実的なモデルである。
まだディーゼル規制が始まっていない日本で、875万円をE350 deアバンギャルドスポーツに払う価値はいかに……。経済性でいうと、いくら燃費がよくて軽油が比較的安くても、イニシャルコストと維持費は釣り合わないだろう。
でも、市街地をたとえば早朝に粛々と走ることが多く、遠出の機会が少なくないというビジネスマンや、ゴルフなどのスポーツ好きにとって、メリットはある。
燃費を考えて、自分でEVモードやハイブリッドモードやチャージモードを切り替えて走るのも楽しい。Eクラスに新しくくわわった楽しみととらえてもいいのではないだろうか。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
今どきこんな旬をとっくに過ぎた車の試乗記は誰も必要としてない
買うのはベンツ関係者か、情弱老人を言いくるめて買わせるくらいかっていう、、、
これ、日本のメディアはキチンと批判、少なくとも読者にはキチンと説明しないとダメなやつでしょ。
「E350 de」 ← そもそもこれ、何て読むんだよ??
「デ?」、「ディーイー?」、「ディー?」、「ド?」、「デーエー?」 ???