この記事をまとめると
■2026年4月18・19日にS耐第2戦「SUZUKA 5時間レース」が開催された
2輪ファンにはお馴染みだけど4輪ファンは聞き慣れない!? ホンダのレースで見かける「HRC」ってなに?
■Team HRC「CIVIC TYPE R HRC Concept」の参戦は市販パーツの開発も兼ねている
■HRCブランドの完成度の高いアフターパーツの登場が期待される
HRCがS耐に参戦する意味
スーパー耐久シリーズ第2戦「SUZUKA 5時間レース」が4月18~19日、鈴鹿サーキットを舞台に開催。各クラスで激しいバトルが展開されていたが、そのなかで注目を集めていたマシンが、Team HRCがST-Qクラスに投入した271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」だといえるだろう。
当サイトでも紹介したとおり、同モデルはFIA規定モデル「CIVIC TCR」をベースにしたマシン(https://www.webcartop.jp/2025/08/1677623/)で、デビュー戦となった2025年の第5戦オートポリスでは目立ったアップデートが行われていなかった。しかし、同年の第6戦岡山で独自のリヤウイングを装着したほか、最終戦の富士に関しては、レース用エンジン「HRC-K20C」を搭載。残念ながらHRC-K20Cの投入は、その富士の1戦のみのテストだったが、2026年の第2戦鈴鹿ではENEOSとともに共同開発を実施している植物由来基油を用いた環境配慮型潤滑油を採用するなど、新たなトライを行っているようだ。
なかでも、シビックタイプRのユーザーにとって興味津々なアイテムが、昨年の岡山より採用されているリヤウイングにほかならない。これまでホンダのモータースポーツ活動はF1のパワーユニットにしてもスーパーGTにしても技術研究の一環であり、生産車両やパーツ開発へ直接結びつくことはなかったが、渡辺康治氏の社長就任後は、モータースポーツと市販モデルおよび市販パーツのリンクが意識づけられるようになっている。
2026年の東京オートサロンでもHRCのブランドを冠したコンセプトカー、シビックタイプR HRC コンセプト」や「プレリュードHRCコンセプト」、「CR-VトレイルスポーツHRCコンセプト」、「WR-VトレイルスポーツHRCコンセプト」、「ヴェゼルトレイルスポーツHRCコンセプト」、「ZR-VトレイルスポーツHRC コンセプト」などが登場。このスーパー耐久に投入されている271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」のリヤウイングもその一環で、市販パーツへの技術フィードバックのためにHRCおよびホンダの純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが共同で開発を行っているのである。
というわけで、今回は第2戦の鈴鹿サーキットで、パーツ開発を手がけるホンダアクセスのエンジニア、清松邦人氏を直撃。気になるリヤウイングについて聞いてみた。
──271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」に派手なリヤウイングが装着されていますが、あれはあくまでもレース用のパーツですか?
清松氏:いまの状態としてはあくまでもレース用になりますが、「HRC Performance Parts」の市販化に向けた技術要素のトライアルを入れております。パーツの量産開発が始まったときにフィードバックするため、スーパー耐久のなかで技術的なデータを収集しています。
──なるほど。「HRC」のロゴが入ったパーツとしては、デザインだけでなく、性能も必要になるからレースで開発しよう……ということですね?
清松氏:そうです。「HRC」のパーツとしては、やはりトラック性能を期待されるお客さまが多いと思いますし、シビックタイプRではサーキット走行を楽しむ方も多いでしょうからね。ST-Qクラスはトライアルできる環境にあるので、このクラスをうまく使って開発に着手し始めたところです。
進化したHRCシビックタイプRの可変式リヤウイング
──このリヤウイングが登場したのは昨年の岡山からだと思いますが、今回の鈴鹿までの間にアップデートしていたりするんでしょうか?
清松氏:岡山では可変式のリヤウイングを装着していたんですけど、我々が想定していた角度調整幅とチーム側の使用したい調整幅にズレがありました。同時に岡山では真ん中と左右の翼端を分割で調整できるようにしていたんですけど、機構が複雑になっていたこともあって、それらの意見をフィードバックして、今回は一体物にしつつ、調整幅も変えてきました。
──おおっ、仕事が早いですね!
清松氏:今回は調整幅を増やしているので、増やした領域もテストして頂いています。予選と決勝のロングランを可変でうまく使いわけていただいているので、そのデータをフィードバックしてブラッシュアップしていきたいと思います。
──シビックタイプRのユーザーにとっては気になるところだと思いますが、そうやって開発を重ねていった先に一般道路を走行できる市販パーツができるんですよね? いまはリヤウイングですが、前後のバンパーなども作るんでしょうか?
清松氏:どのタイミングで、どの領域をやっていくのか……ということを申し上げる状態にはないですし、量産パーツとしては制約も異なるので、直接的に同じ形状でフィードバックできるものとそうでないものもありますが、性能の出し方など、プロセスをうまく量産に繋げていきたいと思います。
──ちなみにホンダアクセスとして、これまでチームに帯同して、サーキットでデータ収集を行っていたことはあったんでしょうか?
清松氏:ずいぶん前、FD2(シビックタイプR)に我々のブランドであるModuloの市販パーツを付けてスーパー耐久に参戦して開発にフィードバックしていたこともありました。とはいえ、基本的に我々はストリートの用品を開発してきたので、レースという現場からは遠ざかっていました。レースのなかで性能を突き詰めていく……という部分では、ホンダアクセスとしては久々の活動となります。そういった意味では技術開発と同時に人材育成にも重きを置いて、この活動に参画させて頂いています。
──人を育てるという部分でも、スーパー耐久のST-Qクラスは最適なんですね。
清松氏:開発のスピード感がまったく違いますし、ドライバーからのフィードバックはエンジニアとしても刺激になりますからね。レースは物の見方を広げることができる活動だと改めて思います。
──確かにリヤウイングも昨年の岡山から、わずか6カ月でアップデートしましたもんね。
清松氏:量産パーツだと年単位で開発するのが一般的ですからね。そのぶん、大変な部分もありますし、プレッシャーもありますが、やり甲斐があります。
以上、簡単にホンダアクセスのエンジニア、清松氏のインタビューをまとめたが、HRCとホンダアクセスは、量産かつ市販化を前提にパーツ開発を実施。完成度の高いアフターパーツの登場が期待されるだけに、今後もスーパー耐久ではTeam HRCの271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」の動向に注目したい。
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みんなのコメント
FL5持ってないから買わんけど。