フルノーマルのシャシーに触るのは久し振り
西本尚子さんが長年乗られていたサンライトシルバーのRX-7は5型で、4型以前に対してバンパー形状が大きく変わり、開口部が大きく採られたことで冷却性能が高められたのが特徴となる。
【画像】日本一有名になったサンライトシルバーの個体と渡辺敏史の所有車!2台のFD3S型RX-7と当時を振り返るオフィシャル写真 全96枚
エンジンは1型から続くシーケンシャルツインターボの13B-REWながら、タイプRやRSでは当時の自主規制枠いっぱいの280psまでパワーアップされた。が、この個体のグレードは265psのタイプRB Sパッケージとなっている。
自分の6型はサスとホイールをハナッから換えてしまったため、フルノーマルのシャシーに触るのは久し振りだった。
RX-7の現役当時は他メーカーの銘柄も含めて、スタビリティもハンドリングも乗り心地も三方よし的な足まわりのセットアップを期待するのは難しい、言い換えれば何かを犠牲にするのがスポーツカーの常でもあった。
とりわけコーナリングへの期待値が高いことを自認していたマツダは、ロータリーの軽さや小ささを軸に、ともあれ運動性能推しでRX-7のキャラクターを際立てていく。反面、真っすぐ走っていても舵の据わりやリアの収まりが心許ない、路面状態に引っ張られやすい、そういうナーバスな一面がつきまとっていたように思う。
そこを巧くカバーしながらレブリミットアラームを鳴らしてエンジンをカチ回し、つづら折れを切り刻むようにスパスパと曲げていく、レーシングドライバーによるキレッキレの映像は今でもSNSでみることができる。が、そういう速さの最前線とは齢的にも線引できるようになった今、各部を労りながらノーマルシャシーに接すると感じるのはやはりクルマそのものの素性の良さだ。
レシプロとは一線を画する動き方
タイヤの横力やグリップに頼ることなく、舵の切り始めからじわっと向きを変えていく。舵の操作量に対するクルマの応答そのものは決してバキバキにクイックというわけではない。
節々のゴムものの変位が小さく、すうっと躊躇いなく骨で曲がっていくサマが伝わってくる。小さなマスが真ん中の低いところに置かれたロータリーならではの、レシプロとは一線を画する動き方だ。
ここから更に踏んで負荷をかけていくと、自分のクルマでも味わったことのある不穏な動きが顔を出してくる一方で、それに対処すべくタイヤやサスや空力や……と外的な要素が変わることで動きのカミソリ度が二乗的に高まっていくのもRX-7の特徴だろう。
往時のスポーツモデルが現役の頃は、半ばイジられるのが前提で買われていたところもあって、こういう尖った個性がどうしても前に立って語られるものだ。が、改めてノーマルに乗ってみると、端折られつつあったこのクルマの落ち着いた一面がみえてくる。
二次曲線的な加速に、ある種の儚さ
一方で、イナーシャの小さいロータリーとシーケンシャルツインターボの組み合わせからなる二次曲線的な加速に、ある種の儚さを覚えてしまうのは自分だけではないだろう。
エンジン自体の回転感の繊細さと2丁掛けのターボが同調していく際の粗野な盛り上がりが折り重なる、雑味も含めてのそのフィーリングは、過給圧や噴射量が緻密に管理された現在のレシプロ直噴ターボでは叶えられないものではないだろうか。
RX-7は、いや、代々のロータリースポーツは、競争激しいレシプロのスポーツモデルたちに比べると確かに数値で肩を並べるには至らない。2Lで400psオーバーの市販車があることを鑑みれば、もはや排気量辺りの効率的な利も小さいだろう。
それでも、唯一無二の内燃機が持つ独特の官能性、その内燃機あってこそのシャシーダイナミクスやクルマそのものの佇まいなどが渾然一体となってもたらされるものからは、人の感情にぐいぐいと訴えてくる不思議な情念のようなものが伝わってくるかのようだ。
果たして、次のロータリースポーツがあるのか否かは現時点では定かではない。マツダは折につけそれを匂わせるし、周辺技術を固めていることも情報として伝わってくる。が、一方で日を追うごとにその環境が厳しくなっていくのも確かだ。
それでも諦めないという気持ちを、譲り受けた西本さんのRX-7に、恐らくは託しているのだろう。出来るのは灯を絶やさず、少しずつでも回り続けること。自らを鼓舞するかのようなマツダのその想いが結ばれる日が来ることを、いちオーナーとしても願っている。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ロシアの港にウクライナ海軍の「刺客」が侵入 すさまじい大爆発の瞬間を捉えた映像が公開される
日本の最新鋭護衛艦 まさかのアメリカ海軍へ“輸出”の可能性!? その驚きの計画とは しかしライバルや乗り越えるべき課題も
完全無料なのに「これ、純正ナビ!?」トヨタが本気で開発したナビアプリは何がスゴい? 最新版を使ってわかった「400万ダウンロード突破の人気のヒミツ」とは
0時の高速「深夜割引待ち渋滞」がこれで消滅! 「22時から5時」の時間で”走ったぶんだけ割引”でも「飛ばすのは意味ナシ」な新ルールの全容
なぜトヨタは“聖域”である「センチュリー」を大きく変えたのか? 豊田章男氏のひと言から始まった“新時代ショーファーカー”開発秘話
なぜドライバーは「カーフィルム」を選ばないのか? 女性のUV対策はわずか6%! フロントガラスにも貼れると知っているのか――高い満足度の裏に隠れた「認知と法規制」の壁
【サクラの刺客かN-BOXの敵か】35.84kWhの大容量バッテリーを積むBYDラッコが狙う年間1万台の標的とは
打倒アルヴェル&エルグランドへ、伝説の「エリシオン」の魂が2028年に復活か!?
前年比66.2%でも計画超え! スバル「フォレスター」販売の現状。「プレミアム S:HEV EX」が人気のワケは“あの装備”⋯ターボ車も好調
“斜め停車”角田裕毅のお咎めなしにアウディが待った! エクストラフォーメーションラップ時の規則適用に懸念、異議申し立ての意向
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
もう一度そのメリットを滔々と語るマツダを見てみたいとは思う。
オカルト頼みか