現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【マニアック評価・試乗記】アウディQ6 e-tron 最新のE/EアーキテクチャーとPPEプラットフォームを採用しヴィークルOSのCARIADも搭載

ここから本文です

【マニアック評価・試乗記】アウディQ6 e-tron 最新のE/EアーキテクチャーとPPEプラットフォームを採用しヴィークルOSのCARIADも搭載

掲載
【マニアック評価・試乗記】アウディQ6 e-tron 最新のE/EアーキテクチャーとPPEプラットフォームを採用しヴィークルOSのCARIADも搭載

2025年3月25日に国内発表をし、4月15日から発売がはじまった「アウディQ6 e-tron」は、多くの注目ポイントがある興味深いモデルだ。そのQ6 e-tronを早速ドライブする機会があったのでお伝えしていこう。

まずは見た目がこれまでのSUVのQシリーズとは異なっている。これまでのQシリーズはキャビンフォワードで室内を広くする狙いのデザインだったが、Q6 e-tronはキャビンが後退し、前後のオーバーハングも小さくスポーティなデザインになっている。アウディもSUVでありながらスポーティデザインにすることができ、「完璧なSUVのプロポーションの実現」というミッションがクリアできたと説明しているのだ。

【第633回】7/5(土) THE MOTOR WEEKLY放送予告!

これはベースとなるプラットフォームに、PPE(プレミアム プラットフォーム エレクトリック)を採用したことで、こうしたデザインにできたという。PPEはEV専用プラットフォームであり、ミッドサイズからフルサイズまでカバー。ポルシェとも60~70%は共通になっているという。

少し余談になるが、Q6 e-tronはドイツ・インゴルシュタットで生産されるが、その工場は2025年1月にカーボンニュートラル(CN)を達成したという。そしてモーターは2020年にCNを達成しているハンガリーのジェール工場で生産されており、Q6 e-tronは完全なCN工場で生産されたEVというモデルなのだ。

アウディのe-tronシリーズは、まず2020年に「e-tron」の名で登場。その後「Q4 e-tron」が2022年にデビューし、「e-tron」は「Q8 e-tron」と車名変更。そして今回ミッドサイズの「Q6 e-tron」がデビューした。

関連記事:アウディ ミッドサイズSUV Q6e-tronを発表 最新のE/EプラットフォームでECUの統合制御を実現

そしてもうひとつの注目ポイントは、E/Eアーキテクチャーが第3世代へと切り替わっていることだ。電気/電子のプラットフォームはECUで制御する車載アプリケーション、ポートフォリオを集約したもので、現在の主流は大きく3つのドメインに分け、それぞれのECUで制御していくスタイルだ。

そのドメイン制御は、フォルクスワーゲンが開発するヴィークルOS「CARIAD」を搭載したことも大きなトピックになる。もっともCARIADは現在のPPEプラットフォームの次に予定されている「SSPプラットフォーム」で本格搭載を予定しているヴィークルOSだ。

このCARIAD OSを搭載可能としたのは、ECUを統合制御できる母艦となるHPC(ハイパフォーマンス コンピュータ)に切り替わったことでCARIADが使えるというわけだ。

そうしたことで、例えばヘッドライトの光り方を変更するECUやアンドロイドOSをCARIADの下にぶらさげることで、ChatGPT、アレクサ、Googleを搭載し、複数のAI制御が可能になっている。

このようにE/Eアーキテクチャーの中身の凄さは一般的には理解されないものの、車内エンターテイメントの豊かさなどで、その魅力を感じることができるのだ。

というわけでハードのプラットフォームPPEで作られた車体とヴィークルOSのCARIADを運用するためのE/Eアーキテクチャーで商品価値を向上させたQ6 e-tronは、非常に静かで、かつスポーツドライブが楽しめるモデルなのだ。

Q6 e-tronのラインアップはRWD(リヤ駆動)とクワトロ(AWD)、そしてSQ6 e-tronの3モデルがあるが、今回試乗したのは「Q6 e-tronクワトロ」だ。フロントに誘導モーター(ASM)を搭載し、リヤに同期モーター(PSM)を持つクワトロ。誘導モーターは大きな負荷が要求された時に駆動をする仕組みで、丁寧な乗り方だと駆動配分は0-100になっている。誘導モーターを採用する理由としてモーターの製造コストもあるが、この完全に駆動から切り離せる性能が魅力ということになる。

だから市街地をクルマの流れに沿って走行する限りRWDで走行しているが、路面の環境や負荷のかかり次第でシームレスにフロントモーターが駆動する。ちなみにモーター、減速機、インバータで構成されるユニットは3 in 1構造で、従来より30%小型化をしている。

バッテリーはクワトロ用が100kWhの電池容量で、150セル10モジュール構成の三元系リチウムイオンを搭載し、出力は285kWで航続距離は644kmとロングレンジだ。ちなみにRWDモデルは75.8kWhの電池容量で、185kWの出力、569kmの航続距離となっている。そしてスポーツモデルとなるSQ6 e-tronはクワトロと同じ100kWhの電池容量で、出力は360kWと大きく、672kmもの航続距離を持っている。

Q6 e-tronの回生制御は次世代型へと進化し、95%が回生エネルギーによる減速になる。パドルシフトを使わずともフットブレーキを踏んでも回生ブレーキで対応している。このあたりもE/Eアーキテクチャーの進化によるところが大きい。

そして回生ブレーキの制御は4段階ありパドル0状態がコースティング・モードで回生はゼロ。そして左側のパドルを3段階にわけて回生の強さが変更される。またシフトレバーのBを選択するとワンペダル・ドライブが可能になり停止までする仕様だ。 ヴィークルOSのCARIADが、どのドメイン制御を担当しているのかは不明だが、このようにコンピュータの性能があがり、OSもアップデートされていくと使えるアプリケーションが増え、ユーザーへの提供価値が上がることを実感する。さらにダイナミック性能やAD/ADAS系もCARIADで制御されると、いよいよ自動運転の領域へと入り、新しいモビリティへと変化してくことになる。今はその変革の最中であり、変化していく姿を実体験できる貴重な時代ということもできるのだ。

価格

Audi charging station厚木が全電気自動車ユーザー向けにオープン

アウディの正規販売店であるAudi厚木の敷地内に新たに開設した「Audi charging station厚木」。最大出力150kWの蓄電池型超急速EV充電器を2基備え、4スロットそれぞれのポートから同時に急速充電が可能。新東名高速「厚木南IC」の直下に位置し、長距離移動の際にも便利。

所在地:神奈川県厚木市戸田252-1
営業時間/定休日:年中無休 24時間利用可能

アウディQ6関連記事
アウディ関連記事
アウディ ジャパン 公式サイト

The post 【マニアック評価・試乗記】アウディQ6 e-tron 最新のE/EアーキテクチャーとPPEプラットフォームを採用しヴィークルOSのCARIADも搭載 first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.

文:Auto Prove 高橋 アキラ
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

プジョー3008 フルモデルチェンジで、EVとマイルドハイブリッドの2本立てで登場【公式動画】
プジョー3008 フルモデルチェンジで、EVとマイルドハイブリッドの2本立てで登場【公式動画】
Auto Prove
48Vマイルドハイブリッド対応、ITECHが「IT6600C」電源を出展予定…人とくるまのテクノロジー展 NAGOYA 2025
48Vマイルドハイブリッド対応、ITECHが「IT6600C」電源を出展予定…人とくるまのテクノロジー展 NAGOYA 2025
レスポンス
Xiaomi・シャオミ YU7の正式販売開始 驚異的な性能の羅列に興味津々 【公式動画】
Xiaomi・シャオミ YU7の正式販売開始 驚異的な性能の羅列に興味津々 【公式動画】
Auto Prove
【試乗リポート】アウディの大本命「Q6 e-tron」。EV食わず嫌いの方もぜひお試しあれ!
【試乗リポート】アウディの大本命「Q6 e-tron」。EV食わず嫌いの方もぜひお試しあれ!
LEON
走りの質、楽しさ、そして余裕が格段に高まった──新型レクサスRZ試乗記
走りの質、楽しさ、そして余裕が格段に高まった──新型レクサスRZ試乗記
GQ JAPAN
三菱 コンパクトSUV「グランディス」を公開 ルノーのOEMモデルで欧州市場から順次販売
三菱 コンパクトSUV「グランディス」を公開 ルノーのOEMモデルで欧州市場から順次販売
Auto Prove
ボルボ史上最も売れているという「XC60」の最新モデル、その理由を探る
ボルボ史上最も売れているという「XC60」の最新モデル、その理由を探る
@DIME
いざ尋常に勝負!! デザインと取り回しと航続性能はピカイチっぽいぞ 日産新型リーフの見えてきた性能と魅力
いざ尋常に勝負!! デザインと取り回しと航続性能はピカイチっぽいぞ 日産新型リーフの見えてきた性能と魅力
ベストカーWeb
メーカーの努力に拍手!──マツダCX-30 20S Black Selection試乗記
メーカーの努力に拍手!──マツダCX-30 20S Black Selection試乗記
GQ JAPAN
新型トヨタ RAV4のライバルたち大集合!! ミドルクラスSUVの「買いポイント」チェック!!
新型トヨタ RAV4のライバルたち大集合!! ミドルクラスSUVの「買いポイント」チェック!!
ベストカーWeb
【海外出張旅】ホテルの窓から充電ケーブル ドイツで乗り回したソウルレッドのCX-60PHEV
【海外出張旅】ホテルの窓から充電ケーブル ドイツで乗り回したソウルレッドのCX-60PHEV
Auto Prove
【試乗】普通のステアリングをまわす操作が無駄に感じる! ステア・バイ・ワイヤを採用してきた「レクサスRZ550e “F SPORT”」の切れ味を一度体験したら戻れない
【試乗】普通のステアリングをまわす操作が無駄に感じる! ステア・バイ・ワイヤを採用してきた「レクサスRZ550e “F SPORT”」の切れ味を一度体験したら戻れない
WEB CARTOP
フォルクスワーゲン ザ・ビートルは、正しい「現代版ビートル」として開発し直されていた【10年ひと昔の新車】
フォルクスワーゲン ザ・ビートルは、正しい「現代版ビートル」として開発し直されていた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【ポルシェ911新型】全輪駆動「4S」の選択肢が倍増! クーペ、カブリオレ、タルガの予約受注がスタート
【ポルシェ911新型】全輪駆動「4S」の選択肢が倍増! クーペ、カブリオレ、タルガの予約受注がスタート
LEVOLANT
新型プジョー3008が8年ぶり新型!! 500万円切りフランス個性派ハイブリッドはどう?
新型プジョー3008が8年ぶり新型!! 500万円切りフランス個性派ハイブリッドはどう?
ベストカーWeb
現代版ワーゲンバスが登場!3列シートのミニバンEV「ID. Buzz」の全貌
現代版ワーゲンバスが登場!3列シートのミニバンEV「ID. Buzz」の全貌
@DIME
ミドルSUV ボルボ「XC60」は仕様変更でどう変わった? さらなる熟成で“完成形”に近づいたベストセラーSUVの進化とは
ミドルSUV ボルボ「XC60」は仕様変更でどう変わった? さらなる熟成で“完成形”に近づいたベストセラーSUVの進化とは
VAGUE
「レクサスらしい走り味」がさらなる高みへ! EV専用モデル「RZ」がハードウェアを大幅刷新!! “プレミアムブランドならではの電動SUV”は何が進化した?
「レクサスらしい走り味」がさらなる高みへ! EV専用モデル「RZ」がハードウェアを大幅刷新!! “プレミアムブランドならではの電動SUV”は何が進化した?
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

839 . 0万円 1253 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

- 万円

中古車を検索
アウディ Q6 e-tronの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

839 . 0万円 1253 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

- 万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村