時代は変われど衰えない魅力
スポーツカーは、いまだに自動車愛好家にとって憧れの的であり続けている。もともとはレースマシンのスピードと興奮を公道で味わうことを目的に考案されたが、何十年にもわたり自動車産業の重要な柱となってきた。
【画像】世界で一番売れているだけのことはある! 魅力たっぷりなスポーツカー【マツダMX-5を詳しく見る】 全28枚
今日、スポーツカーは最も多様性に富んだ分野の1つとなっている。本来のスポーツカーの理念を忠実に守った軽量な2シーター・コンバーチブルから、グランドツアラーとしての能力を備えた4シーター・クーペまで、幅広い選択肢がある。
他の多くのクルマが電動化を進めている一方で、スポーツカーは伝統的なガソリンエンジンを維持し、刺激的でありながらも親しみやすいパフォーマンスでドライバーを魅了している。日常の使い勝手を犠牲にすることなく、ダイナミックなハンドリングと運転の楽しさを追求したモデルは、最高のスポーツカーと言えるだろう。
結局のところ、スポーツカーの真価は運転の「フィーリング」と「楽しさ」で決まる。
これほど競争の激しいスポーツカー市場において、他を圧倒して際立っているのがアルピーヌ A110だ。他車ではなかなか真似できない軽量かつ俊敏な走りという、まさにお手本のようなパフォーマンスを見せてくれる。
(翻訳者注:各モデルの名称や装備などは英国仕様に準じます。一部、生産終了モデルも含まれますが、原文の執筆時点で英国で購入可能なものを取り上げています。予めご了承ください。)
1. アルピーヌA110
デザイン:9点 インテリア:7点 パフォーマンス:9点 乗り心地&ハンドリング:10点 コスト:9点
長所:素晴らしい軽量設計 実用性と快適性を兼ね備えている サスペンションの全面改良後も乗り心地は損なわれていない
短所:エンジンは価格の割に及第点というレベル シャシーの改良により、ハンドリングの魅力が多少失われた 後方視界が悪い
最大の特徴:ハンドリング
個性豊かなターボエンジンから、実に印象的なハンドリングに至るまで、アルピーヌ A110は「楽しさ」の塊と言うべき1台だ。
「A110は速く、機敏で、情熱的であり、何よりも圧倒的な楽しさを誰もが味わえるクルマだ。満点評価の5つ星に値する」
――リチャード・レーン(ロードテスト副編集長)
スペック上、A110は理想的なオールラウンド・スポーツカーとなるための要素を数多く備えている。軽量なアルミニウム製ボディ、ミドシップエンジン、そして贅沢なダブルウィッシュボーン式サスペンションなどを特徴とする。
2017年に最高出力250psの標準モデルが登場し、その後、292psのエンジンと大型ブレーキ、より硬めのサスペンションを備えたA110 Sが発売された。『レジェンドGT』などいくつかの特別仕様車を経て、最終的にはハードコアなA110 R ウルティムがラインナップの頂点に立った。
しかし、AUTOCAR UK編集部は標準モデルのA110こそがラインナップの中で最も優れた仕様だと考えている。グリップ力、姿勢制御、そして走行時の安定性が卓越しており、ドライバーに至高の運転体験をもたらしてくれるからだ。
2027年に次世代EVが登場する前に、なんとか一度は味わっておきたい。
2. ポルシェ911
デザイン:9点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地&ハンドリング:9点 コスト:9点
長所:新型GTSハイブリッドエンジンの加速とレスポンス デジタルメーターを採用しつつもシンプルで機能的なインテリア 想像を超える速さ
短所:電動化による重量増がサーキットでのハンドリングを鈍らせる 競合車種の一部よりもロードノイズが大きい 以前のモデルよりも高価
最大の特徴:オールラウンドな性能
ポルシェ911は、世界で最も汎用性の高いスポーツカーだと言っても過言ではない。
「どの新型911も依然として素晴らしいが、『992.2』シリーズへの再編後、各バージョンには明確な役割が割り当てられている」
――イリヤ・バプラート(ロードテスター)
ラインナップにはカレラ、カレラT、カレラS、カレラGTSが用意され、いずれも出力は異なるものの、3.0L直列6気筒ターボエンジンを搭載している。ボディタイプはクーペ、ソフトトップのカブリオレ、そして折りたたみ式ハードトップのタルガが選択可能だ。
駆動方式は後輪駆動か四輪駆動、トランスミッションは8速デュアルクラッチ式PDKか7速マニュアルから選べる。
さらに上位には、ターボ、ターボS、GT3、GT3 RSといった高性能バージョンも存在する。
911は、使い勝手の良さ、バランスの取れたスポーツ性能、そして何よりもあらゆる場面で味わえるドライビングプレジャーにおいて、同時代のライバルの中で比類なき存在である。他の追随を許さない不朽の名車だ。
3. マツダMX-5(日本名:ロードスター)
デザイン:10点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地&ハンドリング:9点 コスト:8点
長所:活気あふれるパフォーマンス バランスの取れた、運転の楽しさを感じさせるハンドリング 優れたパッケージング
短所:同クラスのホットハッチほど速くない ステアリングが軽すぎる キャビンのエルゴノミクスに不備がある
最大の特徴:手頃な価格
第4世代のマツダMX-5(日本名:ロードスター)は、これまでのどのモデルよりも全長が短く、軽量で、室内空間が広く、レイアウトも優れている。外観はシャープになったが、親しみやすく、決して派手ではない。また、従来より速く、燃費も良くなり、運転の楽しさと没入感もさらに高まっている。
「先代モデルを上回っていない点は1つもない。全長は短く、軽量で、室内空間は広く、レイアウトも優れている」
――マット・プライヤー(編集委員)
欧州では2018年にマイナーチェンジを受け、2.0Lエンジンの出力が23ps向上し、ステアリングコラムも調整可能となった。2024年にはさらなる改良が行われ、新しいスリップディファレンシャル、ステアリングのレスポンス改善、より緩やかなスタビリティコントロール、そしてインテリアのアップデートを実施した。1.5Lエンジンで130psの出力を持つモデルも引き続き選択可能だが、2.0Lモデルの方がより完成度の高いスポーツカーだ。
MX-5が世界一売れているオープンスポーツカーであるのには、それ相応の理由がある。どちらのパワートレインを選んでも、後輪駆動ならではのシャシーの安定感と、ドライバーが運転に深く関われる感覚は保証されている。MX-5は今も昔と変わらず、活気に満ちた唯一無二のクルマであり続けているのだ。
4. BMW M2
デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地&ハンドリング:9点 コスト;8点
長所:BMWのS58エンジンは「デチューン」された状態でも圧倒的な存在感を放つ 操作感に優れたトランスミッション シャシーは先代のM2とは異なり、俊敏性と快適性を両立させている
短所:サイズと重量の増加がハンドリングに顕著に現れる 好みが分かれるスタイリング エントリー価格が4万5000ポンド(約980万円)から6万5000ポンド(約1415万円)に上昇した
最大の特徴:ハードコアなドライビングにも対応
BMWのM部門は、M4のメカニズムをよりコンパクトなボディに収め、さらに熱狂的なエンスージアストの好みに合わせて再チューニングした。この第2世代M2は、最初から成功することが決まっていたようなものだ。
「M2は、2023年のBMW M部門のビジョンと魅力を、より一層鮮やかに体現する存在のように感じられる。そして皮肉なことに、ある種のオールドスクールな魅力も持ち合わせているところが、一番気に入るかもしれない」
――マット・ソーンダース(ロードテスト編集者)
現行M2は、前モデルに付きまとっていた技術的な劣等感が払拭され、進化を遂げると同時に、現代のMモデルとしての成熟感と完成度を身につけた。
搭載される「S58」ターボチャージャー付き直列6気筒エンジンは、480psの出力と61.2kg-mのトルク(6速マニュアル・トランスミッションを選択した場合は56.1kg-m)を発生し、0-97km/h加速加速は4.3秒だ。
運転してみると、ラインナップの上位モデルよりもシンプルで純粋な「ドライバーズカー」であることがわかる。速くて、バランスが良く、運転の楽しさを感じさせつつも、汎用性が高く、ドライバーの好みに即座に合わせられる柔軟性も備えている。
崇高な乗り心地とハンドリングを備えた、正統派でクラシックなMカーとして、洗練されたM2 CSは、我々が最も気に入っているドライバーズカーの一つだ。
5. ポルシェ718ボクスター/718ケイマン
デザイン:9点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地&ハンドリング:9点 コスト:9点
長所:スピード感あふれる走り 乗り心地とハンドリングの絶妙な融合 寛容なスタビリティコントロールシステム
短所:他の選択肢の方が魅力的 タイヤノイズがやや目立つ 4気筒エンジンの音が少々荒い
最大の特徴:日常のドライブに最適
センセーショナルなスポーツカーを作り上げることにかけて、ポルシェの右に出る者はいない。
「718ケイマンSは、現在販売されているスポーツクーペの中で群を抜いて完成度が高く、ハンドリング特性は、エンジンに対するわずかな懸念を容易に吹き飛ばすほど優れている」
――マット・ソーンダース(ロードテスト編集者)
標準仕様の718の生産は終了したが、本稿執筆時点では在庫から購入することがまだ可能であるため、当面はこのレビューの対象として残しておきたい。
4気筒モデルの方が手頃な価格ではあるが、自然吸気の6気筒ボクサーエンジンは至福の喜びをもたらしてくれる、選ぶべき1台だ。
ギア比がやや長く設定されているため、6速マニュアル仕様は7速パドルシフト付きオートマティックに比べ、運転の楽しさという点で若干見劣りする面もあるが、クルマとの一体感という点では、3ペダル仕様に勝るものはない。
安定したハンドリング、高速走行時の軽やかな姿勢制御、そして日常使いでの利便性を兼ね備えた718は、特にGTS 4.0仕様において、これまでで最も完成度の高い「ドライバーズカー」の1つと言えるだろう。
6. アストン マーティン・ヴァンテージ
デザイン:9点 インテリア:8点 パフォーマンス:9点 乗り心地&ハンドリング:9点 コスト:8点
長所:圧倒的なパワーとサウンド 昔ながらのフロントエンジン・リアドライブのバランス 力強く魅惑的な外観
短所:低回転域で若干のターボラグ かつてないほど大型化
最大の特徴:昔ながらの英国的な魅力
ヴァンテージは、厳密にはアストン マーティンのエントリーモデルだが、スペック上の性能数値を見ればそうは思えないだろう。
「ヴァンテージは、走行性能において明らかに一段階レベルアップしている。以前よりも落ち着きと一体感が高まっており、ドライバーの意のままに刺激的な走りを体験できる」
――リチャード・レーン(ロードテスト副編集長)
豪華な4.0LツインターボV8エンジンを搭載したヴァンテージは、最高出力665psと最大トルク81.6kg-mを発生し、0-100km/hをわずか3.4秒で駆け抜ける。最高速度は325km/hに達する。
前後50:50の重量配分を誇り、これが極めてバランスの取れたドライビング体験を支えている。そのハンドリングはドライバーに自信を与えてくれるし、同時に遊び心のある一面も持っている。
風を髪に感じながら走りたい人や、あの豪快なV8エンジンをさらに間近に感じたい人向けには、オープンカーのロードスターバージョンもある。
気になる点は、いくらスポーツカーといえども、路面状態の悪い道路(英国ではほとんどの道路がそうだが)では乗り心地が不快に感じられることだ。また、当リストの中で群を抜いて高価なクルマでもある。
(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます。)
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みんなのコメント
718ボクスターも無くなってしまうし、それぞれEV化は進むし、人生後半に何を選べば良いか迷います。
元マツダの岡崎純さんを紹介していたのに、
何の説明もなくさっと別な外国人に摺り替えてその開発話を丸ごと変えてしまった時点で不信感大きいわ…( ;∀;)。