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バブルを知らない日本の若者が驚く北京モーターショーの熱気! いまの中国自動車市場はまさにバブル時代の日本のようだった

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バブルを知らない日本の若者が驚く北京モーターショーの熱気! いまの中国自動車市場はまさにバブル時代の日本のようだった

 この記事をまとめると

■最近の北京モーターショーはエレクトロニクスショーのようになっている

「やりすぎNISSAN」の「e-4ORCE」も真っ青! 90年代には「もっとやりすぎた日本車」が沢山あった

■中国の自動車市場はバブル期の日本のころのような雰囲気に包まれている

■バブル期を知る人が業界から減りつつあり世代交代が始まりつつある

 中国の自動車市場はまるでバブル期の日本

 先日、北京モーターショー(第19回北京国際汽車展覧会)の会場を取材のため訪れた。BEV(バッテリー電気自動車)や、電子プラットフォームなどの展示が目立ち、同じように会場を訪れていた日本人からは自動車ショーには違いないが、エレクトロニクスショー的色合いが目立つといった声も聞かれた。中国経済の不振に関する報道が目立ち、新車販売もNEV(新エネルギー車/新能源車)へのインセンティブ縮小などで苦戦を強いられていると報じられているのだが、会場内を見渡すとその割には活況を呈していたように見えた。

 そんな北京で若手メディア関係者(以下若手/日本人)と話をする機会があった。その席上で若手から中国の新車市場に関してどう思うか聞かれた。そこで中国メーカーのラインアップをみると、日本では新車販売が絶好調(頂点を迎えていた)だったバブル経済のころと、バブル経済が崩壊したあとの10年ぐらいの日本メーカーの熱気に似たものを感じていると答えると、「えっ、日本メーカーにもそのような時代があったのですか?」と真顔で聞かれて少々驚いてしまった。

 若手といえどもメディア人として活躍しているのだろうから、歴史的事実としてはバブル経済のころの日本国内だけではなく、世界市場での日本車の盛り上がりというものは認知していると思っていたが、筆者のようにリアルタイムでその事実を見ているわけではないので、肌感覚というものはないのも当然といえば当然か。しかし年の功ではないが、バブル経済のころに青春時代を迎えていたクルマが大好きな筆者は、当時の日本車が貪欲に新しいものにチャレンジして、実際に市販していた熱気を肌感覚でも覚えているので、中国の街なかやショー会場を訪れると、「自分が若いころの日本みたいだ」と、肌で感じることができるのである。

 筆者が初めて中国を訪れたのは2005年春のことであった。訪れた時期は、時の内閣総理大臣であった小泉純一郎氏が靖国神社を公式訪問したことへの抗議として、中国各地でいわゆる反日デモが発生した直後であった。しかも、そのデモを象徴するかのような総領事館への投石などが行われた上海であった。

 当時の上海市内は思っていた以上にすでにクルマが街に溢れていたのだが、その多くは欧米や日本などの外資系ブランド車両であった。中国系メーカーももちろん存在していたが、当時少なくとも上海では「恥ずかしくて乗りたくない(新車がいまよりはるかに高嶺の花だったので、富裕層しかクルマが買えないということもあった)」存在であった。当時母親に上海の街の様子を伝えると、「昭和30年代の日本みたい(筆者はまだ生まれていない)」と語ってくれたのを覚えている。

 それから20年ほどが経過した。上海や北京を走るのはBEVを中心とした中国系メーカー車ばかりとなり、外資系ブランド車は嗜好性の高い乗り物のようになっている状況は、市場規模こそまったく異なるものの、今の日本における日本車と輸入車の関係に似ているように感じる。いまでは、2005年当時は乗るのが恥ずかしかった中国系ブランド車も、好んで選ばれているように見える。もちろん20年の間で中国車の性能や質感はめざましく向上した。さらにBEVでは世界をリードする存在にもなっている。

 自動車業界は世代交代が始まりつつある

 日系ブランド車への評価は中国では今もなお高いのだが、その背景には、「壊れにくい」とか「燃費性能がいい」など、実用性に対する信頼の高さがあると感じている。腰を据えて開発し、たしかな商品を世に送り出すのは、自動車に限らず日本製品の特徴のひとつである。もちろん中国車もそこは追求しているのだが、「腰(フットワーク)の軽さ」という、日本車にはない側面は注目に値するものとなっている。

 BEVなどのNEVがメインとなる中国車では、制御プログラムのアップデートを頻繁に行ったり、短時間に進化させていくのである。さらに新しいトピックもすぐに採り入れ、自分たちなりに解釈して採用する。最近の好例では、デジタル計器盤(グラスコクピットメーター)があるだろう。これはそれまでアナログの針式だった計器盤に対し、全面に液晶パネルを採用することでデジタル表示にする(それまでのアナログメーターのようなものを疑似表示したりもできる)というものだ。

 そもそもこれは世界で初めて13代目トヨタ・クラウン ハイブリッドで採用されたものなのだが、その後は主に欧州高級ブランドモデルが積極採用して、広まるようになった。しかし中国系メーカーはいち早くこのトレンドをキャッチして、日本車がアナログメーターばかりのころから積極的に採用していった。

 センターディスプレイの大型化も進んでおり、中国系メーカーでは、家電の液晶テレビかと思うようなサイズ競争が過熱するなか、横長だけではなく、ディスプレイを回転させることで縦長にも任意にレイアウト変更できるモデルが、今もなお多数存在する。光り物が好きな国民性だけにイケるとの判断もあったのだろうが、あっという間に中国車では、デジタル計器盤がコンパクトモデルまで含めてデフォルトとなった。とにかくトレンドの変化(進化)がいまもなお早いのが中国車といっていいだろう。

 確実な線を狙い続け、それが世界で評価されてはいるものの、かつて世界をまさに席巻したころのパワーを維持しているとはいえない日本車に対し、残念ながら映えという面では、中国車が一歩先をいっているように見える。

 筆者は青春時代のころまでは、まさにクルマ以外でも広く日本製品に囲まれて育ってきた。しかし若い世代は家電やスマホなど身のまわりを海外ブランド製品に囲まれ、さらに安かろう悪かろうではなく、世界的にブランドとして確立した製品のなかで育ってきており、筆者の世代よりは、「ものづくり日本」というイメージが薄いのが事実だろう。

 筆者のようなオールド世代とZ世代のような若い世代とでは、同じ令和の時代に日本車を見ても、「見える風景はずいぶん違うんだな」と、若い世代のメディア人と話して感じた。少し前に「かつてのホンダ・プレリュードを知らない」と若い世代から聞いて腰を抜かすという、世代間ギャップを感じたことも思い出してしまった。

 日本車がもっとも輝いていたとされるのは、80年代後半から90年代あたりである。筆者の世代はバブル入社世代の最後ともいわれている。同世代は企業で定年退職の時期を迎え、あとは延長雇用でしばらく働くぐらいとなっている。つまりそろそろ日本の自動車メーカーでも、バブル経済を知らない世代があらゆる役職にてメインで活躍する時代がやってくる。

 まさに世代交代であり、そんな時代になってからの日本車は、輝きまくっていた時代を知らないからこその、新たな魅力を秘めたものになるのではないかと楽しみにしている。

文:WEB CARTOP 小林敦志
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