■もはや子どものオモチャの域を超えた!
今回VAGUEでは、子供へのプレゼントとするにはあまりにも高価な、2台のチルドレンカーを紹介することにしよう。
700万円オーバーのキッズカー誕生!! ブガッティ製キッズカーは最高速度もハンパない!
チルドレンカーとは、その名前が物語るように、そもそもは子供が自宅の庭や公園で乗って遊ぶことができるように製作されたもので、そのなかの多くは著名なロードカーやレーシングカーをベースにスケールダウンしたものである。
さらに電気モーターや小型のガソリンエンジンを搭載し、実際の走行を可能にしたものも存在する。いわゆるペダルカーをさらに進化させた高性能で高額な玩具である。
このチルドレンカーに目を付けたのは、子供にプレゼントしようという大人ばかりではなかった。
ハイクオリティのチルドレンカーは、あたかもビッグスケールの動くミニチュアカーを購入するかの如く、カーマニアの心を強く刺激し、すでに購入することのできない少数生産車やクラッシックモデルのペダルカーには、とくに人気が集中した。その事情は現在も変わることはない。
まず紹介するのは、ブガッティのレプリカモデルの製作でもマニアにはお馴染みの、フランスのデ・ラ・シャプル社が製作したフェラーリ「330P2ジュニア」だ。
●フェラーリ「330 P2ジュニア」
デ・ラ・シャプル社は、1907年に創立された老舗自動車メーカーで、1930年代にはブガッティ「タイプ55」のレプリカモデルの実にクオリティの高いレプリカモデルを製作したことで、その名を知られるようになった。
第二次世界大戦を終えてもなお、デ・ラ・シャプルはブガッティ・タイプ55のレプリカを生産し続けるが、1980年代の後半を迎えると、正式にそれにブガッティのエンブレムを掲げる許可を得る。
つまり彼らは、正式に現代においてブガッティ・タイプ55を作る自動車メーカーになることに成功したのだった。参考までにこの時に使用していたエンジンはBMW製。こちらも正式な使用許可済みだ。
そのデ・ラ・シャプルが製作した330P2だが、その名前の由来に関しては、フェラーリのレース・ヒストリーに詳しい人には多くの解説は必要ないだろう。
「P」は、「プロトティーポ(プロトタイプ)」を意味しており、1965年のP=プロトタイプレース用に、それまでの「275/330P」を改良して誕生した「275/330P2」である。
セブリング12時間やモンツァ1000km、タルガフローリオを制するなど、ル・マン24時間こそ優勝を逃したものの、その戦績は素晴らしいものだった。
ちなみに、275P2が3.3リッターV型12気筒エンジン、330P2が4リッターV型12気筒エンジンを搭載していた。
■中古フェラーリなら実車も買える驚愕のお値段!
330P2ジュニアは、まさしく実車のスケールダウン版と呼ぶに相応しいチルドレンカーだ。
リアに搭載されるエンジンは、2.5ps仕様のホンダ製で、1989年3月23日に完成し、スイスの会社に販売された記録が残っている。
コンディションは内外装、そして機関ともに新車時に近い状態だ。オークションでもこのモデルには人気が集まり、結果的に落札価格は3万3600ドル(邦貨換算約350万円)に落ち着いている。
●フェラーリ「180テスタロッサ・チルドンカー」
さらに驚くべき落札価格を記録したのは、モデナ・フェラーリナ・イタリアがプロデュースした「250テスタロッサ」のチルドレンカーだ。
数多くの魅力的な戦績をフェラーリに捧げた250テスタロッサだが、そのなかでも特別なシーズンをあげるとするならば、1958年シーズンということになるのではないだろうか。
ル・マン24時間レースで総合優勝を飾ったことは、その多くの栄光の一例にすぎない。
モデナ・フェラーリナ・イタリアによって、それからほぼ同時期に製作された250テスタロッサのスケールダウン版である「180テスタロッサ・チルドレンカー」は、ベース車のキャラクターと美貌のすべてを受け継いでおり、ハンドメイドのスチールボディは、子供がドライブするには十分に軽量である。
パワーユニットは0.3ps=180Wの12V電気モーター。当時このモデルは25台が生産され、ニューヨークのフェラーリ・ディーラー、ルイジ・キネッティ・モータースに、その全車が納入された。つまり、正規ディーラーで販売されているため、チルドレンカーといえどもその出自はお墨付きなのである。
現存しているモデルはわずかに6台とされ、その希少価値もオークションでは大きく影響した。
落札価格は、9万ドル(邦貨換算約940万円)。チルドレンカーとしては驚くべき高価格での落札となった。
ちなみに、実車の250テスタロッサがオークションに登場することはめったにないが、2009年にRMサザビーズで落札されたときは、902万ドル(邦貨換算約9億200万円)という、当時驚愕のプライスであった。実車の価値とヒストリーのあるチルドレンカーの価値は比例しているのかもしれない。
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みんなのコメント
まぁお安いものでしょ!
ちんどん屋の車みたいだな。