あえてエアロは装着せず車高調で純正ボディの美しさを引き出す
「カスタムは20年ほどやっているが、すべて自分で行っている」。そう語るオーナーが現在の愛車として選んだのがトヨタ60系「プリウス」だ。エアロパーツを追加して迫力を出すのではなく、低く長い純正デザインを最大限に活かしながら、足まわりだけでどこまでカッコよく見せられるかを追求した、低く伸びやかなスタイリングを紹介する。
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エアロを非装着で60系「プリウス」本来の丸みを活かす
60系「プリウス」の特徴でもある、丸みを帯びたボディライン。オーナーの“まんたろう”サンは、そのデザインを崩したくないという理由から、あえてエアロパーツを装着していない。
「60型は丸みがあるので、エアロを付けると角張ってしまうことがあります。あえてこの丸みを活かしたいと思って、鉄板のフェンダーのプレスラインなどもそのまま活かしています」
だからこそ、このクルマで重要になるのが車高とホイールだ。ボディに手を加えすぎず、足元を低く構えることで、「プリウス」のボディをより長く、そしてワイドに見せている。シンプルなスタイルだからこそ、車高やホイールの収まり具合が完成度を大きく左右する。
19インチホイールのコンケイブを限界まで外へ出す
ホイールに選んだのは、バックレーベルジーストBST2の19インチだ。フロント、リアともに9Jで、タイヤはフロントに205/35、リアに215/35サイズを組み合わせている。最大のこだわりは、5本スポークのコンケイブ(中心に向かって落ち込むすり鉢状のデザイン)だ。
「本当はディープコンケイブを履きたかったのですが、今回はミドルで。頑張ってミドルコンケイブを履かせました。この5本スポークの逆反り具合が、自分の中ではたまらないポイントです」
そして、そのホイールをただ装着するだけでは終わらない。はみ出さない限界までホイールを外側へ出し、ボディとのツラ(フェンダーとホイールの位置関係)を徹底的に煮詰めている。深いリムを持つホイールも魅力的だが、見る角度によってディスク面が見えにくくなることもある。その点、コンケイブホイールなら正面だけでなく、さまざまな角度からスポークの落ち込みを楽しめる。
「どこからでも格好良く見えるので、そこが気に入って選びました」
シンプルなボディだからこそ、ホイールの造形とツラが強烈なアクセントになっている。
低さだけを追求するのではなく乗り心地も重視する
足まわりにはRS-Rのブラック☆iを使用している。ただし、購入時のまま使っているわけではない。
「既製品の吊るしの状態だと柔らかすぎたので、バネレートを上げて硬くしています」
フロントのバネレートを8kgf/mmから10kgf/mmへ、リアは7kgf/mmから8kgf/mmへ変更。もともとフロントに使用していたバネをリアへ流用し、新たにフロント用として10kgf/mmのバネを用意するなど、自身でセッティングを煮詰めている。単純に「硬ければいい」という考えではないのもポイントだ。
「この仕様、乗り心地が本当に良いんです。よく『硬そうですね』と言われるのですが、ノーマルより少し硬くなったかなという程度で、不快感は全くありません」
高速道路やワインディングも楽しめるよう、適度な剛性感と乗り心地を両立させている。低車高を実現しながら、走る楽しさも犠牲にしていない。
「低く走っている姿」がカッコいいから車高調を選択
ここまで車高を落とすなら、エアサス(エアサスペンション)という選択肢もある。しかし、“まんたろう”サンはあえて車高調にこだわる。
「低く走っている姿がかっこいいんです」
以前にはスズキ「ワゴンR」でエアサスを使用していた経験もあり、エアサスならではのメンテナンスや遠出先でのトラブルに対する不安も理解している。だからこそ、走るときも低い状態を維持できる車高調を選択した。自分でセッティングを煮詰め、その車高のまま乗りこなすことにこだわっている。
「エアサスとは違い、この車高でアライメントが決まれば無敵なんで、やっぱり車高調がいいんですよ」
低さを見せるだけではなく、低い状態で走り続けられる仕様を作る。そこに、20年にわたって自分自身でカスタムを続けてきた、“まんたろう”サンならではのスタンスが表れている。
フェンダーは同色化してボディをすっきりと見せる
エクステリアでは、フェンダーの樹脂部分をボディ同色に変更している。グラージオの塗装済みパーツを使用し、ブラックの樹脂部分をなくすことで、ボディ全体をよりスムーズにつなげている。一方、純正パーツは「いつでも黒に戻せるように」と保管。将来的な仕様変更も視野に入れた、DIYカスタムならではの細かな配慮だ。
足まわりでは、フロントにキャンバーブロックとトーコントロールアーム、リアにはシルクロード製キャンバーアームとトーコントロールアームを投入した。19インチホイールを極限まで低く、そして美しく収めるためのセットアップが施されている。
すでに完成度の高いスタイルだが、“まんたろう”サンにとってカスタムに終わりはないという。「車の色を変えたいですね。ラッピングかオールペンか。白や黒の車体が多いので、人と同じなのが嫌いな性格もあり、もう少し目立つ色にしたいという構想はあります」。エアロを装着せず、純正ボディの美しさを活かしながら、車高とツラで個性を引き出した60系「プリウス」。シンプルだからこそ細部までこだわり抜く独自のスタンスで、次なる仕様変更に向けてカスタムが続けられていく。
■ トヨタ「プリウス」スペック一覧 ・ベース車両:60系プリウス ・オーナー:“まんたろう”サン ・エクステリア:フェンダー同色ペイント、ドアミラーウインカー(シーケンシャル) ・足まわり:RS-R ブラック☆i ・ホイール:バックレーベルジーストBST2(F/R 19×9 インセット36) ・タイヤ:ルッチーニ・ヴォーノスポーツ(F 205/35、R 215/35) ・チューニング:(フロント)ロールセンターアダプター/トーコントロールアーム、(リア)シルクロード製キャンバーアーム/トーコントロールアーム
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