2月22日、三重県の鈴鹿サーキットで2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権公式合同テストの2日目の走行が行われた。午前のセッション3で路面はセミウエットからドライへ変化し、午後のセッション4は終始ドライでの走行となった。
ここでは全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、2日目の走行を終えたドライバーたちの声を2回に分けてお届けする(前編はこちら)。
「話にならない状況」「練習時間が足りない」「優勝も見えてくる」【SF Mix Voices 鈴鹿合同テスト2日目前編】
■岩佐歩夢(TEAM MUGEN) 午前3番手/午後18番手
雨の初日は総合3番手、ルーキー勢トップと好調な滑り出しとなった岩佐。迎えた2日目は、ドライアップしていった午前のセッション3では終盤のアタックで1分37秒791をマークし牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)というホンダ勢の先輩ふたりに次ぐ3番手につけた。
午後のセッション4では、序盤に記録したタイムで18番手。以降はロングランをこなしていたが、マシントラブルのためセッション終盤は走れなかったという。
このため「やりたかったメニューが、一部できませんでした」と岩佐。「ただ、そのトラブルを開幕戦より前に出すことができたのは、ある意味ポジティブなんじゃないかと思います」という。
「基本的に2日間通して、良いテストだったと思います。自分たちのポジティブな面も、改善点も見られたので」と岩佐はテストを総括した。
セッション4終盤のアタック合戦を外から見ていた岩佐。上位勢はそこでも1分36秒台中盤のタイムを刻んでいたが、もし自らも走行できていたら、午前中と同じく上位に食い込める手応えはあったのだろうか。
「自分が午前中にタイムを出したコンディションとは異なるので、正直分からないですね。そこはもう、開幕戦を迎えるまでは分からないと思います」
■小林可夢偉(Kids com Team KCMG) 午前17番手/午後10番手
セッション3、次第に路面が乾いていくなか、開始1時間ほどの時点でスリックタイヤを装着してコースインした可夢偉。しかし、ほどなくして最終コーナーでスピンを喫してしまう。タイヤを作動させづらい低温、そしてウエットパッチも残る難コンディションだった。
「ニュータイヤで出て行って、フラットスポットができてしまいました」と可夢偉。
砂利の排除などマシンの清掃に時間を要し、残り10分を切って確認走行を行うことになったため、新たなタイヤは投入せず、フラットスポットのあるタイヤのままコースイン、それでもこのセッションの自己ベストタイムを残した。
「(ヨコハマには)『安全に走る分には、大丈夫です。ちょっとブルブル(と振動は)するでしょうけど』と言われたので、『じゃあ、ブルブルしに行ってきます』って(笑)。残り8分とかでニュータイヤ入れて、温めきれずにまたスピンしたら、2セット目も壊してしまう。だからとりあえず走って、(ドライでの)クルマの第1フィーリングだけつかんでおこうかな、くらいの感じでした」
とはいえセッション3終了時点ではドライでの走行も限られたものになったため、マシンのフィーリングについては「まだ、あまり言えることはないかな」と可夢偉。KCMGといえば2023年12月のテストで好調ぶりをアピールしていたが、このときにはいわゆる“グレーゾーン”だったダンパーのサードエレメント周りのパーツの使用がその後使用禁止となったことから、今回のテストでは12月とは異なる状態で走行していたようだ。
ただし、その部分の違いよりも「なんせエンジニアが変わったので、そんなに甘くなくて。コンセプトが全然違うから、あのフィーリングは求めても無理だと思う」と可夢偉。既報のとおり、今季から可夢偉のトラックエンジニアには田坂泰啓氏が加わっており、可夢偉いわく「勘ピューター系」である田坂氏と完璧なコンビネーション確立には、まだもう少し時間がかかりそうな雰囲気だ。
なお、可夢偉のミックスゾーン対応は、昼のインターバルに行われた。「今夜の飛行機で(WECのために)カタールに行かなきゃいけないので、なんだったら(午後の)セッション終わる前に帰りたいくらいの感じなんですよ」とのことで、走行終了後の取材はかなわなかったが、セッション4では10番手へと順位を上げてテストを終えている。
■国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 午前13番手/午後9番手
今シーズンはITOCHU ENEX TEAM IMPULに移籍して戦う国本。セッション4で1分37秒128を記録し9番手につけた。
「昨年12月のテストではけっこう苦戦しましたけど、今日のドライでは午後に向けたセット変更が良い方向に行って、『こういうクルマを作っていけば速く走れるのかな』というのが見えてきました。そこはすごくポジティブだし、嬉しい発見がいくつかあって、良かったかなと思います」とテストを振り返った国本。
チームメイトのテオ・プルシェールをはじめタイムリザルトではライバルの先行を許したが、「結果的に9番手でもう少し上にいきたかったですけど、最後はタイムを上げて終えることができたし、最後に(クルマが)まとまった状態でOTSを使えていれば、結果はもっと上だったと思います。なので、結果以上に手応えのあるテストだったかなと思います」と前向きに捉えていた。
何より印象的なのが、テストでの感触について語る国本の表情で、昨年までとは異なる自信が溢れ出ている様子。実際に本人も手応えを感じているようで「KCMGでやってきた経験も活かしつつ、今までのインパルでやってきたものをすり合わせながらやる感じです。エンジニアともしっかりコミュニケーションがとれたし、方向性も見えてきたので、そこを積み重ねていければ、シーズンを戦えるのではないかなと思います」と力強くコメントしていた。
とはいえ、今年も上位争いは僅差の戦いが予想されるが、そのなかで国本は「もちろん優勝を目指していきます。鈴鹿は得意だし、非常に好きなサーキットなので、絶対に今年は優勝したいという強い気持ちをもって戦おうと決めています。しっかりと準備をしてできる限りのことをやって、ベストを尽くしたいです」と、例年以上に気合いが入っている様子だった。
■テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 午前9番手/午後6番手
昨年のF2チャンピオンであるプルシェール。テスト1日目は初めてスーパーフォーミュラで経験するウエットコンディションに苦戦していたが、2日目のドライコンディションでは上位に食い込む走りを披露。セッション3で1分38秒215で9番手、セッション4では1分36秒818で6番手につけた。
「午前はドライタイヤで走るには滑りやすいけど、ウエットタイヤを履くには乾きすぎている微妙なコンディションで、待つしかないという状態が続いた。だけど、ドライコンディションでは昨年末のテストからパフォーマンスを見せられていたし、今回も改善しなければいけない部分はあるけど、速さはそれなりにみせられたと思う」とプルシェール。
昨年末のテストではコース攻略が一番の課題と話していたが、そこについても理解が進んでいる様子で「鈴鹿のコースはだいぶ慣れた」と自信をみせていた。
「ウエットに関しては1日しか走れないから、もっと良くしなければいけないところはあるけれど、ドライに関してはどのラインを走って、ブレーキングポイントやターンインするポイントなど、鈴鹿のコース細部を覚えることができたから開幕戦に向けては自信を持てる部分だ」
2週間後の開幕に向けてプルシェールは、ウエットコンディションで課題が残っていることもあってか「正直『準備は完璧だよ!』と言える状態ではないけど、自信は持っている。僕はF2のチャンピオンだし、常に上位でフィニッシュしてきた。準備が充分にできていないということが分かっているだけでも大きなことだと思う」と慎重な様子ではあるものの、「開幕戦での具体的な目標(順位など)を言うのは難しいことだけど、まずは開幕戦で僕たちのポジションがどこにいるのかを見極めることも重要だ。もちろんドライバーとしては優勝が最大の目標だけど、一番重要なのはルーキーとして最大限のパフォーマンスを発揮することだ」と最後は力強く話していた。
■木村偉織(San-Ei Gen with B-Max) 午前15番手/午後11番手
昨年スーパーフォーミュラ・ライツのシリーズチャンピオンを獲得し、今年はSan-Ei Gen with B-Maxからスーパーフォーミュラデビューを果たす木村。2日目のセッションは午前が1分38秒828で15番手、午後は1分37秒170を記録し11番手タイムとなった。
昨年12月の合同/ルーキーテストを含め、合計5日間にわたって走り込んだ木村は「昨年のルーキーテストを含め、合計5日間はポジティブなテストだったと思います。チームも昨年の結果を受け止めて『今年はもっと良くするぞ!』と一致団結して動いているので、すごく雰囲気も良いです」という。
「もちろんトップに足りない部分もありますけど、そこに近づいていくというプロセスを、しっかりと一歩ずつ組み立てられているので、その階段を踏み外さずにここまで来れているのは良いなと思っています」と開幕に向けた準備は着実に進んでいる様子。今回のテストではウエットコンディションも経験できるなど、彼にとっては収穫の多いテストとなったようだ。
しかしトップとはややギャップがある状況で、セッション4では0.8秒の差がついている。現状の課題について「一発のアタックで、タイヤのグリップをどう発揮し切れるかだと思います」と木村。
「自分のなかでも精一杯走っていますけど、そのさらに先にグリップがあると思います。そこをどう引き出すかですし、決勝でのロングランに関してもスーパーフォーミュラ特有のオーバーテイクシステムも未経験なので、そこをどう戦略的に使っていくかという部分が未知数。今後それらが課題として出てくるポイントなのかなと思っています」と、冷静に自身の現状を分析する木村は、2週間後に迫る開幕戦に向け「楽しみですね。早くレースがしたいです!」と笑顔を見せていた。
■ラウル・ハイマン(TGM Grand Prix) 午前8番手/午後17番手
2024年のレギュラーシート獲得をかけて公式テストに参加したハイマン。1日目は午後にギヤボックストラブルが発生し、貴重な走行時間を失ってしまった。気を取り直して臨んだ2日目は雨上がりの路面に強風の影響もあり、午前のセッションでは最終コーナーでコースオフを喫した。
それでも同セッションの終盤ではセクター2で全体ベストタイムを記録し、1分38秒193をマーク。午後のセッションでもコースオフするシーンがあったが、最後まで果敢に攻めて1分37秒507を記録し17番手となった。順位だけを見ると下位にいる印象だが、トップとのタイム差が1.180秒ということを考えると決して悪い内容ではないと言えるだろう。
「午前中は8番手のタイムを記録したけど、トラフィックの影響で0.4秒ロスした。昨年までとは(クルマの)感覚がまったく異なって、そこまでプッシュしていないにも関わらずタイムが上がっていくなと感じた」とハイマン。
午後のセッションに関しても収穫はたくさんあったようで「いろいろなテストを行ったなかで、新たな発見もあった。最後のアタックではセットアップを変更したことで少しダウンフォースが減ったこともあってパフォーマンスが足りなかったかなと思う。たくさんのことを学べた1日だったし、すべてがうまくいっていればトップから0.5秒あたりにいられるということが分かった」と、ドライコンディションで見せられたパフォーマンスに自信を持っているようだ。
注目のレギュラーシートについては、このテスト内容と結果を受けて最終的に決まるとのこと。参戦するにあたってのさまざまな条件を満たすことができるかなど、ここから細かな詰めの協議が行われる模様だ。
「これは僕だけで決められる話ではないけど、僕自身の思いとしてはここでレースをしたい。午後のセッションでは結果を残すことができなかったけど、午前の結果は良かったし、僕の力強い走りを見せることができたと持っている。正直『100%いける!』という保証は現時点でないけど、ベストを尽くすよ」
TGM GrandPrixの池田和広代表も「開幕まで時間もないので、この2~3日以内に決めないといけない。詳細が決まったらプレスリリースで正式にお伝えします」とコメント。最終的にどういう結論に達するのか、注目の数日間となりそうだ。
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みんなのコメント
こんなおっさん運転手達のどーでもいい記事はいらないんじゃ
レースはいくらでも八百長できるんだからJujuちゃんに勝たせろー