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“2代目にして究極のタイプR” 世界でわずか140台のホンダ「NSX-R」がオークション登場 落札価格は新車時の約11倍!?

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“2代目にして究極のタイプR” 世界でわずか140台のホンダ「NSX-R」がオークション登場 落札価格は新車時の約11倍!?

“タイプRの最高傑作”がオークションの舞台に

 ホンダ「NSX-R」は、走りにすべてを注いだ“純血のタイプR”。その最終進化型である後期モデルが、2025年5月24日から25日にかけてイタリアで開催された「第1回ブロード・アロー・コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ・オークション」に登場しました。

【画像】「えっ…!」1億3000万円超え!? これがオークションに出品された2003年式のホンダ「NSX-R」です(55枚)

 出品されたのは2003年式の「NSX-R」。2002年に登場した後期モデルで、NA2型NSXをベースに開発されたこのクルマは、ホンダの“タイプR哲学”を集大成したような1台です。生産台数はわずか140台。しかも日本市場専用モデルだったため、欧州の公的オークションに出品されるのは極めて珍しい出来事でした。

 リアミッドに搭載される「C32B型」エンジンは、最高出力280馬力・最大トルク304Nmを発生する3.2リッターの自然吸気V6。可変バルブタイミング機構“VTEC”と6速MTの組み合わせにより、リニアで高回転まで気持ちよく伸びるフィーリングを実現しています。

 また、モータージャーナリスト・黒沢元治さん(通称:ガンさん)がドイツ・ニュルブルクリンクでタイムアタックをおこない、当時のフェラーリ「360チャレンジストラダーレ」と並ぶ7分56秒を記録。NSX-Rのトータルバランスの高さが、世界で再評価されるきっかけにもなりました。

 車両重量はベース車比で10kg軽く、1270kg。量産車初の中空カーボンリアウイングやディフューザーなど空力パーツを多数採用し、ストリートカーながら確かなダウンフォースを実現しています。

 そして今回の個体は、走行距離わずか1万5806キロ。スウェーデンのコレクターにより大切に保管され、過去には欧州のコンクール・デレガンスで受賞歴もある“極上の1台”でした。

希少性・保存状態・歴史的価値が評価された1台

 海外市場ではほとんど姿を見せないNSX-Rですが、今回の個体が注目を集めたのには確かな理由があります。

 NA2型NSX-Rは、ホンダの「タイプR」シリーズの中でも“頂点”と称される存在です。軽量化や高剛性化だけでなく、空力性能、足まわり、内装の質感に至るまで、妥協なき設計が徹底されました。日本国外では流通がほとんどないうえに、今回の個体のように低走行・高コンディションとなると、世界的に見ても非常に希少です。

 このNSX-Rは、2016年にスウェーデンへと渡り、ヘッドライトの欧州仕様化や定期的な整備を経て、欧州の厳格な基準をクリア。しかも2023年には「フオーリ・コンコルソ」、2024年には「コスタ・デル・ソル・コンクール・デレガンス」で“Future Classic”賞を獲得するなど、専門家からの評価も極めて高いものでした。

 今回の出品は、「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」公式のクラシックカーオークションとして初開催されたイベントの中でも、大きな話題を呼びました。フェラーリやアストンマーティンといった欧州の名車が並ぶ中で、唯一の国産車としてNSX-Rが注目を集めたことも印象的です。

※ ※ ※

 この2003年式ホンダNSX-Rは、82万5000ユーロ(日本円で約1億3408万円)で落札されました。

 なお、NSX-Rの新車時の消費税込みの車両価格は1195万7000円でした。モデルの希少性や保存状態の良さ、そして歴史的な背景を兼ね備えたこのNSX-Rは、クラシックスポーツカーとしての価値が改めて認められた1台といえるでしょう。

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みんなのコメント

32件
  • てっさん
    こんな車を一千万で出していた、日本のメーカーの黄金期でしたね
  • ref
    今から約15年前、2.000キロの極上車を1200万円で買取査定しました、
    金額は折り合いがついたのですが、まだ売りたくないな~と破断に。

    20台程度を所有するコレクターだったので、今でも所有されてるかなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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