海外と比べると本格的な国産高級車は少ない
日本の高級車というと、思い浮かぶのはレクサスLSだろうか。ドイツのメルセデス・ベンツSクラスや、英国のジャガーXJなどと競合する車種といえるだろう。
優雅に「見せてるだけ」で意外と面倒くさい! 超高級車乗りの知られざる「苦労」とは
しかし英国のロールス・ロイスなどに匹敵する車種というと、難しい。しいていえば、トヨタ・センチュリーだろうか。かつて、日産にプレジデントがあったが、現在の最上級車種はシーマだ。しかしシーマは、海外でインフィニティとして販売され、トヨタでいえばレクサスLSの競合になるのだろう。また、三菱自へディグニティとして供給された。
プレジデントは、センチュリーより先に誕生している。1965年の初代は、国産車最大であり、全長は5mを超えた。全幅は、1.8m弱だ。エンジンは、排気量4リッターのV型8気筒である。
センチュリーは2年後の1967年に登場する。これは、豊田佐吉の誕生から100年という節目であり、車名に世紀という意味のセンチュリーが用いられた。やはり車体全長は5mを超えたが、後席部分を延長したリムジンでは最長5.77mに達した。エンジン排気量は4リッターのV型8気筒である。
プレジデントが、初代から90年、2003年とモデルチェンジをしたのに対し、センチュリーの初代は97年まで30年もモデルチェンジをせず、改良でしのいだ。そこから20年を経て、2017年に3代目へとモデルチェンジする。この間、2010年にプレジデントは4代目で終了している。3代目はインフィニティQ45と、4代目はシーマと共通だったが、センチュリーが国内専用であるのに対しプレジデントは海外へも販路を広げ、それが逆に他の上級車種との共用を余儀なくされ、差別化が難しくなったといえるかもしれない。
高級車を作り上げる匠の技を失ってはいけない
センチュリーは、国内専用の高級車として生き残るため、モデルチェンジの機会を抑えながら、改良で存続し得たといえそうだ。それは単に投資を抑えたというだけでない、トヨタの狙いがあったのではないか。
トヨタは、ほかの量産市販車では生産の効率化を進め、さらに匠の技のデータ化などにも取り組み、高度な生産技術の構築により、品質と原価低減の両立を模索してきた。しかし、センチュリーの製造においては、一台一台を手作りし、組み立て作業では4人の職人がすべての作業を行うことで生産し続けた。
量産車での匠の技のデータ化をするにしても、そもそもの人の手による技が途絶えてしまったら先はない。また、初代トヨペット・クラウンの開発においても、国産の自社技術のみで製造することを志したように、トヨタは手もとに技術を残すことへのこだわりが、いまなお強いのではないか。
ものづくりの伝統を継承する使命も、センチュリーには託されていると見ることができる。それであれば、途絶えさせるわけにはいかない。その意味で、センチュリーの存在は、単に世界の名車と伍す高級車というだけでなく、優れた自動車技術伝承の象徴といえるのではないか。
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みんなのコメント
センチュリーの風格は出せない。
日本の高級車としてセンチュリーは残っ
て欲しい。