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ハミルトン、“純粋な速さ”のみでフェルスタッペンと雌雄を決することを望む「接触をこれまで以上に警戒している」

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ハミルトン、“純粋な速さ”のみでフェルスタッペンと雌雄を決することを望む「接触をこれまで以上に警戒している」

 ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、今シーズンライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と、時には接触をしつつも激しいタイトル争いを繰り広げている。残り2戦を前にどちらにもタイトル獲得の可能性が開けている中、7度のF1世界チャンピオンであるハミルトンは、8度目の戴冠という目標を達成することと同様に、どのようにして勝つかが重要であると指摘している。

 motorsport.comを含め複数のメディアを前に行なわれたインタビューの中で、ハミルトンはこれまでの多くの偉大なF1ドライバーには無かった「クリーンさを保つこと」をとても大切にしていることだと語った。

■熾烈なF1タイトル争い、決着はどんな形に? ハミルトン「”セナプロ”のような接触は望んでいない」

「僕の父がそう育ててくれたんだ」とハミルトンは言う。

「サーキットで話す時は常にそうしていろと彼は言っていた」

「僕は子供の頃、学校だけじゃなくてサーキットでもイジメを受けていた。僕らは故障とかクラッシュではなく、正攻法で彼らを打ち負かしたかった」

「そうすれば、僕が優れていることを誰も否定できないからね。もし接触が多ければ、『(成功していても)ああいうことがあっただろ。彼が持っている“戦術”のひとつだ』って言う人も出てくる」

「速さ、そして弛まぬ努力と意志を通じて、僕は一番純粋なドライバーになりたいと思っているんだ。そうすれば、最終的には僕が成し遂げてきたことを誰も否定することはできない」

 ハミルトンがクリーンな走りを心がけるのは、恐れずに限界まで攻めるアグレッシブなフェルスタッペンとのバトルが背景にあるからだ。

 ふたりはイギリスGPとイタリアGPで接触。サンパウロGPでは、フェルスタッペンが首位を守るべくハミルトンをコース外に追いやったのではないかと物議を醸した。

 フェルスタッペンのように激しくプレッシャーをかけてくるドライバーとのバトルについて尋ねられたハミルトンはこう答えた。

「すごく、すごく警戒する必要がある。これまで以上に注意していかなきゃならない」

「疑いの余地を与えるよりも、どうなるかを理解している必要がある。たとえワイドに走っても、絶対に接触を避けるという準備はしておくべきだ。結局のところ、レースは完走したいモノだろう?」

「意地になって踏ん張れば、クラッシュするのは当たり前だ。だから僕はそうしてきた。クラッシュを避けるようにしてきたんだ」

「ほとんどの状況で、僕はかなり上手にそれができていると思う。完璧にはいかないが、レースを共にするドライバーの中には、アグレッシブだったり異なる方法で振る舞ったりする人もいる」

「でも、こういうタイプのドライバーは彼(フェルスタッペン)だけじゃないよ。僕はこれまで多くのドライバーとレースをしてきたけど、みんな振る舞い方は全く違うんだ。それが面白くもある。僕はベテランの域に入っているけど、彼らの特徴やバックグラウンド、生い立ちを少しずつ調べているんだ」

「良くも悪くも、育った環境がどのような行動をとるのかを決めるんだと思う。だから、僕はそれらを把握して、一緒にレースをしている人の性格をより理解するようにしている」

 エミリア・ロマーニャGPとスペインGPでは、ハミルトンはフェルスタッペンとの接触を避けるべくオープニングラップのターン1でコースを外れ、首位を諦めることを選択していた。

 しかし、彼はバトルで引くことが弱さの表れであることとは考えていない。また反対に、イギリスGPでフェルスタッペンを弾き飛ばす形となった接触が「自分が簡単に抜けるドライバーではない」と主張するために引き起こしたワケではないと語っている。

「アウト側に並んでいるときは、レースを完走するためにはほとんどの場合、引くことが賢明な選択だ」とハミルトンは説明する。

「イン側につけているなら、自分が正しいと主張できるシナリオは存在する。その場合ほとんど、僕はホイール・トゥ・ホイールでマシンを走らせている」

「シルバーストンを例に挙げると、映像を見てみると僕のフロントタイヤと彼のフロントタイヤが横並びになっていた。僕のフロントタイヤが彼のリヤタイヤの隣にあったワケじゃない。(サンパウロGPのフェルスタッペンのように)僕がアクセルを踏み込んだままコースオフしてポジションを守ろうとしていたら、どういうシナリオになっていただろうか? 彼らはルールを読み込んだんだろうか?」

「でもやり返すために身を引けるほど、僕は偉大でもすごいワケでもない。時にはそういうことも必要だが、スマートでいなきゃいけない」

「確かにそうなると冷静さを欠くこともあるが、これは僕だけの問題じゃない。僕は2000人ものスタッフに支えられていて、『いや僕は一歩も譲らない』という身勝手な判断でリタイヤすれば、チーム全員の年末ボーナス、献身やマシンを台無しにしてしまう。僕はそういういうことも意識しているんだ」

 また、サーキットの安全基準が高い状態で育った若い世代のドライバーは、コースを外れてアスファルト舗装のランオフエリアに出ることに抵抗がないことで、アプローチに差異が生まれているとハミルトンは考えている。

「今のドライバーたち、つまり若いドライバーたちが育ってきたサーキットには、大きなランオフエリアがあるんだ」と彼は語る。

「僕が乗り始めた頃は、ほとんどのコースがそうした状態じゃなかった。より楽しかったけど、より危険だった。だから常に限界を超えないように運転する必要があったんだ」

「でも、彼らの世代は限界を大幅に超えて幅寄せしてもコースにそのまま戻ってくるから、時間をかける必要がある。そこではペナルティも少なくて済む。それが唯一の違いだ」

「でも彼らはとても意欲的だ。中産階級よりも裕福な家庭出身のドライバーが増えている。それは今に始まった話じゃないけど、ドライバーたちの経歴はかなり良くなっていると思うな」

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