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英国未販売の三菱「ランサーエボリューション ワゴン」がオークションに出品。気になるその結果は⁉

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英国未販売の三菱「ランサーエボリューション ワゴン」がオークションに出品。気になるその結果は⁉

ランエボIXの技術を投入した三菱最強のワゴン

2025年4月10日、イギリスの老舗オークションハウス「アイコニック・オークションネア」が主催するオンラインオークションにかつてWRC(世界ラリー選手権)で大躍進した三菱「ランサーエボリューション ワゴンGT(以下ランエボ)」が出品されました。今回は、日本専売モデルであり、総生産台数も2500台に満たないこの希少車をピックアップ。この稀有なハイパフォーマンスワゴンの来歴とオークションの結果を紹介します。

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WRCを制覇するために15年間で12度もバージョンアップ

ランエボワゴンのベースとなったランエボのセダンはWRC(世界ラリー選手権)を制覇するために開発されたホモロゲーションモデルです。その原点はランエボ以前にWRCに投入されていたギャランVR-4の基本コンポーネンツをひとまわり小さなランサーに移植したところから始まります。

軽量なボディに高出力で耐久性の高い名機4G63ツインカムターボエンジンを搭載することでパワーウエイトレシオを大幅に改善。動力性能と運動性能を飛躍的に引き上げました。

1992年のデビュー以降、群雄割拠のラリーシーンで優位性を計るため、毎年テコ入れが図られた進化モデルがリリースされてきました。エボIから始まった4G63搭載車(ランエボXは新世代の4B11型エンジンを搭載)は、2007年のエボIX MRの生産終了までの15年間で12度のバージョンアップが図られ、熟成を続けてきました。

電子制御を駆使した統合制御システムで曲がる4駆に進化

WRCでは1996年から1999年までドライバーズタイトル4連覇を果たし、1998年は悲願であったマニュファクチャラーズ(メーカー)タイトルも獲得。群雄割拠のラリーシーンにおいて1990年代後半はランエボが席巻しました。存在感を放ち、一時代を築きました。

特徴的なのはその4WDシステムで、5代目のランサーがベースのエボIからエボVIはシンプルなセンターデフ方式のフルタイム4WDでしたが、6代目ランサー(正式名はランサーセディア)がベースとなった2001年登場のエボVIIでは、ACD(アクティブ・センター・デフ)と呼ばれる電子制御駆動システムを投入。

最終型となるエボIX MRではデフだけでなく、ヨー(ロール姿勢)、ABSなどまでコンピュータで統合的に制御する三菱独自のオールホイールコントロールシステムへと発展しました。電子の力でスタビリティを高めながら、曲がる4WDへと変貌を遂げ、グラベルだけでなく、サーキットでもその性能を遺憾なく発揮。

とくに改造範囲無制限のタイムアタックシーンではハードなチューニングにも耐えうる強靭なエンジンと相まって国内外サーキットでレコードラップを記録。ポテンシャルの高さを見せつけました。

出品車両は2020年7月に英国に並行輸入された6速MT仕様

今回オークションに出品されたのは2005年モデルの「ランエボワゴンGT」。ベースとなったランサーセディアワゴンに三菱独自の可変吸気バルブ“MIVEC”を搭載した4G63Bエンジンと最終型となるエボIXのパワートレイン6速MTを組み合わせた唯一無二のモデルです。特筆すべき点はベース車両には設定のない280ps/40.0kg-mの強靭なパワーを受け止めるためにボディに徹底的な造り込みが施されていること。

幅広いタイヤを収めるためにブリスターフェンダーによりワイド化され、開口部が大きなワゴンボディのリアまわりは各部のスポット増しや各ピラーの結合部やストラットタワー部分への補強、リアクロスメンバーの追加などにより車体骨格を見直し。

見た目だけのモデルではなく、ランエボの名に相応しいツーリングパフォーマンスカーに仕上がっています。ミッションは日本国内では6速MT(GT)と5速AT(GT-A)が用意されましたが、競売に掛けられたのは6速MTのGTグレードです。

ちなみにランエボ自体は2003年に発表・発売されたエボVIII以降は欧米市場へ正規に輸出され、次世代三菱のイメージリーダーカーとして広く世界に周知されましたが、ワゴンについては日本専売モデルとして海外で発売されることはありませんでした。この個体は前オーナーが2020年7月にイギリスに並行輸入したもので、改造箇所はなく、ラインオフしたままの姿で維持されてきました。

セダンのエボは過去に1000万円を大きく超える価格で落札されたが…

出品車両は総走行距離5万7700マイル(約9万2859km)。距離は走ってありますが、クラッチ、タイミングベルトの交換などメンテナンス歴は残っています。エクステリアはリペイントされたてからセラミックコーティングが施され、非常に素晴らしいコンディションをキープ。タイヤも交換からわずか1000マイル(約1600km)程度しか走行しておらず、しばらくは基本的な整備のみで乗り続けられるはずです。

希少なアメジストブラックのエボワゴンですが、推定落札価格は2万2000ポンドから2万5000ポンド(約430万円~487万円)と想定されています。これまで取引されたオークションで幾多のセダン型ランエボが1000万円以上で取引された実績があることを鑑みると、今回のエボワゴンはかなり低め。これは走行距離の多さ、WRCのホモロゲーションモデルではないことが影響しているかもしれません。

割安と思える価格設定にもかかわらず入札は集まらず、残念ながら今回のオークションでは落札には至らず、次回に持ち越し。現在のJDM車両の人気高騰の影響もあり、今後は評価が高まりそうな1台だけに、今が買い時だったとなるかもしれません。

文:Auto Messe Web 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)
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みんなのコメント

4件
  • tak********
    ベースはランエボセダンだ。
    そこにセディアワゴンの補強したリアハッチを着けたクルマだ。
    いい加減な記事。
  • lan********
    いい車だったな、エボ9。俺はセダンだったけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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