外板パネルをカーボン化して200kgもの軽量化に成功
スポーツカーを愛する人にとって終着点のひとつとも言われているポルシェ。オートサロン会場に鎮座するその930ポルシェは911カレラベースながら、ターボを凌駕するほどワイド化されたフェンダーやチルトボンネット、ガルウイングドアなどにより大迫力のルックスを手にしていた。これだけ見るとただのドレスアップカーかとスルーしてしまいそうだが、そのじつ、圧倒的なポテンシャルを秘めたマシンだったのだ。
【今さら聞けない】ポルシェやスバルが採用する水平対向エンジンのメリットとは?
このポルシェを制作したのは滋賀県に店舗を構える「studio ALLICA(スタジオアリカ)」だ。代表の舟橋さんはもともとメーカーのコンセプトカーの製作にも携わっていたほどの車両制作のスペシャリスト。このポルシェに使われている外板パネルもひとつひとつ手作業で型取りをして作られている。
その外板パネルももともとの外板に重ねて貼られているわけではなく、従来のパネルをカットオフし、その上からカーボンパネルを貼っている。その結果、およそ200kgもの軽量化に成功しているのだ。
走りに必要な最低限の装備以外をすべて外してしまえば1トンを切ることも可能であるが、オーナーカーということもあり、あえてその部分は残してあるとのことだ。
エンジン本体はノーマルのまま(プーリーのみオリジナルのものを採用し、国産車用ベルトを使用できるようになっている)だが、これだけ軽いボディに組み合わされれば下手なハイパワー車をカモることもたやすいだろう。
助手席でパソコンが使えるほどの安定感
フロントに装着された3Dカナードもまた手作業で作られたもの。これによってRRレイアウトでフロント荷重が抜けがちなポルシェが驚くほど安定する走りを魅せるようになったそうだ。その安定感たるや、自走で滋賀から幕張メッセまで走ってくる最中、助手席でパソコン作業ができるほどだったとか。
ちなみに今回、オートサロンに出展するにあたって「ユウキテック」製のワンオフチタン溶接マフラーを装着。アピールするために出口にエナジードリンクの缶を装着したところ、ギャラリーの人たちはその部分ばかり注目して、美しい溶接部分に注目が行かなかったんだとか……。それではもったいなさすぎるので、ここで写真をご紹介したい。
今回、このポルシェを手掛けたstudio ALLICAでは、コンセプトカーのような世界に1台だけの車両制作も請け負っている。企画、デザインはもちろん、認証試験や公認車検まで全て同社で実施することができるというから、我こそはという人は問い合わせてみてはいかがだろうか?
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