アルミ製タブシャシーの可能性
執筆:Alastair Clements(アラステア・クレメンツ)
【画像】ロータス・エリーゼと派生モデル ヘネシーにラドフォード、ピニンファリーナも 全68枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
アルミニウム製の独立したタブシャシーを備えた、ロータス・エリーゼ。サーキット走行会を前提としたボディの剥ぎ取られた340Rや、ツー・イレブンにスポーツ・エリーゼなど、多くの派生バージョンが作られた。
さらにクーペボディのエキシージや、ラグジュアリーなヨーロッパSへ展開するなど、ロータスのモデル・ラインナップの拡大にもつながった。ストレッチしたシャシーにV8エンジンを搭載した、GT1ル・マンレーサーも誕生している。
このアルミ製タブシャシーの可能性へ注目したのは、ロータスの関係者だけではない。テスラ社の他にも、いくつかの自動車メーカーやカロッツエリアが、エリーゼをベースとした独自モデルを生み出している。今回は、その7車種をご紹介してみたいと思う。
ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター/1999年)
マーティン・スミス氏のデザインによるボディをまとい、1999年に発表された2シーター・スポーツ。ドイツのオペルから、スピードスターという名前で販売された。英国名はヴォグゾールVX220で、エリーゼの派生モデルとしては最も多く作られている。
当初は147psを発生する2.2Lのオペル・アストラ用ユニットを搭載し、5184台が製造されたが、2003年からは199psを発揮する2.0Lターボに変更。さらに941台がラインオフした。
ハンドリングは安全志向になり、快適性も高められていた点が特徴。エンジンはトルクが太く、より文化的な仕上がりとなっていた。一方で興奮度合いでは、エリーゼには及ばない。そんな声を知ってか、220psのVXRも60台限定で作られている。
オペル・エコ・スピードスター(2002年)
ボディを伸ばし、車高を低め、215kg軽量化させたスピードスター。通常のオペル・スピードスターと同じエリーゼ用のタブシャシーを採用するが、ガルウイング・ドアの付いた専用のカーボンファイバー製ボディを載せている。
発表は2002年のパリ・モーターショー。エンジンは1248ccのコモンレール・ディーゼルで、最高出力は113psとうたわれていた。
空力特性を磨いたフォルムはテールが伸ばされ、空気抵抗を示すCd値は0.20と驚くほど良い。ストリームライナーとして、当時のFIAワールドスピードレコードを樹立。最高速度は257km/hに届く一方で、燃費は40.0km/Lを達成している。
ヘネシー・ヴェノムGT(2012年)
エリーゼから派生したエキシージのシャシーをベースとし、1261psを発揮するツインターボの7.0L V8エンジンを搭載する、テキサス生まれのモンスター。ご存知の読者も多いだろう。
2014年、フロリダ州ケープカナベラル飛行場の滑走路をヴェノムGTは全開で走行。270.49mph、435.3km/hという最高速度を叩き出している。
しかし生産台数は29台に留まり、ギネスブックが記録認定に要求する30台には届いていない。わずか1台の差で、世界最高速の量産モデルという座は得られなかった。
リンスピード・スキューバ(2008年)
エリーゼの派生モデルのなかでも、1番突拍子のないクルマがこちら。映画007、私を愛したスパイに影響を受け考案されたクルマで、2008年のジュネーブ・モーターショーで発表された。
一見すると、エリーゼと大きく違わないスポーツカーだ。しかし小さな潜水艇として、水深10mまで水の中も進むことができた。
動力源は3基の電気モーターで、1基は地上用としてタイヤを、2基は水中用として2枚のスクリューを動かす。アスファルトの上では、最高速度120km/hで走行が可能。さらに水面に浮かぶボートとして6km/h、水面下では3km/hの速さで移動が可能だった。
ピニンファリーナ・エンジョイ(2003年)
エリーゼのシャシーに、137psのKシリーズエンジンを搭載したロードスターとして、2003年に発表。滑らかなボディをまとうが、フェンダーは取り外しが可能で、オープンホイールのサーキットマシンに変更することも可能だった。
サスペンションは、レーシングカー風のプッシュロッド式を採用している。しかし翌年、一般的なウイッシュボーン仕様に変更され、エンジンもトヨタ社製へスイッチ。台数限定での生産が模索された。
しかし提示された価格は、当時で6万ポンドから8万ポンド。市販には至らず、ワンオフで終わってしまった。
ダッジ・サーキットEV(2009年)
テスラ・ロードスターとは別の純EV版。エリーゼではなく、延長されたヨーロッパSのシャシーを用いている。手が加えられているが、ボディにもヨーロッパSの雰囲気が残っている。
発表は2009年のデトロイト・モーターショー。268psの駆動用モーターとリチウムイオン・バッテリーを搭載し、最高速度は193km/h、航続距離は241kmから321kmと、悪くないスペックを誇った。
実際に走行可能なプロトタイプの完成には至るが、プロジェクトはほどなくして中止。量産はされていない。
ラドフォード・タイプ62-2(2021年)
エリーゼの生産は終了となるものの、派生モデルの登場は続いている。テレビ番組で有名なアント・アンステッド氏と、レーシングドライバーのジェンソン・バトン氏のバックアップで復活したラドフォードから、新しい1台が登場した。
ベースとするのはエキシージ用シャシーの改良版。かつてのレーシングカー、ロータス・タイプ62にインスピレーションを受けたカーボンファイバー製ボディをまとう限定モデルで、62台が製造予定となっている。
ジョン・プレイヤー・スペシャル(JPS)のカラーリングで仕立てることも可能。エンジンは436psから608psの最高出力が与えられるという。
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みんなのコメント
ロータスよ!
本来の立ち位置を忘れ
ポルシェやフェラーリ、マクラーレンなど追いかけてどうする?