フェラーリのフレデリック・バスール代表は退任に関するイタリアメディアの報道に対して、怒りをあらわにしている。
発端となったのはイタリアの有力紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」や「コリエレ・デッラ・セーラ」による報道だった。また今季メルセデスから加入したエンジニアのロイック・セラのチームへの影響力についても議論の的となっていた。
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バスール代表は、チーム内部のキーパーソンや自身の将来に関する憶測が絶えないことに強い苛立ちを示しており、「いい加減にしてくれ」と述べ、さらに「我々が扱っているのは物ではなく人であることを忘れるな」とメディアに警鐘を鳴らした。
「私自身に関しては問題ない。それは管理できる。ただし、チーム内の人々に対して無神経に名前を出すのは、彼らやその家族にとって失礼極まりない」
「昨年は空力部門の責任者ディエゴ・トンディのケースがあったが、今年もまた別のスタッフの名が挙がった。誰の得になるのか分からないし、何を目的にしているのかも分からない。チームにダメージを与えようとしているのかもしれないが、今回の場合本当に理解できない。彼らにとってはそれが唯一の在り方なのかもしれないが、チームにとっては本当に痛手なんだ」
「チームをこうした状況に陥らせるのが目的だとするのなら、彼らはその目標を達成している。しかし本当に……こうした状況でチャンピオンシップを勝ち取ることはできないと思う。少なくとも、こうしたジャーナリストが周囲にいるのではね」
バスール代表はさらに、現場で懸命に働くスタッフたちの努力を踏みにじるような報道姿勢を強く批判した。
「すべてのチームスタッフは、日々多大な努力とエネルギーを注ぎ、時には家族を犠牲にしてまで職務を全うしている。そんな中で根拠のない報道で名前を出されるのはとても厳しいことだ」
「あるジャーナリストが、フェラーリがあのポジションにどの人物を採用すると報じた際に、実際にそのポジションには誰かが就いているということを理解すべきだ。その記事が出た日に、その人物は『明日から自分のポストに別の人間が来るかもしれない』という不安に駆られることになる。イタリアでは、今や日常的にこうした噂が飛び交っている。これは異常だ」
「チームが成功を収めたいのなら、クリーンな環境で働く必要がある。だが、今の我々はそうした状況にない」
そしてバスール代表は、カナダGP後の月曜にマラネロのスタッフを直接訪ねて安心させる意向も示した。
「私は月曜の朝にスタッフにこう伝えるつもりだ。『これは事実ではない』と。だが、私は火消し役ではない。これは単なる敬意の問題だ」
「最近では、私が一度も会ったことのない人物についてさえ報道されている。メディアにはもっと人間に対する尊重の念が必要だ」
■フェラーリの問題は何なのか?
ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールはバスール代表に関する憶測に対しては否定的で、バスール代表を強力にサポートする立場を示している。
2006年にGP2で当時ARTを率いていたバスールと共にチャンピオンとなったハミルトンは、こう語った。
「今は完璧な状況ではないかもしれないけど、僕はチームと、そしてフレッドと一緒に取り組んでいくためにここにいる。フレッドのことは、僕らをトップへと連れていってくれる人物だと僕は信じている。それだけだ」
またルクレールはこうコメントしている。
「再び勝利を手にするために、フレッドとルイス、そして僕の三人で共有しているビジョンがある。それを実現するために努力しているんだ。僕はそれを貫くべきだと思っている」
チームは団結を示しているが、こうしてバスール代表の進退が取り上げられてしまう一因は、昨年と比較してフェラーリが成功できていないことに理由があるだろう。
2025年のコンストラクターズランキングでフェラーリは現在2番手に位置しているものの、首位マクラーレンに197ポイント差をつけられている。
昨年フェラーリは最終戦までマクラーレンとコンストラクターズタイトルを争い、わずか14ポイント差で敗れたものの、オーストラリア、モナコ、オースティン、メキシコ、モンツァで勝利を収めるなど、一定の成功を収めていた。
しかし今季は出足が鈍く、ハミルトンが中国GPスプリントで勝利したものの、決勝では両ドライバーが車検不合格で失格という失態によってその成功も覆い隠されてしまった。
そしてハミルトン自身もフェラーリ移籍による文化の違いに適応中であり、無線でのレースエンジニア、リカルド・アダミとのやり取りのぎこちなさが公に露呈するなど、順風満帆とは言いがたい。
さらにバスール代表に関しては、政治的にも難しい立場にある。非イタリア人でフランス語話者という点で文化的な壁があり、適応は容易ではない。前任のマッティア・ビノットには今なお社内に支持者が存在する。
加えて強い政治的影響力を持つことで知られるイタリアメディアとの関係もある。今回のバスール代表によるメディア批判は逆に、さらなる報道を煽る可能性がある。
そして、彼が今季末に契約満了でチームを去る可能性があることも、今後の議論を過熱させる要素のひとつだろう。
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