クルマだけでなく、将来的には医療分野への応用も視野に
ランボルギーニはこのほど、同社が作成した先進的なカーボンファイバー(炭素繊維)複合素材のサンプルが、米国バージニア州ワロップス発射場から国際宇宙ステーション(ISS=インターナショナル・スペース・ステーション)に向けて打ち上げられたノースロップ・グラマン社の「アンタレスロケット」によって、11月2日に宇宙に運ばれたことを報じた。
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今回のロケット打ち上げは、ISS米国国立研究所主催のもと、ヒューストンメソジスト研究所が監督するテストキャンペーンの一環として行なわれたもの。
ランボルギーニでは、2年前から米国の「ヒューストンメゾジスト研究所」とともに、カーボンファイバー複合素材に関する研究を進めており、今回、宇宙に運ばれたのは、サンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社で製造された5種類のカーボンファイバー複合素材。6カ月にわたり、マイナス40℃から200℃までの極端な温度変化のほか、大量の紫外線やガンマ線なども浴びることになり、そんな過酷な環境のなかでどのような反応を示すかが試される。
6カ月後に地球に戻ってきたサンプルは、化学的、物理的の両面から質的劣化を定量化し、得られたデータは先進複合素材の自動車への採用に向けて活かされるほか、医療分野にも応用していく。医療分野では、この複合素材の軽量性や、放射線透過性、放射線に対する適合性を生かして、人工インプラントでも使用できるようになる。
ランボルギーニでは、ヒューストンメゾジスト研究所との共同研究する以前から、本社内に「Centro Sviluppo Compositi(コンポジット開発センター)」や「ACLSD(先進複合素材&軽量構造開発)研究所」が設置され、カーボンファイバー複合素材に関する研究を進めてきた。この施設では3Dプリント技術を用いた連続繊維複合素材の生産を実現。これは高い柔軟性を発揮するほか、高品質のアルミニウムに匹敵する構造部材への使用が可能となっており、同社の手がけるカーボンファイバー複合素材の自動車への応用は業界をリードしている。
ランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOは次のようなコメントを発表している。
「私たちはこの実験をとても誇りに思っています。ランボルギーニはISSにおいてカーボンファイバー材料科学の研究を行う世界初の自動車メーカーです。この実験は企業の社会的責任だけでなく、私たちランボルギーニの理念や価値観とも一致しています。ランボルギーニは、その活動のあらゆる分野で限界を超え、テクノロジーの分野で先駆者となることを常にコミットしているブランドです」
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