2013年9月モデルチェンジを果たし姿を現したホンダ 3代目フィット。室内スペースのアドバンテージそのままに、新開発ハイブリッドで燃費も一番! エクステリア・インテリア・エンジンから初採用の技術まで! 当時の全方位インプレッションをプレイバック!(本稿は「ベストカー」2013年10月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部/写真:奥隅圭之
中古で狙っている人必見!! 燃費36.4km/Lで再び「ジャンパンコンパクト」の頂へ ホンダ3代目フィット全方位インプレッション【10年前の再録記事プレイバック】
【画像ギャラリー】燃費36.4km/Lで再び「ジャンパンコンパクト」の頂へ ホンダ3代目フィット全方位インプレッション(20枚)
■燃費36.4km/L! ライバルより一歩前に
一見してフィットらしさを感じるものの全体的にダイナミックな印象の新型。軽快感と存在感を表現したという
フロントシートの下に燃料タンクを配置するセンタータンクレイアウトを採用し、2001年に初代が衝撃的なデビューを飾ったホンダフィット。
このレイアウトの効果は絶大で、広い室内スペースを実現するとともに、重心位置の低下によりハンドリング性能が格段に向上した。以来、コンパクトカーのリーダーカーに君臨、本誌『ベストカー』の名物企画「ランキング特集」でも常にコンパクトカーの上位に入っていた。
そのフィットの3代目がついに姿を見せた。今度のフィット、最大のポイントは新開発のハイブリッドだろう。1モーター式スポーツハイブリッドi-DCDは、トヨタのハイブリッドよりシンプルな構造ながらポテンシャルは高く、7速DCT、リチウムイオンバッテリーとの組み合わせで、国産車最高の36.4km/Lを実現、念願の燃費トップに立った。
価格は、大人気が予想されるハイブリッドが163万5000~193万円。ライバルのアクアを意識した値付けだ。13Gは126万5000~174万9000円、スポーティなRSが180万円と前モデルからわずかなアップに抑えている。
ホンダ 新型フィット価格一覧 ※当時
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■精悍なマスクに変身! エクステリア
全長3955×全幅1695×全高1525(FF車)mmのボディ寸法。前モデルに比べ、全長が55mm長くなり、全幅、全高は変化なし。
リアビュー
前モデルの、穏やかな表情のレディを連想させるデザインから、少々やんちゃなイメージへのチェンジ。ハイブリッド専用、RS専用のエクステリアで差別化を図る
全体的なスタイリングは前モデルと大きな差はないが、フロントデザインが大きく変わっている。細めのヘッドライト、それにグリルがつながり、精悍なイメージに一新された。
ホンダが打ち出した、新しいアイデンティティである「ソリッド.ウイング.フェイス」を具現化するフロントデザインである。さらに、バンパー両サイドに大きく口を開けたエア孔もかなり目立っている。
また、サイドにもキャラクターラインを採用、躍動感や走りをイメージさせるし、リアのコンビネーションランプも先進的な印象を受ける。全体的に、どちらかと言えば男性的なデザインといっていいだろう。
女性ユーザーが少なくなかった先代フィットだが、これほど印象を変えて女性たちがどう反応するか、老婆心ながら心配になったりする。杞憂に終わればいいのだが……。
タイヤサイズは、13GのFFが14インチ、ハイブリッドのSパッケージとRSが16インチ標準で、ほかは15インチが装着される。SパッケージとRSはアルミホイールが標準。15インチのハイブリッドは、プロペラを想像させるホイールキャップが標準装備となる。
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■1クラス上の上質感インテリア
最近の流行ともいえるピアノブラック塗装と高輝度シルバー塗装を効果的に配置することで、高級感を演出している
新型フィットのウリのひとつに、インテリアの上質感がある。上級モデルから移行してきたユーザーでも、充分に満足できるレベルを目指し、シートや内張などに上質の素材を採用した。
特にシートは、ホンダのミドルクラスに採用しているフレームをサイズダウンして新設計するとともに、背もたれのウレタンを厚くした。それにより、ほどよいホールド感と座り心地や振動吸収性の向上が図られている。
実は、シート幅は前モデルより狭くなっている。フロントシートで15mm縮小の495mmなのだが、狭さを感じさせないのが新型フィットのシート。
視認性の高いメーター、スマートな操作感のスイッチ類、豊富な収納スペースなど、上質感に合わせ使いやすさへの配慮も忘れていない。
ラゲッジスペースは前モデルより僅かながら縮小している
ただ、リアシートを倒すことによって生まれるスペースは、前モデルより80mm拡大。2~3人乗車時は荷物も余裕!
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■パワフル環境性能パワートレーン
全車アイドリングストップ機能を標準装備。ハイブリッドは新開発、ガソリンエンジンは従来モデルの進化バージョン
センタータンクレイアウトのプラットフォームは、軽量化を進めるために新設計された。そしてパワーユニットは、1.3Lと1.5Lのガソリンエンジン2タイプと、1.5Lハイブリッドの計3タイプをラインアップする。
国沢氏のインプレッションにあるとおり、それぞれが個性を主張していて面白い。
まずは、発売前から大人気のハイブリッド。状況によってEV走行、ハイブリッド走行、エンジン走行を使い分けるが、EV走行中心の制御となる。7速DCTを組み合わせたところが、いかにもホンダらしい。システムの詳細、燃費向上の秘訣などは64ページで紹介しているのでお読みください。
燃費重視の1.3Lは、アトキンソンサイクル、比較的パワフルな1.5Lは直噴エンジンを採用、ともにホンダ得意のVTECで高度制御している。
ガソリン車のトランスミッションは、CVT主体でRSなどにMTの設定もある。担当としては、RSとDCTという組み合わせも見たかった。
ミッションは3タイプ
新開発のCVTはコンパクトカー向けに、燃費と走りの両立を狙って設計された
RSに採用されている6MTはスポーティなシフトフィールを実現している
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■ひと工夫で室内拡大! 居住性
新型フィットで目を引くのは各シートに座った時の余裕。室内寸法は、長1935×幅1450×高1280mmで、室内長は前モデルから60mm長くなり、幅も35mm広くなった。
室内長は、全長とホイールベースを延長したことにより広がったわけだが、さらにサスペンションの前後長短縮などにより、前後の座席の間隔を80mm広げている。室内長の60mm延長より広くなったのだ
いっぽう、横方向はボディ寸法が前モデルと同じながら、ドアライニングの形状の変更、サイドウィンドウの配置の見直しなどにより室内幅を広げている。この結果、運転席と助手席の間隔を20mm広げ、コンパクトカーとは思えない空間を作り出したというわけだ。
ウルトラシートと名付けられた、多彩なシートアレンジは、新型フィットになってより便利になった。リアシートを倒したユーティリティモード、さらに助手席を前方に倒して長尺ものも積めるロングモード、前席を後方に倒すリフレッシュモードなどを提案している。
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■コンパクトカー初採用 シティブレーキアクティブ
追突事故を回避、または衝突事故の衝撃を軽減してくれる、シティブレーキアクティブシステム(CBAS)が新型フィットに採用された。この機能、いまや各メーカーがこぞって採用、装着率が急増している。ホンダはこの分野の先駆者だったが、いつのまにか他社の後塵を拝していたので、待望の装備といえるだろう。
システムは、赤外線レーダーで前方の障害物を感知、時速30キロ以下なら警報と同時に自動ブレーキが作動する。ホンダでは完全停止をうたっていないが、実際には停止するようだ。誤発進抑制機能も備える。
CBASは、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグとセットになった「あんしんパッケージ」として、ハイブリッドと13Gのベーシックグレードを除いてメーカーオプション設定される。これだけのセットで、価格は税込み6万円ポッキリ。サイドエアバッグだけで2万~3万円だから非常におトク。フィットご購入の際は、装着することをオススメしたい。
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■お得なのはどれ? グレード研究
4タイプの個性が際だっている新型フィット。使い方や予算、好き嫌いでチョイスすればいい。格安のあんしんパッケージは超オススメ
フィットは1.3Lと1.5Lのノーマルエンジン、1.5Lをベースにしたハイブリッドを設ける。1.3Lの13Gとハイブリッドには、F/L/Sという3つのパッケージオプションを用意。1.5Lのノーマルエンジンは15XとLパッケージ、RSという構成だ。
まずはエンジンの選択だが、街中を中心にした使い方なら1.3L。走行距離が1年間に5000km以下で、なおかつ走りを重視するなら1.5L。走行距離が延びて高い動力性能も求めるなら、最も低燃費でパワフルなハイブリッドになる。理由はエンジン価格差と燃費のバランスだ。
エンジン単体の価格は、ハイブリッドは1.5Lに対して15万円、1.3Lよりは27万円高い。エンジン価格差が実用燃費で埋まる距離を計算すると、1.5Lの15万円は4万km、1.3Lの27万円は12万kmになる。なので1.3Lの動力性能で充分と考えるユーザーが、ハイブリッドを選ぶ必要はない。
しかし1.5Lとの選択は使い方次第。1年間の走行距離が5000km以下では、ハイブリッドとの価格差を燃料代で埋めるのは難しいが、1万kmを走れば4年間でモトが取れる。1.3Lで物足りないと感じたら、走行距離と運転感覚でハイブリッドと1.5Lを選び分けたい。ただし1.5Lと1.3Lのエンジン価格差は12万円だが、前者は4万円ほど割高だ。
次はグレード選び。1.3Lは136万円の13G.Fパッケージがベスト。1.3Lを主力とするコンパクトカーの売れ筋価格帯に収まり、スマートキーとLEDドアミラーウインカーも標準装着される。13Gに備わらない後席の跳ね上げや小さく畳む機能も加わる。13Gに対する価格上昇は9.5万円だが、13.5万円相当の装備をプラス。最廉価の13Gに設定されないあんしんパッケージ(衝突回避の支援機能+サイド&カーテンエアバッグ)も6万円で用意され、必ず装着したい。
ハイブリッドも標準仕様にはあんしんパッケージなどが設定されず、172万円のFパッケージを選ぶ。ハイブリッドではスマートキーは全車に装着され、Fパッケージにはインパネのソフトパッドなどが加わる。
なお、ハイブリッドは有段の7速ATだから、CVTと違ってパドルシフトを有効活用できる。その意味で193万円のSパッケージもねらい目。足まわりは16インチアルミホイールも含めてRSに準じた設定になり、運転の楽しさを満喫できる。
[全車標準装備]VSA(ABS+TCS+横滑り防止装置)、ヒルスタートアシスト機能、アイドリングストップシステム、フロントロアスポイラー、LEDハイマウントストップランヒプ、イモビライザー、パワーウインドゥ
(TEXT/渡辺陽一郎)
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■プロトタイプ試乗でチェックインプレッション
静かで乗り心地がよく1クラス上のたたずまいを見せるハイブリッド。低燃費とマイルドな走りが自慢だ
RSは高回転まで回るホンダらしいエンジンを搭載。振動とサウンドも心地よく、パワフルな走りが楽しめる
4タイプに試乗して「面白いですね!」と思ったのが、予想していた以上にキャラクターの違いを感じたこと。
例えばHVは徹底的に遮音材を奢り、上質 な雰囲気に仕立て上げられている。乗ると静かで乗り心地も良好。エンジンも遠くのほうに搭載されている感じ。タイヤも転がり抵抗を重視しながら、空気圧を高めるようなことをしておらず快適。ライバルであるアクアと乗り比べたら、カンペキにワンランク上の車格のクルマに感じることだろう。
そんなことを考えながら1.3Lエンジンを搭載するベーシックグレードに乗り換えると、いろんな意味で割り切っている。軽量化&コストダウンのため遮音材を最小限に抑えているらしく、エンジン音などキッチリ聞こえてきます。
ただエンジン音そのものが悪くないため、決して不快じゃない。乗り心地も柔らかいというよりシャキシャキしており、個人的には好感持てるほど。これまた同じクラスのライバルと勝負して負けないレベルに仕上げたのだろう。
さらに驚いたのが1.5LのRS。マニュアルミッション車だったこともあってか、久々のホットハッチ風! スイフトRSは妙にエンジン静かで、雰囲気としちゃ少し物足りない感じ。上品過ぎちゃう。フィットRSときたら、気持ちいい音と振動を伴い高回転までキッチリ回る。マイルドなハイブリッド仕様と同じフィットなのかと思うほど。ホンダのエンジンってこうじゃなくちゃねa ハンドリングもスポーティで大いに楽しめた。
キャラクターとして最も薄いと思える1.5Lの上級グレードながら、これまたマイルドで気持ちいいエンジンを組み合わせている。ヨーロッパ車のBセグメントのような仕上がり具合。予約段階だとハイブリッド車の人気が高いようだけれど、私はベーシックグレードやRSのマニュアルなども大いにプッシュしておきたい。
できればRSをベースに1.6Lエンジンなど搭載した『タイプR』なんか作って欲しいと思っちゃいます。
(TEXT/国沢光宏)
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■無限パーツも発売!
アグレッシブな無限エアロ
スポーツサイレンサー
スポーツブレーキ
新型フィット発売に合わせ、無限から各種パーツが同時発売された。ちょっと男っぽくなったフィットをさらにアグレッシブに変貌させるエアロパーツをはじめ、アルミホイール、スポーツサイレンサー、スポーツブレーキパッド、セミバケットシートなど魅力的な商品をラインアップしているぞ。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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