現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産初代「セドリック スペシャル」は6気筒2.8Lエンジン搭載! 35年の時を経て元オーナーのところに戻ってきた

ここから本文です

日産初代「セドリック スペシャル」は6気筒2.8Lエンジン搭載! 35年の時を経て元オーナーのところに戻ってきた

掲載 8
日産初代「セドリック スペシャル」は6気筒2.8Lエンジン搭載! 35年の時を経て元オーナーのところに戻ってきた

6気筒2.8Lエンジンを搭載する特別な「セドリック スペシャル」

かつてクルマ好きの間では日産「セドリック」、プリンス「グロリア」、トヨペット「クラウン」を一括りにした”セドグロクラウン”なる言葉がよく使われていました。それはすなわち軽自動車や大衆車に対し、国産乗用車ヒエラルキーの頂点クラスを意味する言葉。長きにわたり、そんな”国産高級車セグメント”の一翼を担ってきたのがセドリックです。今回は、2.8L6気筒エンジンを搭載する「セドリック スペシャル」を紹介します。

奇跡のシングルナンバー日産初代「セドリックバン」が13年の眠りから覚め路上復帰! ただいまエンジン絶好調!

ブルーバードの上を担った日産の挑戦

大衆車クラスのベストセラーであった日産「ダットサン ブルーバード」のひとクラス上、ライセンス生産が行われていた「オースチンA50 ケンブリッジ」に代わるモデルとして初代セドリックがデビューしたのは1960年のこと。ちなみにその車名はフランシス・バーネットが1886年に書いた児童向け小説『小公子』の主人公の少年の名から。日本でも明治時代から広く親しまれてきた物語だ。

1960年から1965年にかけて生産された初代セドリック。日産初の6人乗り・1.5L 4気筒の中型セダンとして1960年4月にデビューしたが、その後まもなく小型車規格が排気量2Lにまで拡大されたのを機に、1960年の秋には早くも1.9Lエンジン搭載車を追加。

さらに1962年には大規模なマイナーチェンジが行われ、ヘッドライトがそれまでの縦4灯から横4灯となり、フロントグリルの印象を大きく変えた。一般的にはこの2Lクラスが当時の個人ユーザーの上限といわれていたが、1963年にはセドリックにさらに上級グレードを追加。それが6気筒2.8Lエンジンを搭載したセドリック スペシャルである。

50系専用設計の特別モデル

欧米の高級車にも負けないような、ショーファードリブン前提のフォーマルなセダンたるべく生み出されたセドリック スペシャルは、ベースモデルのホイールベースを205mm、全長は345mm延長。結果、全長は4855mmという堂々たる体躯だ。

形式名もベースのセドリックが30系なのに対し、このスペシャルは50系と独自の形式番号が用意された。もちろんその主たる用途は公官庁や大企業の公用車といったところ。このセドリック スペシャルのポジションが、後年デビューする日産プレジデントに引き継がれるわけだ。また、このセドリック・スペシャルがデビューした翌年、1964年に開催された東京オリンピックにおいて、聖火搬送車として使われたエピソードもよく知られるところだ。

35年の時を経て、再び元オーナーの元へ

「じつはこの個体が自分の手元にやって来たのは2度目なんですよ」

と語ってくれたのは、2025年4月6日にJR品川駅港南口ふれあい広場で開催された第26回高輪交通安全フェア 品川クラシックカーレビューイン港南に参加していた倉林高宏さん。この1965年式セドリック スペシャルが再び自分の元に戻ってきてからはまだ1年ほどとおっしゃるが、それは一体?

「かつて自分がこのクルマを所有していましたが、別のオーナーさんに譲ったんです。それが今から35年ほど前の話です。その方は10年以上かけて入念なレストアを施したのですが、高齢のためその後長い間不動車状態になってしまっていました。さらにそのオーナーさんはもう免許も返納するので、このクルマを返したい、と」

ありがたい申し出ではあったが、倉林さんはそのオーナーがどれほどの手間暇をかけてレストアを行ったかよく知っていたので、当初は「とてもその情熱に見合った金額は用意できません」と固辞し続けたと言う。

しかしそこはヒストリックカー趣味で繋がった者同士。最終的には「金額の多寡ではないから」と、前オーナーから倉林さんの元に再びセドリック スペシャルが戻ってきたと言う顛末。

もちろん長い間不動状態だったため手元に引き取った際は一通りの整備を行い、ブレーキや足まわり、エンジンの水漏れなどの不具合箇所もきっちり修理したという。それをみた前オーナーが「やっぱりあなたに戻してよかった」といったそうだから、これは素敵な物語だ。

というわけで、長い時を超えて維持し続けられている倉林さんのセドリック・スペシャルは、2.8Lエンジンの生み出す豊かなトルクで高速道路の100km/h巡航も苦にせず、今日もまた走り続けるのである。

じつは倉林さん、このセドリック スペシャルのほかにも、とてもスペシャルな旧車を所有している。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

1984年にLEDデジタルメーターを採用したアストンマーティン「ラゴンダ」!オークションで未だ継続販売中の理由
1984年にLEDデジタルメーターを採用したアストンマーティン「ラゴンダ」!オークションで未だ継続販売中の理由
Auto Messe Web
走行距離わずか2200km!800台限定生産の日産「スカイラインGTS-R」が1800万円
走行距離わずか2200km!800台限定生産の日産「スカイラインGTS-R」が1800万円
Auto Messe Web
日産初代「サニークーペ」を約10万円で購入! 35年ぶりにDIYで路上復帰を果たした個体とは
日産初代「サニークーペ」を約10万円で購入! 35年ぶりにDIYで路上復帰を果たした個体とは
Auto Messe Web
アストンマーティン「V8オスカー・インディア」相場が4倍に高騰!約4620万円で落札された理由とは
アストンマーティン「V8オスカー・インディア」相場が4倍に高騰!約4620万円で落札された理由とは
Auto Messe Web
NISMOのコンプリートエンジンを搭載! 日産「スカイラインGT-R(BNR34)」が3300万円とイマイチな落札価格だった理由
NISMOのコンプリートエンジンを搭載! 日産「スカイラインGT-R(BNR34)」が3300万円とイマイチな落札価格だった理由
Auto Messe Web
スバル「ff-1 1300Gスポーツ」を所有して40年!オリジナル状態を保つために努力を重ねる
スバル「ff-1 1300Gスポーツ」を所有して40年!オリジナル状態を保つために努力を重ねる
Auto Messe Web
なぜか不遇のV8ランボルギーニ! SUVのウルス以外は不人気モデルだらけという残念な歴史
なぜか不遇のV8ランボルギーニ! SUVのウルス以外は不人気モデルだらけという残念な歴史
WEB CARTOP
元F1ドライバー ミケーレ・アルボレートが所有していたフェラーリ「F355」が約2740万円で落札!
元F1ドライバー ミケーレ・アルボレートが所有していたフェラーリ「F355」が約2740万円で落札!
Auto Messe Web
かつての「ディフェンダー」を現代の技術で再現!? 話題のイネオス「グレナディア」の詳細をお見せします!
かつての「ディフェンダー」を現代の技術で再現!? 話題のイネオス「グレナディア」の詳細をお見せします!
Auto Messe Web
全高840mmのランチア「ストラトス ゼロ」!ラリーの王者ストラトスより低くワイドなボディ
全高840mmのランチア「ストラトス ゼロ」!ラリーの王者ストラトスより低くワイドなボディ
Auto Messe Web
海外で三菱「ランサーエボリューションV」が約348万円で落札!日本の市場価格とあまり変わらない…?
海外で三菱「ランサーエボリューションV」が約348万円で落札!日本の市場価格とあまり変わらない…?
Auto Messe Web
SUVブームの日本で、かつてブームを巻き起こした「ワゴン」に乗る意義とは? アウディ新型「S5アバント」はサラリと乗りこなしたい
SUVブームの日本で、かつてブームを巻き起こした「ワゴン」に乗る意義とは? アウディ新型「S5アバント」はサラリと乗りこなしたい
Auto Messe Web
【ルパン三世も羨む! 】フィアット500のカスタムマシン「お宝モデル」4選:伝説のチンク”激レア車”に迫る
【ルパン三世も羨む! 】フィアット500のカスタムマシン「お宝モデル」4選:伝説のチンク”激レア車”に迫る
WEBヤングマシン
コンパクトハッチのスカイライン!? それ魅力! 日産 ラングレーっていまからすれば羨ましすぎ!!
コンパクトハッチのスカイライン!? それ魅力! 日産 ラングレーっていまからすれば羨ましすぎ!!
ベストカーWeb
ブガッティ復活秘話⋯W18エンジン構想からはじまった開発現場の舞台裏を紹介します
ブガッティ復活秘話⋯W18エンジン構想からはじまった開発現場の舞台裏を紹介します
Auto Messe Web
80年代バブル期「輸入車」は「外車」だった! マセラティ「ビターボ」を手に入れたことが大きな転換となった…【ぼくたちのバブル考現学:第一話】
80年代バブル期「輸入車」は「外車」だった! マセラティ「ビターボ」を手に入れたことが大きな転換となった…【ぼくたちのバブル考現学:第一話】
Auto Messe Web
まるでSUV!? マツダ 初代MPVはミニバンらしくないミニバンだった?!
まるでSUV!? マツダ 初代MPVはミニバンらしくないミニバンだった?!
ベストカーWeb
「RX-7」なのにロータリーエンジンじゃない!? 米国オークションに“魔改造”されたFD型が登場! EV化された国産スポーツカーの価値とは
「RX-7」なのにロータリーエンジンじゃない!? 米国オークションに“魔改造”されたFD型が登場! EV化された国産スポーツカーの価値とは
VAGUE

みんなのコメント

8件
  • Mike
    国産唯一と言っていいくらいのアメリカンな湾曲ガラスがいいですな。大戦機でも日本機のキャノピーに枠が多いのに対し、英米機は枠が少なく視界が良い。ガラス製造技術の差ですかね?戦闘機の場合、ガラスというより樹脂ですかね、被弾しても破片で破裂・怪我しないように。
  • nariharu
    なんとも懐かしい日産の直列6気筒ですな!これで様々な名車があったのにな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

311 . 0万円 566 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 9万円 558 . 9万円

中古車を検索
日産 セドリックの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

311 . 0万円 566 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 9万円 558 . 9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村