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“マルケス・スペシャル”と呼ばれた19年型。2020年は「トータル戦闘力向上」/ホンダRC213V開発の裏側【後編】

“マルケス・スペシャル”と呼ばれた19年型。2020年は「トータル戦闘力向上」/ホンダRC213V開発の裏側【後編】

 2017年から3年連続でMotoGPのMotoGPクラスでライダー、チーム、マニュファクチャラーの3冠を達成したホンダRC213V。2019年型RC213Vの開発秘話後編をお届けする。後編は2019年型から採用された新パーツや2020型の方針について明かした。

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MotoGP歴代最高得点の2019年型は「車体でチャレンジ」/ホンダRC213V開発の裏側【前編】

■2019年で登場したRC213Vの新パーツ
 2019年型ホンダRC213Vには目に見える部分でも多くの新パーツが登場した。空力面ではフロントに装備されたフェアリングが2018年型から大きく変わっている。形状は他メーカーと比べると細く、F1のフロントウイングを思わせる形状になっていた。

 この空力フェアリングについて、ストレート走行中にウイングがたわむことでドラッグを減らしているのではないかと一部で噂されていた。MotoGP側もそういった可能性を排除しようと考えたのか、2020年シーズンから車検時に空力フェアリングの負荷計測を行うようになるという。

 しかし、ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)の若林慎也開発室長は「我々の空力フェアリングは最初(強度が)弱いんじゃないかと言われていました。華奢に見えると思いますが、実はかなり硬く、ほとんど動いていないんです」と明かした。

 2019年はレース中に、その空力フェアリングの一部が脱落する場面も何度か見られた。最終戦バレンシアGPのフリー走行4回目でマルク・マルケスがカレル・アブラハムと接触し、片側の空力ウェアリングが破損した場面などが代表例だ。

 接触などで空力フェアリングが損傷した場合の影響について、「大幅に遅くはならないかもしれない」と若林開発室長。

「ただ、フロントが浮き上がりやすくなってしまうというのがあります。あと、バレンシアGPでは1度片側のフェアリングが外れましたが、そのときは真っすぐ走らないってライダーは言ってましたね」

 また、2019年は空力フェアリング以外にも新しい外装パーツが登場して話題となった。それはアンダーカウル後部に備えられたタイヤを冷却するためのパーツだ。

 当初、このパーツはダウンフォースを発生させているのではないかと言われ物議を呼んだが、最終的にはタイヤの冷却、ウエットコンディション時の雨除けパーツとして認められたことで、各メーカーも採用していった。

 RC213Vのアンダーカウル後部に登場した新パーツは、ライバルメーカーのものと比べると目立つようなものではない。ただHRCの桒田哲宏レース運営室長は次のようにメリットを説明する。

「リヤタイヤはレース時の大きな課題となっていて、耐久性の面で温度が問題という話はあります。タイヤの温度が自分たちのレンジを外れた瞬間にタイヤは機能しなくなるので、そうならないようにするために(アンダーカウル後部にパーツを)つけるというのがあるんだろうなという気がします」

「ウエット時は目的が変わって、水しぶきがタイヤにかからないようにという形でやっていますよね。そういう意味で言うとタイヤに対するケアという面では、あのパーツは効果的なんだろうなとは思いますけどね」

 そして、2019年に登場した新パーツで特に印象的だったものがクラッチレバー上部につけられたリヤブレーキレバーだ。近年のMotoGPはコーナリング時のバンク角が肘が地面にするほど深くなっている。
 深いバンク角で旋回中は足で操作するリヤブレーキが使いづらくなるため、代わりにハンドルを握る親指でリヤブレーキを操作するサムブレーキが装着された車両もあったが、第18戦マレーシアGPに登場したマルケスのRC213Vにはボタンではなく、スクーターバイク並に巨大なレバーがクラッチレバーの上に装備されていた。

 このレバー式リヤブレーキについては「開発陣のアイデアです」と桒田レース運営室長

「やはりリヤブレーキを足で操作しているとコーナーごとに使い方が変わってきます。ご覧のとおり、今のバンク角ではバンク側の足での操作が厳しいんです。特に右コーナーが厳しい。その操作性を上げてあげるというのがあります」

「リヤブレーキを使う際、マルクが本来置きたい場所に足を置けず我慢していることも考えられます。ライダーからも(新しいリヤブレーキを)トライしてみたいというのがあったので、今はいろいろな種類のリヤブレーキをトライしているところです」
■2020年型はトータル性能のさらなる向上
 2019年型RC213Vは“マルケス・スペシャル”とも言われており、マルケス以外のホンダライダーはマシンに合わせこむことに苦労していたと言われている。桒田レース運営室長は「世の中ではホンダのマシンは乗りにくいと言われている部分はありますが、最初は確かにうまくまとめきれなかったところはあったと思います。冬のテストから、その面で苦労していたのは事実です」とだけ応えた。

 最後に2020年型RC213Vの開発に向けての課題を次のように明かした。

「車体側の課題として、ひとつはブレーキング旋回。特に大きく回り込むようなコーナーだとヤマハがすごく速く、我々はその差を実際に感じています。そういったところを今後対応していかなければと思っています」

「エンジンでいうと、出力の面で“頑張れ、頑張れ”とやってきていますが、他の部分で出し切れているかと言えば、まだ出し切れていないので、この部分もやっていかなければいけない」

「同時にエンジン出力が上がるとドライバビリティの問題も必ずついてきます。ドライバビリティは落とさない、あるいは上げていく必要があります。出力が上がるにつれてドライバビリティの要求がどんどん高いレベルに来ているというのがあるので、そのあたりも課題です」

 若林開発室長も桒田レース運営室長と同じく、ドライバビリティ向上が鍵だと語った。

「2018年、2019年と出力が上がったことでレースの戦略面で幅が広がってきているのは事実です。その分、減速、ドライバビリティなどの要望に100%応えられているかというと、まだまだそういう状態ではありません」

「やはりバイクとしては、強いところ、弱いところが当然あるので、強いところを伸ばしながら弱いところも底上げし、トータルの戦闘力を上げるというのが今進めている方向性です」

 2020年は王者マルク・マルケスの弟アレックス・マルケスをチームに迎え、新体制でMotoGPを戦っていくホンダ。4年連続10度目3冠を目指し、競争激化の一途をたどるMotoGPに挑む。

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