50km/hでも、200km/hで疾走する感覚
フィアット600 ムルティプラへ初めて乗ると、フロントアクスル直上のシートポジションと、膝前で膨らんだヘッドライト裏のパネル、むき出しのスペアタイヤなどに驚ける。発進させれば、スピード感にもっと驚く。
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メーター上は50km/h程度でも、200km/hで疾走している感覚。767ccのエンジンはまったくパワフルではないが、濃い個性へ強く誘惑されてしまう。
ステアリングコラムは、ユニバーサルジョイントで丁度いい角度へ伸びる。フロントシートはスライドできず、背もたれを限定的に調整できるだけだが。リアシートは狭くない。家族や友人を乗せられ、ペットもその後ろに陣取れる。
こんな600 ムルティプラより、馴染みやすい存在といえたのが、スウェーデンからやってきたステーションワゴン、サーブ95。もっとも、保守的で選択肢が豊富な英国人にとっては、平均的なドライバーが選ぶモデルではなかった。
前時代的な容姿 英国車にはない高級感
1960年代には、95のスタイリングは前時代的になっていた。コラムシフトの4速MTも、現代的な装備ではなかった。1233ポンドという価格は、ヴォグゾール・ヴィヴァやフォード・エスコート XLワゴンより100ポンド前後高かった。
反面、95には同クラスの英国車にはない高級感があった。荷室は潰れるが、後ろ向きに座る3列目のシートも備わった。今回のアンバー・イエローの1台は、クリス・ボフィー氏がオーナー。1972年式で、今でも目を引くフォルムといえる。
95の発表は、1959年5月。サルーンのサーブ96より、9か月早かった。英国での販売は1960年に始まり、1964年からは安全性へ配慮したデュアルサーキット・ブレーキと、ロングノーズを採用。1969年には、フロントグリルも更新された。
エンジンは、当初0.8L直列3気筒の2ストロークで、1967年に1.5L V型4気筒のフォード・ユニットへアップデート。北米仕様には、1.7L版が用意されている。
オールドファッションでも才能は豊か
ボフィーの1972年式は、テールゲート上のスポイラーやインテリアまで、1959年式と見た目に大きな違いはない。パンフレットでは、「ボディのカタチやカラーに惑わされないで。流行は、多くの人を惑わせます」という忠告文で訴求されていた。
車内空間は、仲が悪くなければ大人7名が乗車可能。サイドウインドウの曇りを防ぐ送風口や、誤操作の防止へ配慮されたヘッドライト・スイッチまで、ドライバーはディティールを楽しめる。
ペダルは、中央側にオフセット。ステアリングコラムから、長いシフトレバーが突き出ているが、慣れれば意外と操作しやすい。低域からトルクフルで、満員でも坂道を粘り強く登る。エンジンは1発で始動し、オーナーからの信頼は厚かった。
1972年の自動車雑誌、CAR誌は「オールドファッションでも才能は豊か」だと評価。95の生産は1978年まで続き、機敏で安全にサーブで行こう、という同社のキャッチコピーは、ブランドファンから支持された。
熱烈なファン層を築いたシトロエンDS
もっと熱烈なファン層を築いたモデルといえば、シトロエンDSを忘れる訳にはいかない。しかし、魅力を充分に知らない人は、警戒するに違いない。
1つの伝説を築いたDSに、ステーションワゴンが登場したのは、サルーンから3年後の1958年。当初は廉価版のシトロエンIDがベースで、荷室へ折りたたみできる3列目のシートを組み、定員は最大8名まで指定できた。
1967年に小変更が加えられ、ヘッドライトにカバーが追加。その8年後に生産は終了している。今回のDS 20 ブレークは1970年式で後期型。ダッシュボードには、不気味に灯ることがある、「ストップ」の警告灯が残る。
オーナーは、ジェイミー・ピゴット氏。前オーナーによって、DS 23用の2.3L 4気筒エンジンと5速MTへ換装されている。「自分は4速セミATの方が好き。そちらの方が、シトロエンらしいですよね。理解が難しく個性的で。この5速MTも扱いやすいですが」
この続きは、お国柄丸出しワゴン(3)にて。
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