現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【海外】スズキが「ロータリーエンジン搭載バイク」市販化してた!? “茶筒メーター”が斬新だった「RE-5」なぜ短命に終わったのか?

ここから本文です

【海外】スズキが「ロータリーエンジン搭載バイク」市販化してた!? “茶筒メーター”が斬新だった「RE-5」なぜ短命に終わったのか?

掲載 12
【海外】スズキが「ロータリーエンジン搭載バイク」市販化してた!? “茶筒メーター”が斬新だった「RE-5」なぜ短命に終わったのか?

■わずか1年あまりで生産・販売が終了!? 幻のバイク「RE-5」とは?

 電気自動車を除くバイクやクルマには、必ずエンジンが搭載されています。エンジンはバイクやクルマの心臓となる非常に重要な部分ですが、一言にエンジンといっても、さまざまな形式があります。
 
 一般的に、バイクやクルマに使用されるエンジンは、ピストンが上下運動をおこない、それを動力とする形式のものが主流です。このような形式のエンジンは、一般的に、「レシプロエンジン」と呼ばれています。

【画像】超カッコいい! これがロータリー搭載の「RE-5」です!

 しかし、これとは異なる形式として、「ロータリーエンジン」というエンジンが存在します。

 ロータリーエンジンは、ピストン運動ではなく、三角形に近い形状のローターが回転運動を行い、「吸気」「圧縮・爆発」「排気」の工程を連続的に進める独特のメカニズムを持っています。

 この方式には、部品点数が少なく、振動が少ない、排気量あたりのパワーが大きいといったメリットがあります。

 クルマにおいては、マツダがロータリーエンジンの開発・搭載で知られており、「RX-7」や「ルーチェ」など、数々の名車を生み出してきました。

 しかし、そんなマツダでもラインナップの大多数にはレシプロエンジンを採用しており、ロータリーエンジンを採用した車種は限られています。

 また、マツダ以外に、安定してロータリーエンジンの市販車を作り続けたメーカーはありません。

 このようにクルマにおいて採用例が限られるロータリーエンジンですが、バイクにおいては、さらに採用例が少なくなります。技術的な課題やコストの問題から、メーカーが試作車を製作しても市販化に至ることは稀でした。

 そんななか、国内メーカーで唯一ロータリーエンジン搭載のバイクを市販化したのがスズキです。1973年に発表された「RE-5」は、その革新的な設計で話題となりました。

 RE-5は、1970年に西ドイツのNSU・バンケル社とロータリーエンジンの特許契約を結び、わずか3年余りの開発期間で完成させたモデルです。

 イタリアの著名なデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインを手掛け、特にヘッドライト上部に配置された円筒形のメーターハウジングは、日本国内のファンから「茶筒」と称されました。

 なお、このバイクは、北米、欧州、オセアニア向けの海外専用モデルとして位置づけられ、日本国内では新車販売されていません。

 しかし日本市場に逆輸入された個体も存在するため、まれに中古車市場で姿を現すこともあります。

 RE-5に搭載されたのは、水冷・単ローター497ccのロータリーエンジンで、最高出力は62馬力を発生します。

 先述の通り、RE-5は、ロータリーエンジン搭載バイクとして日本メーカー唯一の市販モデルです。今でも語り継がれるほど歴史に残る一台ですが、商業的には成功を収めることができず、発売から1年近くで生産終了してしまいます。

 エンジン周りの重量がかさんだことにより、車重は230kgとミドルクラスのバイクにしてはかなり重くなってしまい、そのため、せっかくの高出力が相殺されてしまいました。

 例えば、同じくスズキから1976年に発売され、通常のレシプロエンジンを採用した「GS750」の車重は221kgで、最高出力は68馬力。ほぼ同時期に生産されていたRE-5と比べ、車重は軽く、最高出力も大きくなっています。

 取り扱い実績のある修理店も少なく、メンテナンスも難しいロータリーエンジンを採用するほどの大きなメリットがなかったのです。

 また、1973年秋に発生したオイルショックにより、燃費性能が重視されるようになった時期と重なったことも、伸び悩みの一因です。

 ロータリーエンジンは、その構造上、燃費が劣る傾向があり、オイルショック後の低燃費志向の高まりに対応しきれませんでした。

※ ※ ※

 RE-5は、国内唯一のロータリーエンジン搭載バイクとして、バイク史に名を刻んでいます。

 当時としては革新的なエンジン技術と独特の設計は、現在でも多くのバイク愛好家の知るところとなっています。

 生産・販売自体はごく短期間に終わったものの、その存在はスズキの技術力と挑戦心を示すものであり、今後も語り継がれていくでしょう。

■スズキ「RE-5」主要諸元
・全長×全幅×全高:2220mm×870mm×1170mm
・車両重量:230kg(乾燥重量)
・エンジン型式:水冷ロータリー・単ローター
・総排気量:497cc
・最高出力:62PS/6500rpm
・最大トルク:7.6kg・m(約74.5N・m)/3500rpm

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「事故率ナンバー1」「初心者には無理」バイク史を塗り替えたナナハンキラー【1980ヤマハRZ250/350】
「事故率ナンバー1」「初心者には無理」バイク史を塗り替えたナナハンキラー【1980ヤマハRZ250/350】
WEBヤングマシン
斬新すぎる「2人乗り“スポーツカー”」実車公開! 縦・横ドアの「キャノピーボディ」に2.2リッターターボ×高性能4WD搭載! 日本で“市販化”&公道走行OKな「アズテック」とは
斬新すぎる「2人乗り“スポーツカー”」実車公開! 縦・横ドアの「キャノピーボディ」に2.2リッターターボ×高性能4WD搭載! 日本で“市販化”&公道走行OKな「アズテック」とは
くるまのニュース
660ccのダイハツ「小さな高級車」に反響殺到!「マジで軽のセルシオ!」「パワフルな加速が気持ちいい」と絶賛の声! めちゃ快適すぎる“高品質インテリア”実現した「ソニカ」に大注目!
660ccのダイハツ「小さな高級車」に反響殺到!「マジで軽のセルシオ!」「パワフルな加速が気持ちいい」と絶賛の声! めちゃ快適すぎる“高品質インテリア”実現した「ソニカ」に大注目!
くるまのニュース
今後価値が高騰し、値上がりしそうな旧車・ネオクラシックカー15選
今後価値が高騰し、値上がりしそうな旧車・ネオクラシックカー15選
旧車王
「なんとしても間に合わせる!(怒)」そんな猛ゲキに応えてくれた開発陣が凄かった:ホンダ最初のクルマ「スポーツシリーズ(S500/600/800)」そのストーリーとは?
「なんとしても間に合わせる!(怒)」そんな猛ゲキに応えてくれた開発陣が凄かった:ホンダ最初のクルマ「スポーツシリーズ(S500/600/800)」そのストーリーとは?
月刊自家用車WEB
日産新型「エルグランド」初公開! 元祖高級ミニバン大刷新で“打倒アルファード”なるか!? 先進的な箱型デザイン&1.5リッターの「スゴいe-POWER」搭載し26年度発売へ!
日産新型「エルグランド」初公開! 元祖高級ミニバン大刷新で“打倒アルファード”なるか!? 先進的な箱型デザイン&1.5リッターの「スゴいe-POWER」搭載し26年度発売へ!
くるまのニュース
1リッターで「30km以上」も走れる! ガソリン高騰しても全然大丈夫!? めちゃ燃費が良い「国産SUV」トップ3
1リッターで「30km以上」も走れる! ガソリン高騰しても全然大丈夫!? めちゃ燃費が良い「国産SUV」トップ3
くるまのニュース
マツダ新型「CX-5」まもなく発表!? 究極の「Z」エンジン搭載&ディーゼルも継続? 売れ筋SUV「25年秋公開」に期待大!
マツダ新型「CX-5」まもなく発表!? 究極の「Z」エンジン搭載&ディーゼルも継続? 売れ筋SUV「25年秋公開」に期待大!
くるまのニュース
「あ、スーパーカブ!」ではありません!! 他社の「カブ・インスパイア系バイク」たち ホントにそっくり!?
「あ、スーパーカブ!」ではありません!! 他社の「カブ・インスパイア系バイク」たち ホントにそっくり!?
乗りものニュース
三菱「新型パジェロミニ」まもなく復活!? 「ジムニー」ライバルの「軽クロカン」は帰ってくるのか? 「クロスオーバー」に進化し“25年秋”のサプライズ登場に期待高まる!
三菱「新型パジェロミニ」まもなく復活!? 「ジムニー」ライバルの「軽クロカン」は帰ってくるのか? 「クロスオーバー」に進化し“25年秋”のサプライズ登場に期待高まる!
くるまのニュース
新車77万円! 超パワフルな新型「“3人乗り”トライク」が凄い! ついに大排気量「250ccエンジン」搭載&“5速MT”で楽しそう! カーター新型「APトライク250」に大注目!
新車77万円! 超パワフルな新型「“3人乗り”トライク」が凄い! ついに大排気量「250ccエンジン」搭載&“5速MT”で楽しそう! カーター新型「APトライク250」に大注目!
くるまのニュース
リッター2kmの燃費とかいまの時代じゃ絶対売れん! 走りに全フリしたユーノス・コスモはロマンの塊だった
リッター2kmの燃費とかいまの時代じゃ絶対売れん! 走りに全フリしたユーノス・コスモはロマンの塊だった
WEB CARTOP
【タイ】超豪華なホンダ「モンキー125」発表に大反響! ギラギラクローム仕様に「超イケてる!」「欲しいなぁ…」の声! レトロな特別仕様車「モンキー125 クロームレガシー」とは
【タイ】超豪華なホンダ「モンキー125」発表に大反響! ギラギラクローム仕様に「超イケてる!」「欲しいなぁ…」の声! レトロな特別仕様車「モンキー125 クロームレガシー」とは
くるまのニュース
トヨタの「小さな高級車」がスゴかった! 「センチュリー級」クオリティ×全長4.5mの「ちょうどイイサイズ」! 直6+FRも魅力的な「プログレ」とは
トヨタの「小さな高級車」がスゴかった! 「センチュリー級」クオリティ×全長4.5mの「ちょうどイイサイズ」! 直6+FRも魅力的な「プログレ」とは
くるまのニュース
トヨタの新型「スーパーカー」まもなく登場!? 超ロングノーズ&「“V8”ハイブリッド」採用!?な「GR GT3」に反響多数! テスト車両目撃で話題に
トヨタの新型「スーパーカー」まもなく登場!? 超ロングノーズ&「“V8”ハイブリッド」採用!?な「GR GT3」に反響多数! テスト車両目撃で話題に
くるまのニュース
「カウル&セパハンの先駆け! 」2ストレーサーレプリカの代名詞:1983スズキRG250Γ(ガンマ)【あの素晴らしい名車をもう一度】
「カウル&セパハンの先駆け! 」2ストレーサーレプリカの代名詞:1983スズキRG250Γ(ガンマ)【あの素晴らしい名車をもう一度】
WEBヤングマシン
フェラーリの不人気車「400i」の予想落札価格は500万円前後…入札では驚きの1500万円弱で落札された個体は3速ATのクセ強めのグリーン仕様でした
フェラーリの不人気車「400i」の予想落札価格は500万円前後…入札では驚きの1500万円弱で落札された個体は3速ATのクセ強めのグリーン仕様でした
Auto Messe Web
【中国】価格は驚異の約240万円から! 日産新型セダン「N7」最速試乗!  発表から12時間で1万台強受注! どんなクルマ?【試乗記】
【中国】価格は驚異の約240万円から! 日産新型セダン「N7」最速試乗! 発表から12時間で1万台強受注! どんなクルマ?【試乗記】
くるまのニュース

みんなのコメント

12件
  • nij********
    ヴァンビーンOCR1000というのも確かロータリーだったかな?その頃やってた、題名忘れたけどバイクの漫画でミュンヒ4TTSとか、このヴァンビーンとか全く知らなかったメーカーを随分覚えた気がする。多分村上もとか先生の作品だったと思うんだけどね。
  • まなぽよ
    スズキはチャーターマークとかオイルシールの問題をどうやって解決したんだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村