2007年の登場以来、長い人気を誇る三菱 デリカD:5。これだけ人気かつ実用性も高いのであれば、他社からライバルと言えそうなクルマがでてもおかしくないのだが、その気配が一向に感じられない。文字通り、唯一無二で独走しつづけているのだ。なぜそんなことができたのか? その背景を探ってみよう。
文:小鮒康一/画像:三菱、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】デザイン、走破性どれをとっても他の追随を許さないミニバン!! 三菱の歴史に裏打ちされたオンリーワンなデリカD:5!(12枚)
めっちゃ人気なのになんで!?
三菱が誇るオールラウンドミニバンとして、2007年1月の登場以来安定した人気を誇っているデリカD:5。途中でビッグマイナーチェンジを挟んでいるとはいえ、すでにデビューから18年以上が経過しているにもかかわらず、現在でも月販2000台前後を記録しているのだ。
そんなデリカD:5の特徴と言えば、やはり他のミニバンにはない高い走破性と堅牢なボディ、そしてディーゼルエンジンを搭載しているという点だろう。
現在、他メーカーの国産ミニバンの中でディーゼルエンジンを搭載しているモデルも、高い走破性を売りとしているモデルも存在していないため、デリカD:5は唯一無二の魅力を持ち続けていると言える。
だが、それならなぜ他メーカーがデリカD:5のようなモデルをリリースしないのだろうか?
デリカにライバルいないワケ
クロスオーバーモデルが人気ということもあってか、他メーカーのミニバンをリフトアップすることができるアフターマーケット製のサスペンションキットなどもリリースされているため、いわゆる“アゲ系”のミニバンを作ることはそこまで大変ではない。
ただ一般ユーザーがアフターパーツを装着して車高を上げるのと、メーカーが完成車としてリリースするのはワケが違う。メーカーが出すのであれば、操縦安定性や快適性などさまざまな部分でメーカーが定める高いレベルをクリアしなければならないのだ。
となると、現在あるモデルをベースに作るというのは難しく、一からSUVミニバンとして開発することが必要になるハズだ。
今から開発費を投入して回収できるかがカギ?
三菱にとっては、デリカD:5以前のモデルからパジェロ譲りの走破性を兼ね備えたものを作り上げてきた実績と経験がある。
しかし、他メーカーがデリカに匹敵するモデルをリリースするためにかかる費用とそれで得られる利益を天秤にかけたとき、どこまでメリットがあるのかを考えると、現時点でデリカD:5とガチンコライバルとなるモデルを開発するのは得策ではないと判断しているのでないだろうか。
ちなみにデリカD:5も過去に他メーカーのミニバンに対抗するべく、2Lのガソリンエンジンを搭載した前輪駆動モデルをラインナップしていたことがあったが、こちらは逆に他メーカーのミニバンに全く歯が立たずにひっそりと姿を消したということもあって、いずれにしても餅は餅屋ということなのだろう。
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みんなのコメント
他が今さら真似した所で90年代ステーションワゴンブームの二の舞がオチ。